Subject: [fem-events 2136] 映画上映・公開セミナー「正義を実現する戦後補償とは?」〜日系ペルー人・忘れられた強制連行の悲劇〜
From: AJWRC <ajwrc@jca.apc.org>
Date: Fri, 12 Nov 2004 17:15:06 +0900
Seq: 2136

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みなさま

映画上映&特別公開セミナーのお知らせです。

第二次世界大戦中のアメリカ政府が南米に住む日系移民を「拉致」、収容所に
「監禁」し、アメリカ人捕虜との人質交換要因として使った歴史はアメリカでも
日本でもこれまでほとんど知られていません。

今回、日系ペルー人がこうむった不正義に対して、アメリカ政府からの公的な謝
罪と補償、補償のための立法活動を続けてこられた活動家をお招きし、映画上映
と講演を講演を行います。

私たちは日本軍によって「慰安婦」とされた女性たちの正義を勝ち取る運動を支
援しつづけてきました。日系ペルー人が置かれている状況とあまりにも似ていて
驚きます。

みなさんのご参加をお待ちしています!


松本真紀子

---転載・転送 大歓迎---

映画上映&特別公開セミナー

正義を実現する戦後補償とは?
〜日系ペルー人・忘れられた強制連行の悲劇〜

日 時:2004年11月25日(木)18:45〜21:30
場 所:東京芸術劇場5階中会議室
     (JR池袋駅西口より徒歩3分もしくは地下鉄B2出口からすぐ)
参加費:800円

第二次世界大戦中にアメリカによって強制収容所に入れられた南米の日系人は2,000人以上。彼らは日本軍によって捕虜となったアメリカ人との交換要員として集められました。強制収容所に入れられた日系アメリカ人への補償は1988年に実現しましたが、日系ラテンアメリカ人へ提示された補償額はそれの4分の1。彼らへの戦後補償は未解決のままです。
今回、アメリカで「日系ラテンアメリカ人へ補償を!正義を求めるキャンペーン」に取り組み、日系ペルー人の強制収容・強制送還の実態を伝えるオーラルヒストリーを記録する活動を行っている活動家たちを招き、お話を聞きます。日本では朝鮮半島や中国・台湾の人々から戦後補償を求められていますが、未だ解決できていません。この機会に「正義を実現する戦後補償のあり方」について考えたいと思います。是非ご参加ください。

ビデオ上映:
Hidden Internment: The Art Shibayama Story 
「隠された収容所:アート・シバヤマの物語」

お話(予定):
★グレイス・シミズさん
第二次世界大戦中にアメリカによって強制収容された日系ラテンアメリカ人の生活の歴史を残し、当時の経験を語り継ぐ活動、またアメリカ政府に対する人権侵害賠償訴訟を支援している。93歳になる父親は日系ペルー人として強制収容所の経験をもつ1人。日系ペルー人オーラルヒストリープロジェクト(JPOHP)、「日系ラテンアメリカ人へ補償を!正義を求めるキャンペーン(the Campaign for Justice: Redress Now for Japanese Latin Americans! (CFJ))」などの設立メンバー。
★ケイシー・ピークさん
ドキュメンタリー映像作家。「Hidden Internment: The Art Shibayama Story」を制作。その他、アメリカ・メキシコ国境の軍事化を描いた「New World Boarder」、国連反人種差別会議と移住労働者運動を描いた「Journey to Durban: Migrant Rights at the UN Conference Against Racism」の作品がある。日系ペルー人オーラルヒストリープロジェクト(JPOHP)メンバー。
★ウェスリー・ウエウンテンさん
サンフランシスコ、バークレー、オークランドなどベイエリアを中心にさまざまな人権活動にかかわる。1995年沖縄で起きた少女強かん事件後、高里鈴代さんを中心に「オキナワピースキャラバン」がアメリカをまわったとき、ベイエリアにて「オキナワピースネット」を設立。日系ペルー人オーラルヒストリープロジェクト(JPOHP)メンバー。共著に「Okinawan Diaspora」。

共催:アジア女性資料センター、女たちの戦争と平和資料館、VAWW-NETジャパン
お問い合わせは:〒150-0031 渋谷区桜丘町14-10-211
Tel 03-3780-5245  Fax 03-3463-9752  Email ajwrc@jca.apc.org   
 



【日系ペルー人戦後補償裁判とは?】
1941 年から1945年の間にアメリカ政府によって南米13カ国から2,264名の日系人が強制的に収容された。日本軍捕虜となったアメリカ人との人質交換のために集められたのだ。収容された80%(およそ1,800名)が日系ペルー人。戦後、彼らは「不法入国者」として、アメリカ政府から国外追放された。彼らはペルーへ戻ることを希望したがペルー政府に拒否され、親戚を頼ってアメリカで生活を始めた人もいるが多くは日本に強制送還された。
強制収容された日系アメリカ人に対する補償は「1988年市民の自由法(通称、日系アメリカ人補償法)」によって実現したが、日系ラテンアメリカ人に対する補償は当時の国籍がアメリカ人ではなかったという理由で拒絶された。
1996年8月28日、5人の日系ラテンアメリカ人がアメリカ政府に対して、自分たちの問題も「1988年市民の自由法(通称、日系アメリカ人補償法)」に含まれるべきだと集団訴訟をおこした。これに対してアメリカ政府は日系アメリカ人への補償額(2万ドル)より低い5,000ドルを提示。訴訟団は日系アメリカ人への補償額と同等を要求しこれを拒否している。


【日系ペルー人オーラルヒストリープロジェクト(JPOHP)】
第二次世界大戦中、アメリカ政府によって収容所に入れられていた人たちの体験を記録・収集し、この歴史的不正義を多くの人に知らせ、戦後補償を求める当事者、家族への情報提供を目的に、1991年に設立されたプロジェクト。これまでに強制連行された人々の手記を集め、証言の聞き取りを行ってきた。


【日系ラテンアメリカ人へ補償を!正義を求めるキャンペーン】
日系ラテンアメリカ人への戦後補償を解決するために、「市民の自由法」によって義務づけられている教育と補償を満たす包括的な立法を目指す。カリフォルニア州の民主党議員によって提出された「戦時同等正義法案2003(The Wartime Parity and Justice Act)」の立法化活動を行っている。

【女たちの戦争と平和資料館とは?】

「女たちの戦争と平和資料館」は、女性の人権を守り暴力のない平和な社会を創りだしていくために、女性たちの戦時下での被害と軍事化による加害の事実を記録して記憶にとどめ、その成果を次の世代に伝え、平和構築の活動支援の場所作りを目指しています。
私たちは日系ペルー人が被った戦時中の強制連行・強制送還の事実を知って、衝撃を受けました。日本でも未解決の戦後補償問題と共通しているのは、被害が知られるようになるまでに長い歳月がかかり、厳しいタイムリミットの中で補償請求運動が始まったこと、被害国も加害国も政府が動こうとしないので、市民が証言や資料を発掘し記録保存を進めていること…などです。
被害者はみな高齢となり、相次いで亡くなっています。日系ペルー人の苦難の歴史と闘いについて知り、共に解決に向けて連帯していきたいと思います。
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