Subject: [fem-women2000 205] WA2000 CSW: Daily News 10 - 日本語 - 03/13/00
From: "Oda Yukiko" <oda@kfaw.or.jp>
Date: Tue, 21 Mar 2000 10:14:31 +0900
Seq: 205

以下はWomenAction のDaily News の一部の抄訳です。lalamaziwaさんからのお願い
(北京+5情報の翻訳)に答えて流します。随分古い情報になりすみません。間違って
いたら訂正してください。―おだ

CSW: Daily News 10 - 日本語 - 03/13/00

WomenAction Daily Bulletin Number 10 (3月13日)

社説:
経済のグローバル化と投機的金融影響はどの分野でも見られる。通信や情報はその好
い例で、巨大多国籍企業の合併・吸収により、放送ネットワーク、その中身、プログ
ラム、テレビ、新聞、ラジオ、インターネットは少数者の手に握られている。お蔭で
我々の選択肢は狭まり、世界中どこでも同じ映画、同じように「注意深く選ばれた」
情報、同じコマーシャルを、テレビでもwebサイトでも見せられ、女性の現実の生活
は排除され、女性は単に消費者としてしか見られていない。このような状況の中で今
我々にできることはただ一つ、通信技術を自分達のものにすることである。それが書
かれたものであれ、視覚的なものであれ、電子によるものであれ、自分達の放送、新
聞、インターネットを作り出そう! これにより、我々の闘いや希望をより見えるよ
うにでき、カネだけが目的で多数の人びとを貧困化に追いやっているグローバリゼー
ションに対抗できるのだ。我々の連帯により前進し力を合わせよう。これは
WomenActionの中心的考えなのである。

適切な情報通信技術:女性の図書館は情報へのアクセスを高める
  国際情報センターおよび女性運動のため文書館(IIAV)は、刊行物の分類に用いるた
めに女性の用語類語義辞書を開発し、ヨーロッパの女性図書館と共同でそれを最新の
ものにしている。今年はこれをオンライン図書館の基礎にしたいと希望している。利
用者は自国語でオンライン・カタログに打ち込むとそれが自動的に他の言葉に翻訳さ
れ、ヨーロッパ中の図書館の情報を得ることができる。今、ヨーロッパで参加者を増
やすべく話し合っているところである。アルゼンチンでは、女性生涯教育情報セン
ターが女性図書館の中にサイバー・カフェを設けている。これを通してインターネッ
トにアクセスできるだけでなく、情報を見つける訓練や女性に関する重要なトピック
に関する主要文書にもアクセスできる。モントリオールでは、成人教育および女性の
地位情報センター(CDEACF)がオンラインカタログを出版し、NGOが作りだし、集めた
膨大な報告書や参考文献、文書について多くの人に知らせた。これらは女性運動の生
きた記録と言える。CDEACFのNetFemmesネットワークは現在フランス語による重要な
女性NGO文書の全文をWebで見れるようにしつつある。www.cdeacf.ca参照。

インタビュー:NGOの経過
「今回のCSWにおけるNGOの経過は前回の第43回におけるNGOのブレインストーミング
で始まりました。その結果、第44回委員会ではNGOのフォーラムは開かないがワーキ
ングセッションを開くことが決定されたのです。」全インド女性会議代表であり、
CONGOの北京+5フォーカル・ポイントでもあるスダー・アチャルヤ(Sudha Acharya)
さんは、この準備委員会での働きについて語った。「NGOは国連の5地域、通信ネッ
トワーク、大きなネットワーク、先住民女性、CONGOおよびその女性の地位に関する
3委員会の代表による、代表調整会議(representative coordinating committee)を
形成することにしたのです。地域代表は各地域により選ばれました。各地域のNGOは
これらの代表に、交渉過程で入れて欲しい意見を伝えることができます。皆が一緒に
することが重要なのです。」
ニューヨークには日々のことがらを扱う小委員会があり、CONGOがその事務局になっ
ている。アチャルヤさんは、WomenWatch、WomenAction 2000、CONGOのインターネッ
トを通じて提案されている情報の質の高さを喜んでいる。「次にすべきことは、これ
らの情報を利用して、使うことです。北ではインターネットへのアクセスが高いので
情報の共有ができやすいのですが、情報へアクセスできる人はそうではない人に伝え
る方法を見つけなければなりません。これはすべての組織がしなければならないこと
です。」
では、公にされてはいないが会合の準備のためにNGOが必要としている国連文書への
アクセスはどうだろうか?「いわゆるnon-papersは公式には公開できません。しかし
それらを知る方法はあります。」もしCSWが来週全部の討議を(公開)できなかった
ら?「CONGOが、会合に関する情報が掲載されるようにします。」
目が回るような忙しさと複雑な過程の最中にあって、アチャルヤさんはすべてのNGO
に決まりを守り、お互いに礼儀をわきまえるよう訴えている。

