Subject: [fem-women2000 206] WA2000 CSW: Daily News 11 - 日本語 - 03/14/00
From: "Oda Yukiko" <oda@kfaw.or.jp>
Date: Tue, 21 Mar 2000 10:25:23 +0900
Seq: 206

以下はWomenAction のDaily News の一部の抄訳です。lalamaziwaさんからのお願い
(北京+5情報の翻訳)に答えて流します。随分古い情報になりすみません。間違って
いたら訂正してください。―おだ

CSW: Daily News 11 - 日本語 - 03/14/00

WomenAction Daily Bulletin Number 11 (3月14日)

編集部:
環境コーカスは、もし、規制を受けない少数の力を持った人が、お金のある無しだけ
を基準に気ままに水を左右するようになれば、他の大多数の人びとはどうなるだろう
か、と言う重要な問題を提起している。すでに水を配給している国はたくさんあり、
そのため日常生活を通して先ず影響をこうむるのは女性である。地域農業の衰退、自
然資源の略奪、商品作物のための過剰耕作のため食料は不足し、同時に産業公害は生
態系を破壊している。フランス海岸に石油を撒き散らした石油タンカーエリカ号は一
例に過ぎない。環境コーカスは、各国政府が、パラグラフ50に追加提案した、土地、
水、衛生、食料の安全保障に関することを採択するよう希望している。さらに、核生
産および核廃棄物処理による危険に関しても我々は監視しなければならない。
月曜日(3月13日)朝、環境コーカスはNGOの代表にこのことが北京行動綱領のどこに
も触れられていないと述べ、支援を依頼した。WomenActionはこれを共有する必要が
あると感じた。環境保全を中心に考えたり行動しないならば、持続可能な開発は不可
能である。

適切な情報通信技術:女性の社会的行動のコミュニケーションの道具としてのラジオ
  ラジオは開発途上国の女性にとってはとりわけ重要なコミュニケーションおよび
ネットワークのための道具である。Eメイルやwwwと結びつけることでより情報を提供
し、ロビーイングやアドヴォカシー活動を展開できる。ここでは2つの革新的な女性
の取り組みを紹介しよう。
南アフリカのWomen's Net Radio Exchange http://radio.womensnet.org.zaは地域の
ラジオプログラムにジェンダーを入れること、ジェンダーに取り組んでいる団体が地
域のラジオ局にニュースやプログラムを提供できるよう、情報およびコミュニケー
ションの技能・能力を高めることを目指している。このRadio Exchangeはwebで女性
およびジェンダーに関する情報交換をしている。
Feminist International Radio Endeavor (FIRE) http://www.fire.or.crの目的は
声、技術、行動をつなげて声無き人びとに声を与え、メディアにおける女性を増や
し、メディアで固定的でない女性を描くことにある。むろん女性の多様性をも認識
し、尊重している。FIREは性差別的でない(non-sexist)コミュニケーションを進め、
コミュニティ、地域、国、地球規模でのコミュニケーションを強化することに貢献し
ている。これは英語とスペイン語でラジオとインターネットを通じて行われており、
国、文化、人種、地理的言語的境界線を越えて女性の多様な声を伝え、ひいてはジェ
ンダー・ギャップを埋めようとするものである。

インタビュー:出産も選択も
インド生まれでニュージャージー在住のサティ・ギル・ケスワニは、CSWのヘルス・
コーカスの組織者の1人である。「私の仕事は命を作り出すことです。私はリビング
ストン出産センターの所長をしています。人びとは妊娠したいと訪ねてきます。私は
彼らに選ぶ権利を持って欲しいのです。」彼女は35歳出産を推進している。「私の若
い女性へのメッセージは親になるのを遅らせないでということです。30歳半ば以降は
出生力が落ちます。」
「口径避妊薬は出生力を下げ、感染を起こす。特にアフリカでは性感染病およびHIV
は不妊をもたらしています。感染症に注意し、口径避妊薬を長期間飲まないようにし
なければなりません。職業は遅らせることができますが出産は違います。」家族計画
は大切です。これには男性に対する教育が含まれるべきです。「私はコンドームを推
奨しますがたくさんの男性が拒否します。男性はもっと学ばなければなりません。」
ヘルス・コーカスは行動綱領を尊重しない人びとにより幾度か邪魔されているにもか
かわらず、現在HIV/AIDS、リプロダクティブ・ライツ、および人権に関する声明を準
備中である。「私たちが代表団と話す機会は限られているので注意を向けさせること
ができるかどうかわかりません。」

