<憲法小法廷で配布しているパンフレットの翻訳>

コスタリカ憲法小法廷および憲法裁判法の概要

「よりよき司法業務を目指して」

『憲法小法廷及び憲法裁判法の概要』
ヘラルド・マドリス・ピエドラ、
ホルへ・リベラ・ラミレス共著 
サン・ホセ、司法権出版部、1998年
ISBN 9968−770−09−4

歴史梗概

 憲法小法廷は、1989年9月27日にその業務を開始した。同小法廷は、首都サン・ホセ市ゴンザレス・ラーマン地区にある司法最高裁判所内に位置する。
 同小法廷を創設し、共和国憲法、またわが国で批准された国際人権規約等に明記された人権や保障の侵害に関連した事項を審査する権限を授与するために、1989年8月18日制定第7128法によって、共和国憲法第10条、48条、105条、128条の修正が必要とされた。この修正以前には、人身保護に関する審判及び違憲審査は、最高司法機関である大法廷にて、またその他の人権保護については、第一小法廷及び刑事裁判官により審判に附されていた。


一般定義

1.共和国憲法
 共和国憲法は、国内における最高法規であり、その位ないし階級において、すべての法規範に優越するものである。同憲法は、我が国住民の平時の行為を統御し、また保護する原理及び規定を含むものである。例えば、教育する権利、健康への権利、自由な移動などが対象となる。また、政治、社会、経済、更には法的な国立機関の創設も謳っている。

2.憲法裁判法
 1989年10月制定第7135法、正式名、憲法裁判法により、憲法小法廷の業務が明記されることとなった。憲法小法廷の目的は、憲法上の原理及び規定の優越性及び、共和国における批准された国際規約等を保障し、当該法規定の解釈や適用を監視することにある。またそれは、同憲法ないし国際規約等によって明記されている神聖なる基本的権利、自由及び義務など(健康、教育、表現の自由、労働の自由等)を保障することも含んでいる。

3.小法廷の構成
 憲法小法廷は、8年ごとに立法議会によって任命される7名の裁判官及び12名の代行裁判官によって構成されている。裁判官は再任可能であり、代行裁判官は、裁判官が様々な理由により任務から離れなければならない場合に業務を代行することができる。現在の同小法廷裁判官は、ルイス・パウリーノ・モラ・モラ、ロドルフォ・E・ピサ・エスカランテ、ルイス・フェルナンド・ソラノ・カレラ、エドゥアルド・サンチョ・ゴンザレス、アナ・ヴィルヒーナ・カルサーダ・ミランダ、カルロス・アルゲーダス・ラミレス、そして、アンドリアン・バルガス・べナビーデスである。また、代行裁判官は、ホセ・ルイス・モリーナ・ケサダ、エルナンド・アリアス・ゴメス、フェルナンド・アルベルタシ・エレーラ、マウロ・ムリージョ・アリアス、マリオ・グラナードス・モレーノ、カルロス・マヌエル・コト・アルバン、ホセ・ミゲル・アルファロ・ロドリゲス、ウゴ・アルホンソ・ムニョス・ケサダ、マンリケ・ヒメネス・メサ、アレハンドロ・バタージャ・ボニージャ、ヒルベルト・アルミーホ・サンチョ、そして、スサナ・カストロ・アルピサールである。その他、臨時の裁判官として、アレハンドロ・ロドリゲス・ベガ、フアン・ルイス・アリアス・アリアス、ホルへ・バウドリット・ゴメス、ホルへ・カストロ・ボラーニョス、臨時の代行裁判官として、ダニーロ・エリソンド・セルダス、ラウル・マリン・サモーラ、アルフォンソ・カーロ・スニィガ、エリック・トンプソン・ピニェーレス、フェルナンド・デル・カスティージョ・リジョンニ、マヌエル・エミリオ・ロドリゲス・エチェベリーアが任を務めた。

4.小法廷の運営時間
 憲法小法廷は、一年を通じ、一日24時間無休で業務を行う。通常受付は、毎週月曜日から金曜日まで、午前7時30分より正午0時、午後1時より午後4時30分までとされている。その他の日、つまり土曜日、日曜日、休日などには、交代で一名の裁判官及び業務スタッフによって運営される。
 通常時間では、小法廷の秘書部にて受付を行うことになっている。非常及び正午(正午0時から午後1時まで)の受付は、サン・ホセのゴンザレス・ラーマン地区にある最高裁判所の警備担当員によって行われる。
 また、申し立て及び申請書の受付は、月曜日から金曜日、午前7時30分から午後4時30分まで、FAX(295−3712)にても行われている。

