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各部会からの報告


監獄人権センター第2回総会では、時間の関係で、各部の報告は文書で替えさせていただいた。
一年前の発足時に準備されていたのは、訴訟・実態調査・外国人の人権・女性の人権・編集の5部会であったが、その後、元刑務官の方の参加により、刑務官部会がスタートしている。以下、総会に提出された文書から、主旨を報告する。


調査部会からは、文通・面会の仲立ちを行うボランティア制度についてや、東京拘置所の建て替え問題について、在監者(連絡のとれる、という条件から未決囚に限られている)へのアンケート調査を行ってきたことが報告された。今後の課題として、外部交通権の制約が著しい受刑者、死刑確定囚の処遇実態を系統的に調査していく体制をつくっていこうという提起がなされた。

刑務官部会からは、被収容者の人権擁護を可能とする、実現されるべき基礎条件として職員の人権擁護の必要が訴えられ、退職強要や転勤強要等の問題についてこのかん多くの相談を受けていることが報告された。これからの活動として、@マスコミの協力を得て、人権擁護の啓蒙を行う。A関係機関及び国会議員に対し現状の問題点等について理解を求める。B人権を侵害されている職員に対する個別支援の徹底を図る。C情報交換、緊急連絡等に関してインターネット・ホームページの活用を図る、ことなどが提起された。

訴訟部会からは、このかんCPRが弁護士の紹介・傍聴活動等を通じて注目・支援してきた主要な事件の動向が報告された。大きな課題として支援してきた旭川刑務所の磯江洋一さんの長期厳正独居問題については、昨年13年ぶりに工場出役がかちとられたが、「磯江さんを支える会」から、引き続き厳正独居裁判において、その過酷さや非人間性を明らかにし勝訴するまで磯江さんと共に闘うという報告を寄せていただいた。

女性部会からは、元女性受刑者、元女性刑務官の方たちにインタビューしてきて、拘禁施設が在監者の自発性を奪っている現実、妊婦への食事内容の問題性、労働条件の過酷さに多くの女性刑務官が早期に辞めてしまう実態等を学んできたことや、「女性被拘禁者に関するセミナーレポート」の翻訳に取り組んでいることが報告され、女性被拘禁者の監獄状況の改善につながるようなセミナーを開いていきたい、監獄内での女性に対する暴力事件にも積極的に取り組んでいきたいという提起があった。


報告があったのは以上の部会であるが、刑務官部会ができたように、これからも「課題」と「人」の結びつきによって、さまざまな部会、ないしプロジェクトチーム的なものが生まれ、活動が進められていくだろう。「課題」だけはすでに山ほどかかえているので、「人」の参加が期待されています。あなたもスタッフに!