地域:
ヨーロッパ連合コーカス
ヨーロッパ女性のロビーイングは、女性の性的およびリプロダクティブ・ライツを重
視し、女性に対するあらゆる形の暴力(買春と人身売買を含む)に反対し、CEDAWの
選択議定書と国際犯罪法廷法を署名・批准し、ジェンダーと民族間の平等という概念
を用いる必要性を強調した。コーカスが掲げたその他の優先項目は、ジェンダーに基
く迫害に基く亡命を認めること、EUのマクロおよびミクロ経済・貿易政策に関する立
場を問うこと、若い人の参加を支持すること、Outcomes Documentの第4部に時限を決
めた目標を増やすことを支持するようEUに対し働きかけること、である。

アフリカ・コーカス
アフリカのNGOやネットワークにより結成されたタスクフォースは、1999年のCSW委員
会以降、北京+5の見直しに関する情報を流し、また他のAPCなどと共同して、英語
と仏語のアフリカ女性バイリンガルwebサイトを立ち上げた。www.flamme.org

ラテンアメリカ女性の優先項目
性的およびリプロダクティブ・ライツに関し、女性の性的リプロダクティブ・ライツ
へのアクセスを妨げる地域のカソリック教会と対峙するための戦略を策定し、国連に
おけるバチカンの現在の地位を変え、中絶を罪とすることに反対するために闘い続け
る。
文化的多様性の権利に関し、異なるライフスタイルを認め、先住民、アフリカ系ラテ
ンアメリカコミュニティ、レスビアンなどの差別に反対する公共政策を作る。
民主主義の強化については、メディアにおける民主主義を提唱し、女性の地方自治体
への参加を支援し、女性のニーズや権利を考えない法的システムを非難する。

NGOコーカス
HIV/AIDSエイズと若い女性に関する沈黙は破られた。しかし支援はない。これは3月8
日、国連で開催された「少女とHIV/AIDSにどう答えるか」というワークショップの
テーマの一つであった。若者やNGOの人びとは、HIV/AIDSは若い少女の問題となりつ
つあるがまだ認識されていないと述べた。これは防ぐことができるのであるから、地
球規模のキャンペーンを展開すべきであり、それには政府、NGO、若者による政治
的、財政的コミットメントが必要である。WAGGGSの2人の若い女性は、同輩(peer)に
よるプレッシャーは非常に効果的であり、また時には反対に働くと指摘した。彼らは
ケニアの学校ですでに20000人が受けた、WAGGGSのエイズ予防国際的なピア教育プロ
グラムを紹介した。

若い少女の売買春と人身売買は、貧困、簡単に稼ぎたいとの欲求、エイズの危険性に
無知なために増えている。もっと悪いことは、多くの人びとがエイズは作り話だと信
じていることである。バングラデシュやメキシコでは政府が、この病気の伝染に取り
組もうとせず、現実を無視している。その他の重要な点も上がってきた。エア・フラ
ンスに対し、若い女性の写真に、「彼女は売り物ではありません」と言うコピーを付
けていた免税品の販売を止めさせたように、もっとキャンペーンが必要である。
男性はこのためのパートナーで無ければならない。パネルの司会者が150人以上入っ
ている会場で、男性は何人いるかと聞いたところ立ちあがったのはたった2人だっ
た。このワークショップは少女ワーキング・グループ、UNICEF、WAGGGSの共催だっ
た。

女性と政治
女性、政治、意思決定コーカスは3月10日パネルを開き、世界の国々でいかに女性が
権力を得たかに関して討議した。現在女性は、世界の議員の12.7%、国の首長は10
人、閣僚では7.4%、副大臣レベルでは11%に過ぎない。
4人のパネリストは、クォータ制が世界各国で過去10年、地方レベルだけでなく州や
国レベルでも効果的だったこと、また委員会に女性がいれば法案の議論に際し女性の
問題が考慮されやすいと述べた。
「女性は権力の本質を変えることができるか」について、パネリストは、量は質と同
じではないが質をかえるための助けになると述べた。インドでは3分の1クォータ制の
お蔭で、社会のあらゆる分野の女性100万人が地方自治に関わるようになった。30%
クォータ制を取っているアルゼンチンでは、女性に対する暴力に関する法案について
は超党派を組んだ。パネリスト達は女性政治家がジェンダーの視点を持っていること
が重要であることに同意した。