5.取扱われる申し立て
 憲法小法廷は、以下の6種類の申し立てを受け付けるものとする。
人身保護申し立て、人身保護以外の人権保護申し立て、違憲性行為に関するもの、立法的諮問、司法司法的諮問、権限に関する争い。

6.申し立ての提起及びその期間
 争点の審判が一度申請されれば、同小法廷は当事者による実力行使の必要なきように適切に行動しなければならない。人身保護に関する審判では、日数計算は、自然日(土曜日、日曜日、休日を含む)を算入する。その他の争点では、平日のみを算入する(月曜日から金曜日のみ)。

7.小法廷決定に関する異議申し立て
 審判の最終的な裁決権は、小法廷の7名の裁判官に属するものとする。訴訟手続きの実施決定は、長官ないし、審判を担当した裁判官に委ねられている。憲法小法廷の決定に対する審判の申請は行えない。(つまり、決定の無効ないし変更は認められない。)しかし、小法廷の最終的な裁決は、いついかなる時においても、同小法廷によって弁明ないし、何らかの事項の追加が行われることが可能である。これは、小法廷の決定の通知を受けてより3日以内に審判の当事者より要請した場合にも、行うことが可能である。

8.小法廷決定の尊守義務
いかなる団体、個人であっても、小法廷により決定されたすべての事項に従わなければならない。但し、同小法廷は、将来その決定の変更を行うことができる。

9.決定の通知
 通知は、係争ないし判決に関連した当事者に報告するために、司法機関の様々な部門において使用されている手段である。また、通知は、憲法小法廷の義務でもあり、FAXや通知人と呼ばれるスタッフによって行われている。
 しかしながら、通知が滞りなく実施されるように、審判の申請をする時点で、当申請人は、通知受理を望む場所を小法廷に示さなければならない。通知受理の場所は、自宅、勤務地、その他FAXの番号でもよいとする。自宅ないし勤務地への直接通知を望む場合は、司法的範囲(司法最高裁判所の定める範囲:東、37番通り(ネグリート通り)まで、西、42番通り(サバナ公園レオン・コルテス像前)まで、北、トーレ川まで、南、マリア・アギラル川まで)でなければならない。FAX番号を提示した場合は、共和国内であればいずれの地かを問わない。
 通知受理の場所を提示することは、審判申請人にとって大変重要なことである。よって、決定ないし訴訟手続きの通知をする必要が生じ、通知受理の場所のない場合、当該決定がされてより24時間をもって、それが通知されたものとみなす。


人身保護の申し立て

1.定義
 身体の自由を侵害ないし脅かされたと思われた場合には、いかなる人であれ、憲法小法廷に相談・告発できるというのが、この申し立てである。憲法裁判法第15条から第28条に及び、同申し立てについて規定されている。

2.保護対象
 保護の対象は、個人の自由、身体の自由、住居移転の自由、滞在の自由、海外への移動の自由などである。さらに、逮捕者の身体の保障、自由権の保護、また一般的には、身体の違法な拘束行為の予防及び回避を目指すものである。

3.申請人
 年齢、国籍、係争人か第三者か、どのような言語を話すかなど、人的要件を問わず、また、筆記か、タイプあるいはコンピュータで書いたかなど、申請の形態を問わず、さらには、電報(費用をかけることなく)やFAX(受付時間内のみ)であっても、いついかなる時でも同申し立てを行うことができる。

4.被告発人
 正当な理由なく、人身の自由を脅かすあるいは奪う全ての国家機関について告発することができる。

5.申し立ての要件
 人身保護の申し立てには、なんら特別な要件は存在しない。しかし、被侵害者の名前、身分証番号、その他身分を証明できる情報を提示することが望ましい。申し立ての対象となる侵害者、国家機関ないし団体の名前等も同様である。また、具体的な問題点、侵害ないし脅かされていると思われる権利について、できうる限り詳細に申し立てることが望ましい。もし可能であれば、侵害を裏付ける証拠を提示するとよい。


