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お二人の来日記

吉原令子


イギリスのNGOのナクロのディレクターであり、ペナル・リフォーム・インターナショナルの事務局長でもあるヴィヴィアン・スターン女史とその夫君でブリクストン刑務所の所長であり、大学で教鞭もとっているアンドリュー・コイル氏がブリティッシュ・カウンシルと監獄人権センター(CPR)の共催により2月21日に来日しました。来日にあたって翻訳が出版されましたが、『Making Standards Work』(翻訳『刑事施設と国際人権』)についての解説、ナクロの活動内容、NGOの在り方、刑事施設の改革、などについての講演をし、ブリティッシュ・カウンシルや法務省の御協力で保護監察局、拘置所、刑務所なども見学することができました。
 2月22日には名古屋保護監察局、愛知慈恵館を訪問し、スタッフの方々からお話しをお聞きすることができました。同日の夕方、大阪で行われる関西CPRセミナーのため新幹線で会場へむかいました。翌日、翌々日はお二人の希望で広島に行き、原爆ドーム、原爆資料館を見学しました。25日にはCPRの総会を兼ねた記念講演会が行われ、スターン女史には「監獄改革とNGO」について、コイル氏には「我らにふさわしい刑事施設、収容、ケア及び公正」についてお話ししていただきました。26日にはブリティッシュ・カウンシルで法務省の方々をご招待してスターン女史が「ナクロの活動」について講演し、コイル氏もNGOの活動についてコメントをしてくださいました。27日は法務省矯正局を訪問し東京拘置所を見学しました。28日は午前中は府中刑務所を見学し、午後から一橋大学でコイル氏に「イギリスの刑務所改革」について講演をしていただきました。29日には日弁連会館で「国連被拘禁者処遇規則の効果的実施に向けて」という題名で、スターン女史には『Making Standards Work』の解説やPRIの活動などについて、コイル氏には自ら所長をしているブリクストン刑務所の改革の実情についてのお話しをお聞きすることができました。3月1日には保護監察局を訪問し、夜はブリティッシュ・カウンシル主催でさよならパーティを開いていただきました。そして、翌日、帰国の途につきました。
 このような忙しい講演日程の間をぬって、週刊金曜日(3月29日発行、第116号)、朝日新聞(2月26日夕刊)、毎日新聞(3月15日朝刊)、ジャパン・タイムズ(3月6日)などの取材に応じていただきました。また、空いた時間を利用し、お二人で東京都内の観光やデパートにも行かれたようです。ますますのご健闘をお祈りするとともに、エネルギッシュなお二人を見習いたいと感じました。