nl5sakamoto kanso

坂本さんの第2回セミナーの感想


 刑事施設法案が国会に上程されたときは、刑務所内のテレビ取材をかなり積極的にさせたことがありました。また、毎年6月上旬に東京竹橋の科学技術館で開催している全国矯正展は今年で37回を数えています。
 矯正の広報といいながら何の役にも立っていない、これらの広報は一体なんなのでしょう。
 少なくとも、一般の人よりも監獄に詳しいはずの(編集部注:法務省からの)出席者が何を質問していいのか分からないほど監獄の事情を知らないのです。多分私の話しも、言葉の意味も含めてよく分からなかったと思います。
 開かれた監獄にしなければ、何も変わらないと思います。これは、私の実務を通した経験からも断言できることで大変残念なことです。今の状況で監獄法を改正しても意味はありません。多分、今と変わらないでしょう。
 監獄所在の地域の人とか、ごく一般の部外者が受刑者の更正の手助けをしたり、処遇に協力したりする機会が制度的にも認められるようにならなければ、開かれた監獄とは言えません。それらを通して法改正の機が熟すのでしょう。内容もよりよいものになっているはずです。
 監獄人権センターの設立は法務省も大変な関心を持っています。
 東京と大阪の各設立総会、それに今回のセミナーにも、法務省関係者が出席していました。残念ながら非公式とのことですが、趣旨はともあれ大変結構なことだと思います。監獄人権センターのアプローチに対して法務省は公式に何らかの回答をすべきです。フェアな立場で議論することが最も必要なことではないでしょうか。
 私が監獄人権センターに参加していることについて、全国矯正展があった週に行われた全国刑務所長等会議では当然のことながら話題になったそうです。どのようなコメントで説明されたのか知りたいところですが、秘密主義の扉が少しでも開かれることになればと期待しています。
 監獄をまず良く知ることからはじめましょう。
 問題点も見えてくるはずです。
 よく分からないうちの思い込みが最も危険です。