その他の人権保護の申し立て

定義
 この申し立ては、共和国憲法あるいは批准された各種国際規約に規定されている権利(人身保護の申し立てで保証されていない権利)が何らかの行為ないし怠慢によって侵害あるいは脅かされていると考えられる場合に、いかなる人によっても憲法小法廷に提起しうる申し立てのことである。

 同申し立てには3つの種類がある:
1.公共の機関ないし、公務員に対する告発
2.私人、各種協会、団体、企業に対する告発
3.情報修正及び返答の請求権に基づく告発


公共の機関ないし公務員に対する告発

1.保護対象及び告発対象
 同申し立ては、憲法裁判法に明記されている基本的な権利及び自由を保護することを目的としている。保護対象は、政府機関の過剰公務から市民の権利を保護するために、共和国憲法や国際的な人権規約等に明記されているものを含んでいる。
 告発対象は、公務員及び公的機関による有効な行政行為に基づいていない全ての活動、無活動、合意、決定等で、基本的な権利及び自由を侵害するものとする。法律、法令、規則等に対しては、それらの個別的適用行為を伴っていない限り、あるいはそれらの法規の公布により何らかの義務が発生するだけでは、同申し立てを行うことはできない。また、司法機関による決定及び行為に対しても同申し立てを行うことはできない。つまり、司法命令に基づく行政機関の行為、選挙最高裁判所の選挙に関連した行為及び措置のことである。

2.申請人
 年齢、国籍、係争人か第三者か、どのような言語を話すかなど、人的要件を問わず、また、筆記か、タイプあるいはコンピュータで書いたかなど、申請の形態を問わず、さらには、電報(費用をかけることなく)やFAX(受付時間内のみ)であっても、いついかなる時でも同申し立てを行うことができる。

3.被告発人
 権利侵害ないし脅威を与える当事者として、自然人、政府ないし公的機関を告発することができる。同当事者が上級公務員ないし機関の指示に基づいて実行行為を行っている場合には、同申し立ては、両者に対して当然行えるものとする。もし、同当事者の氏名がわからない場合には、所属する機関の長ないし上級公務員を告発することができる。

4.申し立て可能期間
 権利に対する侵害、脅威、混乱ないし制約等が継続している間はいかなる時においても、また、同行為が中断した場合には中断してより2ヶ月以内であれば、申し立てを行うことができる。財産権等の場合はたとえ損害への同意があっても、当該損害事実が明らかになり、申し立ての可能な状態になってから2ヶ月以内に行わなければならない。

5.申し立ての要件
 申し立ての要件は多くなく、提出書類への弁護士による署名や、申し立てへの法的根拠の引用などは必要とされない。はっきりと表明されなければならないことは、申し立て理由となる事実、侵害ないし脅かされている権利、当該侵害の当事者ないし政府、機関名であり、もし証拠として提出したいものがあればそれも加えることができる。


私人、各種協会、団体、企業に対する告発

1.申請人
 自然人、各種団体、協会、企業等が公的機能を発揮しつつあるいは権威を有する立場において行ったことないし行わなかったことが、権利侵害にあたると思われる場合には、特別な手続きを経ることなく、いかなる市民も当該申し立てを行うことができる。

2.被告発人
 権利侵害の実行行為の責任者であると思われる者を告発することができる。自然人の場合は個別的な条件によるが、各種協会、団体、企業においては、その代表を以って被告発人とする。


情報修正及び返答の請求権に基づく告発

1.保障対象
 この申し立ては、個人に何らかの損害をもたらす報道(ラジオ、出版、テレビ等)によって表明、公表、流布された情報ないし誤情報の修正及び、事実誤認の有無の確認を要求する権利を全ての人に保障するものである。同申し立ては、情報修正及び返答の請求権に基づく場合にのみ有効であり、その他の法的状況においては、対応した法的手続きに則って解決を望まなければならない。当該請求権は、共和国憲法第29条及び米州人権規約第14条に明記されている。

