死刑執行への抗議行動
2002年9月19日(木) (敬称略)
- 参 加 者:
- 【フォーラムinなごや】大島令子(衆議)・久富・下川・石川
- 【野宿労働者の人権を守る会】7名
- 随行秘書:
- 和田・大島(も)
-
面談相手:
- 【名古屋拘置所】
- 所 長 :吉田 司
- 総務部長:花岡 栄次
- 花岡:
- 過去の通り、面談は、大島議員と秘書の1名のみです。
- 大島
- :過去といっても、前回(2002.1.15)はそうであっても、その前にはフォーラムinなごやのメンバー7〜8人での面談も行っている。昨日の本省・法務省での大臣との面談・抗議では、議連のほかにアムネスティや市民団体も参加している。
- 花岡:
- 本日の面談は、議員と秘書の1名のみと言われています。
- 大島:
- 今、私の言ったことをもう一度所長に伝えてきてください。
(数分後)
- 花岡:
- 本日は、議員と秘書の1名のみです。
名古屋拘置所 所 長 :吉田 司,名古屋拘置所 総務部長:花岡 栄次
大島 令子 衆議院議員, 大島 もえ 秘書
- 大島:
- なぜ私とだけしか会わないのですか。
- 吉田:
- みなさんと協議するつもりはありませんよ。大島議員がお見えになるということで、お話をお伺いしますが。
- 大島:
- 所長だって、私がみんなと共にフォーラムinなごやのメンバーとしてずっとやってきたのを知っているでしょう。
- 吉田:
- 知ってはいませんよ。ただ、話しは聞いたことがあるが、全ては聞いていないし、知ってはいない。
- 大島:
- 前の亀岡所長とも、前の前の所長とも、話しをしましたよ。
- 吉田:
- 亀岡所長からは聞いているが、他は知らない。
- 大島:
- 全国に拘置所があり、各市民団体はお願いなどの活動をしていると思うが。
- 吉田:
- 必要がない。皆さんと意見交換する必要はないと思っている。
- 大島:
- みんなとの意見交換をする場をもっていただけないでしょうか。
- 吉田:
- する必要を感じないし、私はその立場にない。
- 大島:
- 浜田さん(9月18日名古屋拘置所で処刑された人)は・・・
- 吉田:
- 浜田さんとは誰のことですか。
- 大島:
- 昨日ここで処刑された浜田美輝さんです。
- 吉田:
- ここで執行されたと、誰が言ったんですか。ノーコメントです。どこから聞いたんですか。
- 大島:
- 家族の方がこちらにきたことも聞いています。マスコミでも報道されているではないですか。
- 吉田:
- ノーコメントです。
- 大島:
- 浜田さんであるということも言えないのですか。
- 吉田:
- ノーコメントです。
- 大島:
- 吉田所長は口が堅いですね。
- 吉田:
- 私は矯正マンであり、刑務官として生きてきている。
- 大島:
- 浜田さんを処刑していないというならば、なぜこの新聞記事の報道に対して抗議しないのですか。
- 吉田:
- どこから出たか知りませんが、不確かなのでノーコメントです。ではお尋ねしますが、大島議員は報道が全て正しいと思っておられるのですか。報道は100%ですか。
- 大島:
- 法務大臣からの死刑執行命令書はいつ届いたのですか。
- 吉田:
- ですから、ノーコメントです。先ほどから言っていますように、執行があったという前提ではお答えできません。
- 大島:
- では一般論として、何人くらいの刑務官が死刑の執行に携わるのですか。
- 吉田:
- 把握していないし、お答えする必要を感じない。
