Subject: [fem-women2000 317] 国連総会特別会期 北京プラス5報告ー3−
From: Junko Kuninobu <kjunko@asu.aasa.ac.jp>
Date: Tue, 6 Jun 2000 13:06:53 +0900 (JST)
Seq: 317

2000年6月5日11:30より国連総会特別会期 北京プラス5の開会式は
国連本部向かいのダグハマーショルド広場の屋外特設会場で実施されました。
アナン総長は力を込めてよりよい社会には女性の差別撤廃、女性への暴力の排除
が不可欠であると演説。気負ったところのないいい雰囲気の人物でした。
準備に関わった多くの女性、NGOを支援しているNYの男女議員などが20人くらい
登場し、顔を見ながら演説を聞くと、「あ−こういう人物か」とわかるところが
現場にきたおもしろさでもあり、状況が理解しやすくなる利点です。

午後には国連本部内でパネル討議があり、ヒラリー・クリントンとムハマド・ユ
ノス、SEWAのエラ・バットなどがマイクロクレディットについてパネル討議しま
した。ヒラリーさんの人気はかなりのものです。彼女ははっきりと自分個人の意
見としてマイクロクレディットをもっと国、公共機関が支援し、予算を配分すべ
きだと主張しました。明確な洞察能力のある人です。

またユニフェムのパネル討議では1995年から1999年までの進展についての報告書が刊行され、なにが達成され、何がまだなのかについて報告がありました。これも非常に具体的かつ女性たちの自己評価であり、多様な分析がありました。ギタ・センは状況分析において経済効率とジェンダー正義は両立するかとういう問いを投げかけました。
持続可能な経済効率とはジェンダーと両立するはずです。いずれもパワーあふれ
る女性リーダーのよき役割モデルを見ることができました。

夜にあった(20:00〜21:00)日本政府の説明会では担当の男性が北京
行動綱領を後退させようとする国アルジェリア、リビア、スーダン、パキスタン、
キューバ、ニカラグアの国名をあげ、これらの国が協議の進捗をおくらせている
ことが報告されました。家族の多様化、伝統文化が女性差別を形成していること、
性的志向性の多様化(上記の国のいくつかは100年たってもこのことには合意
できないといったそうです)、夫婦間暴力の防止策、外国軍隊の駐留の問題性、
生殖の自己決定、 ODAのジェンダー・メインストリーミング支出をすくなくとも
0.7%にすることなどが合意できない論点のようです。
報告担当者の岡庭企画官が蝶ネクタイ(ちょっと大きすぎたよ、あの蝶ネクタイ
は・・)で説明してくれました。

これから3日間でどこまで北京行動綱領の内容を後退させず、さらに進展させら
れるかです。皆徹夜仕事をしています。
国信潤子



 _________________________________________________________________________
 fem-Women2000@jca.apc.org for Women 2000, UN Special Session on Beijing+5
 Searcheable Archive http://www.jca.apc.org/fem/news/women2000/index.shtml
 visit fem-net HomePage for other mailing lists http://www.jca.apc.org/fem

Return to Index
Return to fem-women2000 HOME