獄中検閲情報 no.5

提供 統一獄中者組合--------------


1998年1〜2月の抹消報告

パンフレット等に含まれる外国語文の部分の抹消は相変わらずですが、このところ官の不手際による事件の抹消が目立ちました。以下は東京拘置所在監者から報告のあった抹消個所です。(いずれも朝日新聞)

これらの抹消個所を検討してみると、一般の在監者には何の責任もない話ばかりです。念入りに抹消された「スプレー逃走事件」についていえば、具体的な逃走手段を示唆するものとして警戒されたのでしょうが、ちょっと待て。在監者はそもそも催涙スプレーを入手できない。物品の検査をすれば充分なはずであり、文章の内容をチェックするのはまったく無駄。これらの抹消は、そうした逃走の具体的な予防としてあるのではなく、官のミスが在監者に伝わることによって在監者にナメられないことに気を使っているもののようです。ちなみに逃走事件の起こったときは全文抹消で、逮捕の記事は「スプレー」の個所に限定するあたりも意図がミエミエで失笑ものです。
なお、東京拘置所の女区の人からの情報では2月6日に「ラジオ聴取についてのアンケート」「新聞紙の購読について」というアンケートが実施されたとのことです。ラジオは番組のジャンルや放送時間帯等の希望をきくものであり、新聞は購読希望の新聞を「読売」「朝日」「毎日」「その他」から選ばせるものです。(現在は「読売」と「朝日」に限られている)在監者の希望を聞くこと自体は悪くはないが、どうして各人で自由に選べられないのでしょうか。