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ふぇみんの書評

すぐにわかる 戦争法=安保法制ってなに?

戦争をさせない1000人委員会 編

  • すぐにわかる 戦争法=安保法制ってなに?
  • 戦争をさせない1000人委員会 編
  • 七つ森書館1200円
  「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」を構成する一団体である「戦争をさせない1000人委員会」が、安倍政権が集団的自衛権行使容認を閣議決定した2014年7月から安保法阻止の運動までの講演や集会での著名人のスピーチや、同会メンバーの安保法に関する執筆をまとめた本書。安保法制成立前の出版ながら、一向に内容が古く感じない。  頭をクールダウンして安保法制の執筆を読めば、安保法を法案発表直前に合意された「日米ガイドライン」の記述に沿って読むことであらゆる「戦闘行為」が明らかに(前田哲男)。その上で、小山内美江子、小室等、なかにし礼の言葉(「泣きながら抵抗を始めよう」〈なかにし〉)を読めば、心に新たな火が点る。特に落合恵子のスピーチは、運動内部に巣くう女性差別に言及し、痛みへの想像力、寄り添いなしにどんな運動が可能なのか、と鋭く問う。安保法成立の次の一手を考えている今の私たちにこそ必要と感じた。(登)

太陽のひと ソーラーエネルギーで音楽を鳴らせ!

朴順梨 著

  • 太陽のひと ソーラーエネルギーで音楽を鳴らせ!
  • 朴順梨 著
  • ころから1400円
 久しぶりに晴れ晴れする本だ。武道館ライブを太陽光発電で。そう思いついたのはシアターブルックの佐藤タイジ。最初は誰もが無理だと思った。だが太陽光発電システムにかかわる企業がその「社会実験」に賛同、斉藤和義や奥田民生などのミュージシャンが参加して2012年、THE SOLAR BUDOKANが実現する。最後まで電力がもつか不安もあったが、ライブは無事終了した。  翌年からは岐阜県中津川市に場を移し、さらに発展し、今も続く。太陽光での大規模フェスの実現は、エネルギー転換に向けた1つの証明と提言になった。  本書では自治体でエネルギー転換に取り組み、保育園等に太陽光パネルを設置する長野県飯田市などの事例も紹介される。  地場で作られる電気は雑音が少なくライブ音も澄んで響くそう。一緒に音を楽しむだけで、ちゃんと社会を変える活動になるって素敵だ。読んですぐに中津川に行きたくなった。(梅)

死刑冤罪 戦後6事件をたどる

里見繁 著

  • 死刑冤罪 戦後6事件をたどる
  • 里見繁 著
  • インパクト出版会2500円
本書は「免田事件」「財田川事件」など、1980年代に再審無罪判決を得た4つの事件と、昨年、再審開始決定が出た「袴田事件」、無実を証明する前に処刑されてしまった「飯塚事件」を取り上げている。  事件を振り返り、再審で無罪判決を受けた本人や家族、弁護士たちに取材し、本人がその後どのような生活を送っていたかを取材。再審までの道のりは長く、死刑判決は本人だけでなく、家族の人生も狂わせる。雪冤を果たしても、全てがバラ色になるわけでない。侵害された人権の回復は困難で、死刑再審無罪者の年金支給に関する法律もたった2年前に成立したばかりだ。  著者は、長年の取材から冤罪の構図をあぶりだす。嘘の自白をさせ、証拠をねつ造する警察・検察。証拠の矛盾にも目をつぶり、無罪判決に臆病な裁判官。冤罪を生みだしておきながら、国家犯罪なのに警察も検察も裁判官も誰一人責任は取らされず、死刑執行が粛々と行われる日本。この国の恐ろしさに身震いがする。(り)
【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月750円、3カ月2,250円
 6カ月4,500円、1年9,000円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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