抗議声明
2002年9月18日、名古屋拘置所の浜田美輝さん、福岡拘置所の春田（旧姓：田本）竜也さんに対し死刑が執行されました。私たちは、この死刑執行に強く抗議します。
今回の執行は国会閉会中であり、国会議員からの質問が出来ない時期を選んでいます。しかも世間の関心が、朝鮮民主主義人民共和国による拉致事件に向いている時に行なわれた意図的な執行と言わざるを得ません。
名古屋拘置所では、昨年の12月に続く執行です。死刑執行に関わった刑務官には大変な精神的負担をかけていることと推察します。また名古屋拘置所は都心にあり、名古屋市役所、愛知県庁、県立高校もすぐ近隣にあります。そこに通う人たちは、自分たちの仕事や生活の場からすぐそばで死刑執行が行なわれていることをどのように思うのでしょうか。
死刑廃止議員連盟では現在死刑廃止法案を国会に提出する準備をすすめています。このことは法務省も承知していることと思います。そして森山眞弓法務大臣の在任中2度目の執行です。なんとしても死刑制度を維持しようと死刑執行を繰り返している法務省および法務大臣の姿勢は、死刑廃止議員連盟の存在すら無視している姿勢と考えざるを得ません。
世界の先進国では日本とアメリカを除いて死刑廃止を実現しており、欧州評議会は日本で死刑執行を続ければオブザーバー資格を剥奪すると表明しています。アジアにおいてもお隣の国韓国では死刑廃止法案が提出され、死刑廃止に向けて動き出しています。
日本は、国連規約人権委員会からの勧告を実現できないように、人権に関してまだまだ改善する余地が多くあります。死刑廃止もその一つです。一日も早く、「人権を尊重できる社会」「人権が守られる国」を目指し、「死刑廃止の早期実現」に向けて、具体的に且つ早急に動き出すことをここに強く要求します。
2002年9月18日