第一回口頭弁論傍聴記

今井恭平

「脱ゴーマニズム宣言裁判を楽しむ会」の今井です。
 本日(1998年2月27日)11時半から東京地裁622号法廷で、脱ゴーマニズム宣言裁判の第一回口頭弁論が開かれました。
 原告の訴状陳述と被告の答弁書陳述(陳述とは名ばかりで、書類を提出して、陳述した、ということにするだけですが)だけで、ものの10分かそこらで終わる口頭弁論でしたが、小林よしりん本人が出廷していました。被告側はもちろん上杉聰さん本人が出廷。

 よしりんは原告席につくなり、まず裁判官(裁判長は女性)次に被告代理人の弁護士の顔をスケッチし始めました。被告側から異議を申し立てたところ、裁判所も「当事者席でそういうことはどうかと思う」とやんわり注意。よしりんも意外にあっさり引っ込みました。まあ最初からあまり裁判所に悪印象を与えたくはないという気持ちは分かります。

 小林氏がスケッチするのはメモ代わりだ、という論理も成り立つと思うのですが、上杉氏はカメラを入廷前に預けさせられており、被告側から法廷内の様子をビジュアルに描くことはできないのに、原告側だけ絵で表現することができる(それも、主観をまじえたデフォルメで)というのは不公平ということも言えるでしょう。
 また、小林氏の漫画が、しばしばいわれなき人格攻撃の手段として他人の肖像権を侵し、人格を傷つけるような描き方をすることを考えれば、法廷の場で似顔絵を描かれることの不快感は理解できると思います。

弁護団
裁判の争点を説明する被告・弁護団

 しかし、オウム事件では裁判も漫画にしてきたよしりんとしては、法廷でのスケッチにクレームが入ったのは悔しかったのではないでしょうか。よしりん本人は何か抗弁しようとしましたが、代理人が押しとどめました。
 僕個人としては、漫画くらいかいてもいいと思うのですが、よしりんも自分の武器である漫画という表現手段を制限されるのが悔しかったのなら、そもそも批判や批評を、無理矢理くっつけたような理由で裁判にもちこみ、他人の言論を規制するような姑息な真似はやめておけばよかったですね。

 もともと上杉氏にしても、他のよしりんに批判的な人たちも、言論によって彼と対等に論議しようとしているだけなのに、批判を押さえるために著作権侵害とか不当競争防止法違反とかをでっちあげようとしたのが、そもそもの間違いでしょう。自分もどうどうと自分の表現手段で論争したいのなら、他人の表現活動を封じるような真似はやめるべきだということを少し学んでくれればいいのですが。
いずれにしても、次回のSAPIOで、法廷の様子などがどのように描かれるか、いまから楽しみです。

傍聴席は30数席くらいだと思いますがぴったり埋まるくらいで、そのほとんどが脱ゴーセン派だったようです。
口頭弁論後、弁護士会館で記者会見を行いました。傍聴に来た人たちもほどんどがこの会見場に同席。
 小林氏の著作権に関する態度を批判している「教科書が教えない小林よしのり」の著者の一人でもある松沢氏も応援にかけつけてくれました。

松沢呉一さん
松沢呉一さんも、上杉さんの応援にかけつけた

次回は、おもに被告側答弁書に対する原告からの反論が提出される予定。
 第2回口頭弁論は4月27日(月)午後2時から、今回と同じ東京地裁622号法廷 です。

僕の感想。
小林よしのりは、自分だけいい男に描きすぎだ!本物は漫画ほどかっこよくない ぞ!

会見する上杉聰氏
記者会見する上杉聰さん