Subject: [D] 暴力ワークショップから
From: lalamaziwa <lalamaziwa@jca.apc.org>
Date: Sat, 04 Sep 1999 09:40:51 +0700
Seq: 27

(代理投稿)

バンコクから、牧田 報告(英語はlalamaziwaさんの通訳による)
 8月31日の午後、会場のカセサート大学に到着後、すぐ登録を済ませ、本会議
が開かれている講堂に行く。ざっと見渡しただけでも300人以上。東、東南、南、
中央アジア、太平洋地域から参加している。夜は、歓迎レセプションが開かれ、こ
のへんのこともいろいろあるのだが、また今度。

 9月1日は朝から夕方まで、北京「行動綱領」の12領域に別れてワークショッ
プが行なわれた。
 私は、「女性に対する暴力」に参加。
 以下は、非常に大胆、かつ大雑把な報告であることをお断りしておきます。
 ワークショップの進め方はそれぞれで、ここは、午前に、session1、午後
session2と続けないで別々におこなった。
議長を務めるはずの女性が来れなくなったので、急遽、3つの議題別に分かれた。
(1)は暴力に関する制度 (2)は暴力の原因・結果・対策=行動 (3)人身売買につい
て
 私は(2)に出た。タイ、フィリピン、モンゴル、インドネシア、中国の女性たち
が参加。
 日本では、DVがふえていること、国の総合的な観点からの施策が行われていな
いこと、公的シェルター、サポート体制がまったく不十分であること、NGOの
女性グループがそのギャップをうめていること、DV防止法、女性に対する暴力
防止法がないので、女性グループが取り組みはじめていることなどを話した。紛
争下の暴力、軍隊基地下の暴力について沖縄のことをあげて説明。

 以下は、(1)〜(3)までの報告

(1)  制度の報告   シェルター、サポート体制の財政的問題/子どもへの性的虐
                 待の問題
                 暴力に取り組む政府機関がない
     新しい課題
             夫が死んだら、妻も殺される(これは行動綱領の継続課題)
              カースト
               経済的危機で暴力が増えている。
              領事館などで行われる「暴力」は問われないことの問題
              罪を女性に擦り付けてその女性を殺してしまう(honour killing)
(2) の報告  

問題点   社会的、文化的価値観に家父長的なものが多く、それが問題/暴力の問
         題については調査はあまり行われていない。 ポルノグラフィーによる性
         の商品化    
新しい課題
             暴力防止法などの法律が無いところも/カウンセリングシステムの充実
              政府に関心が無い 財政問題

(3) 人身売買 
成果           人身売買が社会的に認知されてきた/メディアも取り上げるよ
               うになってきた/買売春関係の法律については、その法律自体、
               女性に有利に使えない、その法律自体がないというのが問題であ
               り、障害になている。
               人身売買に関するデータが少ない
継続的課題   人身売買を明らかにする政治的意志が足りない
新しい課題   経済状況の悪化で人身売買が増える/情報技術が悪用されている(インタ     
             ーネット)/人身売買を止める法律を導入する/法・施策の実施

以上をまとめると
成果   NGOが活発になっている NGOがそうした活動の中心になっている
       地域的連携協力が強化された
       人権委員会が設立され、大きな力になっている

ギャップ 政府が政策を実施していない
         行動綱領には評価項目が無い 到達点を持てるように作り替える必要がある 
         暴力からへの回復の施策がない
         財政的支援が無い

将来的課題  人権教育  学校教育、各行政の関連機関はジェンダーの視点で研修を行う
            防止法の策定
            被害者に対するサポートと保護
             

session2 「将来の行動」をまとめた

被害からの回復と保護を含めたサポート体制を実行する
幼児、小・中・高・大学など、あらゆる学校・関連機関で人権教育をおこなう。
特に女性に対する暴力は人権侵害であることを徹底する
警察、教育者、医療、福祉、司法関係者などに、ジェンダーの視点で研修をおこなう
女性に対する暴力関連の事務所(クマラスワミ)を国連に設立し、問題を解決し
ていく施策を行い、より積極的に推進する。及びクマラスワミさんがまとめた報
告の付録にある「framework]を基に、行政の施策、法規制を実行する
財政問題に関して、被害者、サポートグループに直接支援が行くような形にして、
5年間に100万ドルだすこと  
GNP、GDPから暴力被害者・サポートグループに配分し、支援する
 


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