浮上してきた課題
女性たちの生活が水の商品化と"wonder foods"により脅かされている。
NGO代表はこの環境問題がOutcomes Documentに含まれるように毎日会合を開いてい
る。行動綱領では安全で清潔な水への平等なアクセスは女性の問題だとしているが、
グローバリゼーションとジェンダー分析を全く含んでいない貿易交渉の結果、大企業
が利益を求めてこの資源へのアクセスを脅かしているのである。世界中の水資源はま
すます汚染されており、特に地下水は過剰に使われている。既に水はビンに詰められ
商品として利益のために売られており、その品質に対する規制が確実では無いことさ
えある。いくつかの国では値段が高くて貧しい人は買えなく、汚染した水を使用する
危険を冒している。
代表はさらに、リオ宣言で同意された、増えつつある遺伝子操作された作物を管理す
る規則についての事前注意原則を確かなものにするよう呼びかけている。この遺伝子
操作により有益で必要な命を破壊してしまうだろう。加えて、代表は遺伝子操作され
た素材が含まれている食物や食品加工物のラベル表示を呼びかけている。
「我々は、政府に対し、北京行動綱領のパラグラフ253(d)で、環境から女性が受ける
危害を減らすよう政府は適切な方策を取る責任があると確約していることを指摘した
いと思います。」

武力紛争における女性
先週の金曜日、3月10日、武力紛争かにおける女性コーカスは政府代表と会った。ア
メリカを含む多くの政府が、安全保障理事会が武力紛争下の女性にかんする公開の会
議を持つようにするというコーカスの目的に賛同してくれた。その第一歩として、
コーカスは3月15日水曜日に安全保障理事会の政府代表に対してブリーフィングを行
う予定である。武力紛争下の女性コーカスは、平和へ寄与し、代理人として女性が関
係することに光を当てたい。異なる3地域(中央アフリカおよびバルカン)出身の
コーカスの3人のメンバーが女性により始められた平和のためのイニシアティブにつ
いて話す予定である。全体的にメッセージは、戦争と紛争は北京行動綱領実施にとっ
てもっとも深刻な障害であることを強調するものになるだろう。

フランス語圏の女性が権力と開発に関してロビーイング
フランス語圏コーカスは、グローバルな社会にあってはすべてがつながっていること
から、女性は経済、政治、社会、メディアなどの分野で意思決定の力を持たなければ
ならないと主張した。

横断的事項
障害を持った女性および少女は障害とジェンダーに基く二重の差別に面している
世界各地から集まった女性は障害者コーカスを結成し、北京行動綱領の実施に当たり
障害をもった女性に関する認識と保護を増すようロビーイングすることになった。ア
メリカの障害者女性研究所(Women's Institute for Disability)のキャシィ・マル
ティネスは「我々は障害を女性の問題とすべきです。女性は貧困、暴力、武力紛争、
水準以下の医療のために障害者になり易いだけでなく、周囲の人が障害者となれば世
話をする可能性がもっとも高い。」と言う。
障害者コーカスは「障害を持った女性:グローバルな状況概観」と題するファクト・
シートを作成し、障害と他の重大問題領域との関係をわかるように示そうとした。
コーカスは貧困と障害のサイクルを示し、貧しい人はその生活状況故に障害を得る危
険が高いことを指摘した。また世界の障害のある女性の労働力率は4分の1に過ぎない
と述べている。文書はまた世界の障害者の識字率は3%で、障害のある女性や少女は食
料や保健サービスへのアクセスを阻まれている。さらにまた、障害と暴力や武力紛争
と少女の関係についての統計も示している。
キャシィ・マルティネスは、国際的な女性運動が、障害が重大な領域であることにつ
いて認識し始めたと自信を持って述べた。情報はHarilynR@aol.com.