インタビュー:ジェンダーの平等は若い女性にとっての課題
3月8日のユース・コーカスを指導した一人フランチスカ・ブラントナーとのインタ
ビュー

主な目標は若い女性がNGOの活動をするチャンスと技能を与えられ、若い世代が共に
北京+5の見直しをすることである。地域のユースのネットワークはすでにあり、6
月の特別総会にむけて共通項を見出そうとしている。若い女性は国の間に違いがあり
ことを認識しており、通訳したり、民主制や代表制を保障するため交代で議長をする
などしている。具体的な支援につながっているわけではないが年長者の反応は良い。
若い女性は特に別に扱われるのではなく、交渉の過程で自分達の経験を入れて欲しい
のだ。
3月8日に人目を引く活動をしたのは、「母親になることはyes、でもそれだけでな
く」と言う若い女性の態度を知らせるためであった。3月8日に若い女性たちが、ネッ
トワークのロゴを入れた黄色のT-シャツを着ていたのを見ただろう。ここで言いた
かったことはユース・コーカスは進歩的だと言うことだ。差別、多様性、リプロダク
ティブ・ライツ、性的権利、中絶、避妊へのアクセス、情報へのアクセス、すべてに
おいて。
ユース・コーカスは当面性的およびリプロダクティブ・ライツに焦点を当てている
が、北京行動綱領の重大問題領域のすべての分野で革新的な良い考えを提案したいと
考えている。

寡婦:行動綱領では現われていない女性
北京+5は寡婦の抱えている複雑な課題をほとんど視野に入れていない。行動綱領の
12の重大問題領域のどれにも関係するだけでなく、年齢を問わず寡婦が経験する人権
侵害に関してほとんど認識がない。3月8日、寡婦に関する会合が開かれ、文言の修正
案をまとめた。これは全地域コーカスと課題別コーカスに渡されたが、これに関して
政府にロビーイングするには遅すぎた。この隠れた女性に対する抑圧に関してもっと
注意が必要である。情報は、www.oneworld.org/empoweringwidows

CSWの進行状況
6月の国連総会特別会期
CSWの副議長であるパトリシア・フロールは金曜日(3月10日)のNGOブリーフィング
で準備委員会について説明した。準備委員会は6月の国連総会特別会期には、世界銀
行やIMFのような他の国連システムを巻き込むようにする。また、パネルディスカ
ションのような形でのサイドイヴェントが開催される予定であり、そこにはNGOも含
まれる可能性が高い。パネルディスカションの結果は国連文書として回覧されるだろ
う。

第4部に関する準備委員会の進捗状況
また、現在進行中の会議については、各国政府は宣言(political declaration)につ
いてはまだ合意に達していない。開発政策およびコーディネートされ統合的なフォ
ローアップをいかに確かにするかについてはまだ意見の相違がある。Outcomes
Documentの第4部、さらなる行動、については、現在交渉中であり、予想よりは早く
進展しそうである。もし準備委員会でOutcomes Documentが終わらなかったらどうな
るのかとの質問に対しては、漠然とした答えで、いつも緊急に備えての計画はある
が、準備委員会は3月17日までには終わりたいと希望していると言うものだった。

内側の視点
準備委員会はOutcomes Documentの第4部まで行かないのではないかとの噂がささやか
れている。政府は時間延ばしをしているのではないかとも言われている。
WomenActionは無作為に政府代表に対しインタビューしたところ次のような答えが
返ってきた。
「南北の対立が強く、とくにグローバリゼーションの評価をめぐって激しい。北の代
表は女性に対するプラスの影響を語り、南はマイナスの影響を言っている。グローバ
リゼーションだけでなく、構造調整プログラムについてもそうだ。」
「Outcome がどうなりそうか言うのはまだ早すぎる。文書については時間と労力を費
やしているが、各国の実施のための支援はほとんどない。」
「6月までにはOutcomes Documentができていることは間違いないが、これが重大問題
領域に適切なものかどうかは別問題だ。最終的には女性の問題ではなく政治なの
だ。」
「NGOがしていることには意味があると思う。彼らは交渉不能なまさにそのことのた
めに来なければならないのだから。今のNGOの文書は冗長だ。」

国連総会における女性
今年、国連総会は女性の地位に関して多くの決議をした。これら10の条約文書は国連
で得られる。

フィージーの女性
フィージー女性危機センターは現在独自のwebsiteを持っている。グループの最新の
情報および女性に対する暴力に対する太平洋地域女性ネットワークは
www.fijiwomen.com。




Return to Index
Return to fem-women2000 HOME