抗 議 声 明


 福岡、名古屋での死刑執行に抗議します。
 本日、死刑確定者2名に対して死刑が執行されました。執行されたのは福岡拘置所の春田竜也さん、名古屋拘置所の浜田美輝さんと思われます。私たちはこの執行に対して強く抗議します。
 昨年12月27日の執行以来、約9ヶ月ぶりの執行です。日本で死刑が執行されるたびに、ヨーロッパをはじめとして、死刑廃止運動と取り組む世界の市民、団体、地域から、死刑制度を存置している日本に対して抗議の声が上げられました。しかし、これら死刑制度廃止を訴える声に何ら応えることなく、秘密裏に執行を繰り返す法務省が、死刑制度を存続させるためだけに死刑執行を続けていることは明白です。
 今年5月27、28日の両日にわたって、欧州評議会から20名近い議員が来日し、衆議院議員会館において「司法人権セミナー」が開催されました。
 このセミナーが日本で開催された背景には、昨年2001年、欧州評議会が日本政府に対して「死刑執行の停止と、死刑廃止に向けた必要な段階的措置をとること、死刑囚監房の状況を改善すること」「これらの措置が2003年1月1日までにとられないときは、欧州評議会への日本のオブザーバー資格に対して異議を唱えることになる」という厳しい決議を行ったことがあります。
 森山法務大臣をはじめ、国会議員、法務省の担当者の前で、「人権後進国」日本の死刑制度が厳しく批判されたことはいうまでもありません。
 1993年の死刑執行再開以来、毎年定期的に繰り返される死刑執行に対し、私たちは抗議を繰り返してきました。法務省のかたくなな姿勢はただ単に死刑制度を維持するためだけに執行を繰り返しているといわざるを得ません。
 日本政府・法務省は、執行を繰り返すのではなく、国連規約人権委員会や欧州法議会から厳しく指摘されているように、死刑制度の廃止を目指す具体的な措置をただちにとり、死刑執行を停止し、死刑に関する情報を公開し、死刑制度の廃止を実現するよう強く要請します。

2002年9月18日
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
死刑廃止フォーラム in おおさか
監獄人権センター大阪
死刑廃止を考える弁護士の会
かたつむりの会
統一獄中者組合(関西)
監獄個別支援ネットワーク関西