Subject: [fem-events 320] 7月 31日に住友電工の判決――最終弁論も判決文もホームページに
From: lalamaziwa <lalamaziwa@jca.apc.org>
Date: Thu, 27 Jul 2000 12:03:51 +0900
Seq: 320

以下、転載します。 //lalamaziwa

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初出 http://www.jca.apc.org/fem/news/women2000/466.html
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 From: "Reiko Shoji" <hx7r-syuj@asahi-net.or.jp>
 Date: Fri, 21 Jul 2000 23:39:43 +0900
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いよいよ31日に大阪地裁で住友電工裁判の判決です。

たくさんの人の注目のうちに裁判を進めたく,次のようなマスコミへの
取材依頼文を作りました。ぜひwomen2000の肩やその他草の根運動の人らに
流してください。お願いします。31日のニュースステーションでも放映される
予定で,ニューヨーク会議のときも取材してもらっています。

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7月31日 住友電工判決に 注目を

 みなさんご存知のように、7月31日の午前10時に大阪地裁2f大法廷で、
住友裁判のトップを切って住友電工裁判の判決が出ます。この歴史的な瞬間の
傍聴をぜひお願いします。

以下,マスコミの取材依頼のために作ったお手紙ですが,この裁判の意義を
改めて確認する内容になっていますので、ぜひご注目下さい。

                                  記

 日本の女性の賃金は男性の52%と言う異常な男女賃金格差があり、ILOやCEDAW
からも「均等法が出来てもなぜこんな差別があるのか」と何度も勧告を受け、こ
のたびの国連女性二〇〇〇年会議でも大きな問題になっています。

 とはいえ、日本の女たちも決して現状に甘んじているわけではありません。
この5―6年の間に22社、105人の女性が男女賃金差別是正のために裁判提訴し、
すでに5社、32人(石崎本店1人、丸子警報器28人、塩野義製薬1人、進和不動産
1人、岩谷産業1人)の勝利が確定し、2社14人(芝信用金庫13人、シャープ1人)
が地裁勝訴ののち高裁で審議中、15社、59人(安川電機2人、日立9人、野村證券
13人、ダスキンアイムス1人、高砂建設1人、昭和シェル1人、商工中金1人、
住友生命12人、岡谷鋼機2人、住友金属4人、住友化学3人、住友電工2人、
兼松6人、京ガス1人、大阪歯科大学2人)が判決を待っています。

 この女たちの闘いは、リストラが横行し、労働条件の切り下げが進む現在の日
本において、さわやかな一陣の風とも言えます。今回の住友裁判の特徴は次の点
にあります。

(1) 男女別コース制のもとでの仕事差別を問題にしています。日本鉄鋼連盟判決
(東京地裁昭和61年12月4日)以来初めての男女別コース制についての判決です。
同期同学歴の男性との賃金格差の是正を求めておりますが、原告らは会社による
配置差別のため同じ仕事につくことが出来ず、悔しい思いをしています。会社の
言い分は、男性は将来の幹部候補生として採用し、女性は単純労働をしてもらえ
ばよく、大切なお嬢さんを預かっているというのです。つまり、女であると言う
だけで低い評価の仕事に固定され、能力を塩づけにされたのです。原告の一人、
白藤栄子さんの場合で月にして20万、年にして300万の格差になります。会社に対
する賠償請求額は、慰藉料や弁護士費用を入れてひとり約6000万円になります。

(2) 調停を開始しなかった国の責任を問うているのも、この裁判のユニークな点
です。1994年に住友メーカー3社で調停を申請したのですが、住友金属だけが均等
法ができて11年目にして初めての調停開始。住友化学は会社が断ったので不調、
住友電工の場合は「女性の管理職が19人もいるし(男性の管理職は2000人を越え
るのに)均等法は過去にはさかのぼらないから」と、調停すら開始しなかったの
です。これにたしいては、女性差別撤廃条約を批准した国の責務を果たしていな
いと、アメリカのマーシャ・フリーマン博士(女性差別撤廃条約を国際的に監視
している国際的なNGOである国際女性の権利監視協会・IWRAW=International
Women’s Right Action Watchの会長でミネソタ大学教授)による意見書を裁判所
に提出しました。

(3) もう1つの特徴はこの裁判を支援する組織としてWWN=ワーキング・ウイメン
ズ・ネットワークを作り、国際活動や女性運動とネットワークして、インターネッ
トを活用したユニークな活動を展開し、世論を変える為に大いに奮闘したことで
す。6月の国連女性2000年会議でも、ニューヨーク大学で「住友裁判と日本の男
女平等」と言うワークショップをもちました。6月8日の朝日新聞夕刊「窓」に
その時の様子が報道されています。

(4) またこの裁判の最終準備書面はWWNのホームページに掲載されています。
http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin

今日本の司法改革が始まっておりますが、ホームページによって原告側弁護士の
意見を知ることができるということは、すべての人が陪審員となってこの裁判に
参加できるということでもあります。ぜひたくさんの方がこの30万字、217頁にわ
たる最終弁論を読み、日本の男女平等について一緒に悩み、考えてくださるよう、
このあたらしいこころみを報道して下さることをお願いいたします。

 今まであまりにもいっぱいありすぎて、是正のためのハードルが高かった賃金
の男女差別も、二〇世紀でおしまいにしたいものです。国際基準で日本人の働き
方を問うこの裁判、男も女も仕事も家庭も楽しめる人間らしい働き方をめざすこ
の裁判へのご支援をよろしくおねがしいたします。


 なおこの件についてさらに詳しく知りたい場合は、担当弁護士の宮地光子
(06-6779-1611大阪法律事務所)又は原告の西村かつみ〔携帯 090-7489-9530〕
 までご連絡ください。

*追記
 判決文についても、すぐにホームページに掲載いたしますので、
その旨の報道もよろしくお願いいたします。

2000年7月         ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク世話人一同
大阪市北区本庄東1-11-12正瑞園2f 06-6359-3434 email:wwin@my.email.ne.jp〕



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