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医療通訳ボランティア
小島 素子さん
聞き手鈴木 京子
撮 影落合由利子
「病気のときって一番弱いでしょ」
 横浜駅から歩いて5分ほど、国道を挟んですぐ横浜港が見える診療所で、小島さんに会った。
 小島さんは日本語を母語としない人の生活支援のため医療通訳の派遣などをしている「MICかながわ」のスペイン語通訳スタッフだ。医療通訳のボランティアにかかわり始めたのは15年ほど前。この診療所には、10年前から通っている。「困っている人がいるのに、平気で放置している日本があまりにも恥ずかしいと思った」のがきっかけだった。

小島さんは、1974年から1年間、2人の子どもを連れてスペインへ留学し、保育園を探して大学に通った。1980年代後半には、夫の転勤によりロンドンで4年間を過ごす。海外で「外国人」として暮らしてきた小島さんが、イギリスから帰国して感じたのは日本社会の「外国人に対する思いやりのなさ」だ。
 横浜市立大学にナイジェリアから来ていた医学部の研修生が、教授から紹介された月7万円のアパートでは暮らしていけないと、学生課に相談に来た。語学実習室にいた小島さんが通訳に駆けつけたところ、学生課は研修生には学生寮を紹介できないから自分で駅前の不動産屋へ行けと言う。
 「当時は今よりも差別があったし、黒人で日本語も話せない外国人にそんなことできるわけない。結局、寮のボス的学生に話をつけて急場を凌いだ。留学生を何百人も抱えているような大学でもそんな状態だった」
 同じころ、MICかながわの前身となるグループの通訳ボランティアとして、ペルー人女性の通訳に出向いた。
 ひどい腹痛を起こして救急車で運ばれそのまま入院した彼女は、やっと歩けるようになると自分で電話をかけてきた。自分に何が起きたのか、どんな病気なのか、いつ退院できるか、費用は…。
 「不安のトンネルの中に放り込まれたまんま。でも病院はちっとも罪の意識なんか感じていなかった。日本でこういうことが起こっているのは、たとえこれ1件であっても嫌だった」


続きは本紙で・・・

こじま もとこ
 1942年、韓国ソウル生まれ。終戦で帰国し東京で育つ。スペイン滞在以来のワイン好きで、落ち込んだときはワインを2杯飲み、いい気分になって忘れる。絵を描くゆったりとした時間を大切にし、年1回個展を開く。大の病院嫌いだが、今年はじめに大病をし患者としての自分の話を医師が聞いてくれる「女王様気分」を味わった。訳書に『ロルカ・ダリ 裏切られた友情』(アントニーナ・ロドリーゴ著、六興出版)など。

「ごめんください」とは、ふぇみん1面のインタビュー記事です
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