「ふぇみん」3194号(2018/7/25)を発行しました。 目次 2…高度プロフェッショナル制度の問題点 3…大学奨学金の返済負担増で何が起こる? 4…『沖縄スパイ戦史』三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー 5…京都・ウトロ地区 日韓市民の支援で再開発進む 6…mystery 『許されざる者』 1面 映画『沖縄スパイ戦史』共同監督、ジャーナリスト 大矢英代さんOya Hanayo [苦しみの原因を紐解いてあげたい] 聞き手…柏原登希子 撮影…落合由利子 --- おおや はなよ 1987年千葉県生まれ。「この道の先に~元日本兵と沖縄戦を知らない私たちをつなぐもの」でPROGRESS賞優秀賞(2016年)、「テロリストは僕だった~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち」でテレメンタリー年間優秀賞(17年)ほか受賞多数。本作が初監督映画。 --- 2面 高度プロフェッショナル制度が掘り崩す働き方の基盤 文●上西充子 ●ねこのひげ 3面 大学奨学金問題の現状と今後の課題 返済負担増は再生産不可能社会をもたらす 文●大内裕和 ●FLASH ・日本経済の今後は? 東京・たんぽぽ舎で講演会 7月5日 ・プラスチックと地球環境汚染 プラスチックを使わないくらしを! ・家畜福祉とビジネスの両立を 世界標準と日本の実践 7月7日 ・第20回福島原発刑事裁判公判 参議院議員会館で集会 7月11日 4面-1 『沖縄スパイ戦史』三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー 先島諸島への自衛隊配備で「秘密戦」再び 「住民の利用と監視は始まっている」 4面-2 【連載】東京五輪は誰のため?⑨ 平昌“平和オリンピッ”の暗い闇 文●いちむらみさこ 5面-1 再開発が進む京都・ウトロ地区 日韓の市民の支援で、在日の暮らしの場を守った 文●菅原充子 5面-2 「性暴力と報道 対話の会」が報道関係者に緊急セクハラ調査 報道する側の性被害に目を向けて 6面 ミステリーの本棚 『許されざる者』レイフ・GW・ペーション著 文●稲塚由美子(ミステリー評論家) 久山葉子訳 1300円(税別)創元推理文庫 【書評】7/25号の書評ページへ 『国体論 菊と星条旗』白井聡 著/集英社940円 『どこで、誰と、どう暮らす? 40代から準備する共生の住まいづくり』 近山恵子、櫛引順子、佐々木敏子 著/彩流社1600円 『常磐の木 金子文子と朴烈の愛』キム・ビョラ 著 後藤守彦 訳/同時代社2000 円 ●books イスラム流 幸せな生き方 世界でいちばんシンプルな暮らし/右派はなぜ家族に介入したがるのか 憲法24条と9条/陸軍中野学校と沖縄戦 知られざる少年兵「護郷隊」 ●Gallery ドキュメンタリー映画『国家主義の誘惑』 7面 【連載】ゆりばら!(309)竹内佐千子 ●voices ぴーちくぱーちく 「心強い、ふぇみんML」 ●FORUM「ヘイトハラスメントとの闘い」 ●ふぇみんのお店 王隠堂農園 梅干大(500g)1512円 梅干小(300g)1026円 8面 ●event information ●diary ふぇみん日誌 -------------------------------------------------------------------------- ●2面 ねこのひげ ●7月6日、オウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚ら7人の死刑が執行された。同一事件での多数人の処刑は大逆事件(1910年)での幸徳秋水ら11人が処刑されて以来●麻原は一審途中から心神喪失状態で治療は行われず、動機も全体像も未解明。受刑能力、訴訟能力はあったのか(本紙6月25日号)●国際的な人権基準にも逆行。EU代表部は加盟国のアイスランド、ノルウェー、スイスの駐日大使と声明を発表。テロ行為を非難した上で、「いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対」「死刑は犯罪抑止効果がない。司法の過誤は、極刑の場合は不可逆」と。そしてモラトリアム(執行停止)を呼びかけた●処刑当日はワイドショーが処刑執行を逐次速報、上川法相は前夜に宴席。処刑を批判したテレビ出演者に「お前も同罪」のバッシングの嵐。問うべきは、処刑文化にどっぷり浸かったこの社会そのものだ。(登) -------------------------------------------------------------------------- 3面【フラッシュ】 ・日本経済の今後は? 東京・たんぽぽ舎で講演会 7月5日 「カネコノミクスが導く日本経済再生への道」として金子勝さんが講演。財政金融政策でテコ入れしても日本経済は回復せず、産業・企業も技術力の低下で国際競争力がなくなっているのが現状。電力大改革により分散型ネットワーク社会の基礎となるエネルギー革命と、個々の個別事情にきめ細かく対応できる地域の社会保障福祉政策とを組み合わせた「地域分散型社会」を未来図として提示した。 ● ・プラスチックと地球環境汚染 プラスチックを使わないくらしを! 7月7日、きれいな水といのちを守る東日本連絡会の学習会が催された。講師は東京農工大の高田秀重さん。海洋汚染はますます深刻化し、もはやリサイクルでは解決できない。プラスチックからノニルフェノールという化学物質が溶け出し、生殖異常を引き起こすと以前から言われている。リサイクル製品も洗濯すると微細な繊維が下水へ、そして海洋へと放出される。負の遺産を次世代へ残さないために、プラスチック製品をできるだけ使わないようにと話した。 ● ・家畜福祉とビジネスの両立を 世界標準と日本の実践 7月7日 アニマルウェルフェアフードコミュニティジャパンが「家畜福祉をめぐるグローバル食品企業の動きと日本の多様な実践」を考えるシンポジウムを開催。世界動物保健機関が「世界家畜福祉基準」を策定しているが、地理的風土と密接に関わる家畜にも多様性があるべきではと指摘された。マクドナルドなどのグローバル食品企業の変化とともに、鶏の平飼いのように家畜の福祉を重視する日本の生産者の実践(あやべ吉水自然農園、秋川牧園など)も紹介された。 ● ・第20回福島原発刑事裁判公判 参議院議員会館で集会 7月11日 ゲストのノーマ・フィールドさんが「マンハッタン計画から76年」と題して講演。昨年シカゴ大学で核分裂実験成功75年の記念行事があり、少数の学生が抗議のダイ・インを行ったこと、アメリカではかつて市民に核物質を注射するなどの人体実験があったとの報告書が出たことなどを語った。海渡雄一弁護士が公判について、東電土木技術グループの証人が沖合防潮堤の設計、工程表、予算案の作成などについて証言したことは結果回避可能性の証明に資すると報告。