- 大島:
- 私は、弁護士とのコンタクトを通して昨日の執行を確認している。
- 吉田:
- ノーコメントです。
- 大島:
- 吉田所長は、何人くらいの死刑の執行に関わりましたか。
- 吉田:
- ノーコメント。
- 大島:
- では一般論として、所長個人のこととしてお答えください。
- 吉田:
- 宮城・札幌にも居ましたが、個人的と言えどノーコメントです。
- 大島:
- 前任はどこですか。
- 吉田:
- 広島矯正管区第2管長、広島拘置所にもいました。
- 大島:
- 小島くんは元気ですか。
- 吉田:
- 誰ですか。
- 花岡:
- 以前ここ(名古屋拘置所)に居りました。
- 大島:
- 彼は岡山刑務所でした。失礼しました。所長は、何故昨日の執行について認めないのですか。
- 吉田:
- 何を根拠におっしゃるんですか。
- 大島:
- だって、昨日森山法務大臣は、対応してくれましたよ。
- 吉田:
- 大臣が名古屋だと言いましたか。大臣に大島議員が会ったのは聞いていますよ。
- 大島:
- 森山法務大臣に在任期間中に2回も執行命令書にサインをしたのは、前田法相以来あなたが2人目だと、後から調べると3人目でしたが、抗議をしましたところ、大臣は、「在任期間が長ければそおいうこともあるでしょう。」と、つまり、2度目のサインをしたことを認めたんですよ。
- 吉田:
- 私はお話しする立場にありません。
- 大島:
- 亀岡所長(前任の名古屋拘置所長。2002.1.15大島と面談)と打ち合わせでもしているみたいですね。
- 吉田:
- 彼とは友人だが、ここに来た時に引継ぎを受けているだけだ。
- 大島:
- 昨日処刑された人は、もう家族に?今の状況は?
- 吉田:
- ノーコメント。
- 大島:
- もし、(死刑廃止を推進する議員連盟)議連が、力をつけて、死刑判決が少なくなり、名古屋拘置所の刑場の使用が少なくなったとしたならば、気が楽になることなのか、どうお考えですか。
- 吉田:
- 個人、吉田司としては、「人は死をもっても償えない罪がある」と思っている。
- 大島:
- 所長としての立場ではどうですか。
- 吉田:
- 所長としては答えられない。職名のあるうちはお答えできません。退職後なり、その後には可能かもしれないが。
- 大島:
- 所長はおいくつですか。
- 吉田:
- 58歳です。
- 大島:
- 私たちは運動として、執行後にいつも抗議行動を続けてきた。心ある刑務官は、苦しみながら立ち会っている、いたずらに職務を非難することが、刑務官の方の人道上、人権上ふさわしいのか、考えさせられることもある。やりたくて立ち会う人がいるのか、わからない。
接見交通権について。宮崎、現 藤波知子さんや上田大くんとは、監獄令という通達で会えない。このことについて。
- 吉田:
- 亀岡所長と考えは同じです。心情の安定の為、面会はできません。
- 大島:
- 今年の春、手紙を出したが、届いたかどうか返事がもらえていない。届いたのですか。
- 吉田:
- わからない。調べていない。
- 大島:
- 調べてもらえるんですか。
- 吉田:
- ノーコメント。
- 大島:
- 親書便法に基づいて、私は自分の出した手紙が届いているかどうか、わからない。どうやって確認することが保証されるのですか。
- 吉田:
- こちらは現場なので、法務大臣の命令・法にのっとって仕事をするだけです。
- 大島:
- 所長としてのコメントは?