排外主義
人種差別は社会のあらゆるところにはびこっており、暴力の現われであり、女性に対
する暴力の原因でもある。人種差別は有色女性や黒人女性、先住民の女性の身体的、
情緒的、心的、精神的健康に影響する。これらは有色女性コーカスが人種差別とジェ
ンダーによる差別の交差を重視する理由である。これらは歴史的に消えずに残ってお
り世界の過半数の女性に影響する。
人種差別は女性の生活のあらゆる側面に影響する。例えばグローバリゼーションのも
とで金融部門の支配と多国籍企業により変化が生まれ、有色女性はますます経済から
排除されている。従って、有色女性コーカスは、これは北京行動綱領のフォローアッ
プ戦略として重要であるだけでなく、2001年に開催される予定の「人種差別、排外主
義およびあらゆる形態の差別に反対する世界会議」ともつながるものだと考えてい
る。

先住民の女性の権利のための闘い
3月13日(月)先住民女性はパネルを組織し、現代の人種差別と個々の女性の政治参
加について分析した。パネリストは先住民女性のアイデンティティの構築の必要性を
語り、また先住民の文化と精神性は豊かな資源であり、彼らのコミュニティの男女の
バランスを再構築する助けになると強調した。
マイルナ・カニングハムは先住民の人びとの権利は、自己決定権、土地の権利、政治
参加の権利の3つの基本的権利に根ざしていると指摘した。彼女は現在独立を要求し
ている先住民はおらず、彼らが求めているものは国家の完全なる再構築で、それによ
り、文化的・社会的変化が起き、多様な民族の民主主義が構築されることであると言
う。

内側の視点
準備委員会はOutcomes Documentの第4部まで行かないのではないかとの言葉が飛び
交っている。無作為に聞いた政府代表の声:
「多くの政府は行動綱領で同意した文言以上には行かないだろう。今は加速すべき時
なのに悲しいことです。」
「NGOはまだ文言を入れる余地がある。異なる分野で障害や挑戦が計算に入れられて
いることを確認する必要がある。」
「今週末までにOutcomes Documentを終われないのではないかと心配しています。ま
だ全部のパラグラフの第1稿さえ終わっていないのだから。」

特別イベント
先週の終わり頃国連CSWで妨害があったそうである。例えば、3月10日、カフェテリア
の新聞売り場の近くに座っていたNGOの女性は何人もの若い女性に囲まれた。彼女は
彼らの大声での祈りに驚いてなぜそんな嫌がらせをするのかと尋ねると、「あなたの
尊厳のために祈っている」と答えた。このようなやり方でこの人達は彼女の個人的領
域を侵し、国連における政治的対話のルールを破った。彼らは、「母性」または「家
族」と書かれた赤か青のバッジをつけていた。CSWのNGO代表にたくさんのプロライフ
(子どもの生命を重視し中絶に反対する)の参加者が入っていることが確認されてい
る。
北京行動綱領採択後5年を祝おうと集まっている、性的およびリプロダクティブ・ラ
イツの実施のために努力してきた多くの女性のNGOにとっては、これはうれしくない
ことである。NGOは一般的に、人びとが自分たちのニーズを表明できるオルターナ
ティブな場であり、言論の自由が尊重されるところなのである。
もしNGOが政府代表に嫌がらせをしたら結果は明白だが、NGO間の嫌がらせをどうにか
するシステムはない。我々は国連で可能な限り効果的に仕事をしたいと考えている。
会合で人前で話すのを恐れたり、会合の外で攻撃されるような雰囲気は、これまで一
生懸命作り上げてきた女性の地位向上のための国際的フォーラムを台無しにするもの
である。もし、政府がほんとうに建設的なNGOの貢献を欲しいと思うのならば、我々
は北京+5NGO運営委員会に対し、妨害や嫌がらせから守られるシステムを確立する
よう要求する。加えて、NGOの活動評価の責任ある人たちに、ECOSOCの協議的地位を
有する妨害したNGOが罰せられるようシステムを調査するよう求める。万一、嫌がら
せにあったら国連の警備に電話を。



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