abe

お二人に同行して

阿部圭太


★到着 約11時間の飛行機での旅、しかも時差の関係で彼らにしてみれば深夜の到着。箱崎で出迎えると、フライトは快適だったと、疲れも見せずそのままホテルで打ち合わせ。お二人とも日本は初めての訪問。

★総会後の交流会 交流会は講演会場近くの店で開かれた。「あまり高くない、日本風のところがいい。生の魚はだめ」との希望に偶然沿うことができた、きれいとは言えない大衆的居酒屋。畳の広間に皆で座り、鍋を囲んでの宴となった。30人を越える参加者から、一言ずつ感想や意見があった後、それぞれにフリーでお話し。コイルさんは、所長を努める刑務所での話、死刑廃止後の問題などを数人と話込む。スターンさんも、日本で仲間ができてうれしいと「人権活動家のみが使うことができる」と釘をさして、全員にPRI特製のボールペンをプレゼントしてくれた。

★一橋大学 大学の正門前で会うと、ヴィヴィアンさんがお疲れの様子。時差と来日後のハードスケジュールで疲労がたまってきたのか心配になり、尋ねてみる。彼女は、身体的つかれより、前日の東京拘置所と、当日午前の府中刑務所への訪問が、寒いのと、大変ストレスのたまる訪問だったため、気疲れしたとのこと。府中刑務所の状況は「一言で言うと、horribleだった」という。私の辞書では“horrible"は「恐ろしい;ひどく不快な;悲惨な」という意味であった。講演が終わり質疑との間で、休憩を提案すると「それは人間的ね。」とほほ笑みスチームに触り暖をとっていた。

★日弁連 ヴィヴィアンさんが日本を、とりわけ広島を訪問したいと考えていたのは、彼女が若いとき平和運動の熱心な活動家だったからだと、話してくれたのが日弁連での講演。

★お別れパーティー ブリティッシュ・カウンシルの所長のお宅で開かれたパーティー。ホーム・パーティーなど縁のない私たちは恐る恐る訪問したが、皆好きなように話し、食べ、飲み、しまいには歌い、踊り出す楽しい最後の夜となった。美声で有名なアンドリューさんは、本場のスコッチを片手に、スコットランド民謡を披露してくれた。こちらも負けじと、思いつく日本の歌、一緒に歌える英語の歌などで盛り上がる。
盛り上がってばかりでなく、ヴィヴィアンさんからはCPRのアジア地域での活動に期待していると、大きな課題も課してくれた。