- 吉田:
- 法務大臣が、私、吉田に命令書を出したというのなら、私は答えられる。(執行があったということを)どこから得た情報かわからないのに、私を責められても困る。根拠は何ですか。
- 大島:
- 浜田さんの親族の方が名古屋に来られていることを岐阜県の担当弁護士さんを通して聞いている。
- 吉田:
- 私は知らない。
- 大島:
- 私はバカにされているのですね。亀岡前所長のほうが、まともに話してくれました。お顔も、比べてはいけないけれど、亀岡さんは、執行後ということで厳しい顔をしておられた。吉田さんは笑みを浮かべている。
- 吉田:
- 責められても、困りますよ。ではひきつった顔をしましょうか。
- 大島:
- 今年の冬は、独房にはストーブは入るのですか。
- 吉田:
- 冬は同様にします。
- 大島:
- 死後24時間、法律で、荼毘に伏せないのは知っていますか。
- 吉田:
- 私の親も法によって24時間は焼き場に持っていけなかったので知っている。一般的に。
- 大島:
- 徳島から親族がきていることは知っていても、接触できなかったのですが、どういう状況ですか。
- 吉田:
- ノーコメント。
- 大島:
- では、抗議文を提出します。
- 吉田:
- 受け取れません。
- 大島:
- では置いて行きます。
- 吉田:
- シュレッダーにかけるだけですよ。
- 大島:
- ゴミになるとおっしゃるのですか。
- 吉田:
- 押し付けられても困ります。
- 大島:
- では、大島から預かったと、法務大臣に渡してください。
- 吉田:
- 議員が直接渡してくださいよ。
- 大島:
- 吉田所長の宛名を書きます。(実際に書く)
- 吉田:
- 書かれても受け取れません。
- 大島:
- 私の名前も自署します。
- 吉田:
- 受理できません。
- 大島:
- 初めてこおいう所長にお目にかかった。議員だからではなく、立場をたまたま頂いたのでやっている。
「現場」の拘置所では処刑に対して何も答えない。情報は全て法務省に一本化の方針のようですね。民主主義の社会で考えは、どうやら私と所長では違うらしいですね。
- 吉田:
- 刑法に『死刑』の文字を消すべきではない。子どもたちに何をやっても死はないと言うよりは、死でも償うことができないことがあるということを伝えたいだけです。
- 大島:
- 上田大さんや宮崎知子さんら、死刑囚には刑務官として会っているのですか。
- 吉田:
- いつも見ている。元気です。
- 大島:
- 女性は女性だけのフロア―とかあるのですか。
- 吉田:
- どこに何がある、とか言えません。
- 大島:
- 今年の予算には女性刑務所の予算も計上されている。あなたは死刑のことは一切ノーコメントなので矯正政策として聞いているのです。
- 吉田:
- 女性のフロア―を1つだけ決めています。
- 大島:
- 1フロア―は何人くらいですか。
- 吉田:
- しゃべるということは、情報を出すことだ。出す必要のないことだと思う。
- 大島:
- 法務省から聞けばわかることでも、処遇などは以前答えてくれましたよ。
- 吉田:
- 細かいところはよろしいじゃないですか。
- 大島:
- 女性の死刑囚には女性の刑務官ですか。
- 吉田:
- そうです。入浴・運動・裁判所出廷・日常生活・願い事を聞いたり指導したり、全て女性の刑務官です。
- 大島:
- 刑務官としてのことには答えてくれるが、死刑の事を聞くと口を閉ざす。本省の但木事務次官に聞けと言うのですね。所長の裁量はどこまでですか。処刑して書類を作って上にあげるまでですか。
- 吉田:
- 処刑のことについてはノーコメントです。
- 大島:
- 処刑のことについてコメントできないのは誰に言われてなのですか。
- 吉田:
- 誰かに言われての問題ではない。現場だからと言うことです。
- 大島:
- 話しになりません。帰ります。
(抗議文を再び差し出す)
- 吉田:
- 受け取れません。
- 大島:
- 所長宛を何故受け取れないのですか。
- 吉田:
- 処遇に困ります。
- 大島:
- 置いて行きます。
- 吉田:
- 受理できません。
- 大島:
- では、不受理と書いてくださいよ。
- 吉田:
- 不受理と書きたくもない。
- 大島:
- (席を立つ)
- 吉田:
- (大島を追いかけ、抗議文を返そうとする)
- 大島:
- 私に触るとセクハラですよ。
- 吉田:
- そういわれても・・・
(廊下の棚の上に書類を置き)ここに置きますからね。