2.申請人
 侵害された当事者が複数にわたる場合には、申し立ての権利はその当事者の一人によって行使されるものとする。但し、複数人により申し立てが提起される場合には、情報修正が公表ないし流布される時、その修正の範囲が、公表ないし流布の適切な平衡をもたらす合理的な調整に基づいていなければならない。
 情報の不正確さまたは不利益が、一人ないし複数の当事者に間接的に損害をもたらしている場合であっても、申し立ての権利は、同当事者が有するものとされる。また、憲法小法廷の認める利益あるいは報道の観点より、同当事者の名誉及び名声が明らかな形で保護されるように情報の修正が行われるものとする。
 侵害を受けた者が何らかの団体や組織化された集団(協会、組合等)に所属する場合には、申し立ての権利は、当該団体ないし集団の代表に帰属するものとする。法人(企業、工場等)による申し立ての場合は、法的な代表に権利が帰属するものとする。


違憲性行為

1.定義
 これは、すべての人が、共和国憲法ないし批准された国際人権規約、協定などに反する規定あるいは行為であるかを小法廷に裁定することを求めるための方途である。この方途については、憲法裁判法第73条から第95条に規定されている。

2.申請人
 すべての人、団体、ないし協会が違憲性行為の審査を申請することができる。但し、高度な形式と弁護士の署名を必要とする。

3.告発対象
 A).法律及び他の一般規定、また、憲法の何らかの原理原則に反する行為あるいは無行為に対して。
 B).公的機関に所属する個人の行為のうち、人身保護ないしその他の人権の保護の申し立てによって回復不可能な、憲法の何らかの原理原則に反するものに対して。
 C).憲法上に規定されている何らかの要件ないし手続きに反する法律あるいは立法的決議に対して。
 D).憲法上で確立されている手続きに違反した憲法修正に対して。
 E).公的な条約や国際的な協定に反する法律あるいは一般規定に対して。
 F).国際的協定ないし条約の承認手続きにおいて、憲法の原理原則に違反することに対して。
 G).公的機関の無行為、怠慢、不介入等に対して。(例えば、行政府が法を実施するための政令を作らないなど)

4.告発の不可能な対象
 司法機関の決定及び選挙最高裁判所の定めた選挙制度の実施規定に対する違憲性行為の審査を要求することはできない。  また、すでに訴訟を起こした者が、同訴訟で審判中の争点内容について違憲性審査を申請することはできない。

5.申し立て要件
 同審査を申請するには、各種裁判所にて、あるいは行政手続き訴訟において審判を要する争点が存在することが必要とされる。更には、違憲性を審査することで侵害された権利ないし利益を保護するという意味で、人身保護申し立てやその他の人権保護申し立ての形をとることも可能である。
 個人的かつ直接的な損害が存在しない、あるいは広範囲の利益の保護を目的とする場合(例えば、環境や公的財産の保護など)、更には組織化された集団に関連する場合(医師、教師など)には、他の提訴を必要としない。
 また、会計検査院長、法務庁長官、検察庁長官、住民擁護団体代表も同提訴を必要としない。
 起訴状には、提訴者と一人の弁護士による書名が必要である。
 また同状では、明確かつ明瞭な形で、侵害されたと思われる憲法上の原理ないし原則を説明しなければならない。  審判すべき争点中に違憲性があることを、文章による証明によって、小法廷秘書部に提示しなければならない。
 更には、起訴状の署名のされた複写を小法廷裁判官分として7部、その他必要に応じて、法務庁や当該裁判の被告人用にそれぞれ同複写を用意しなければならない。


合憲性の司法的諮問

1.定義
 この制度は、ある事柄について裁決する際に適用すべき規定ないし法的措置が共和国憲法に反するかどうかについて、裁判官が、憲法小法廷に対して判断を求めることを可能にする。同制度については、憲法裁判法第80条、第88条、第91条、及び、第102条から第108条にかけて規定されている。

2.申請者
 ある事柄について裁決する際に適用ないし判断すべき規定、行為、指導、怠慢な措置などが憲法に反すると思われる場合には、すべての裁判官が憲法小法廷に相談することができる。  再審請求(刑事訴訟において、最後の決定を再考するために既に結審した訴訟を再開することができる。)につき裁決が下される際には、合憲性の司法的諮問は義務とされる。同裁決の際には、適正訴訟の原理や聴聞ないし反論する権利への侵害の有無を判断しなければならない。但し、これらの判断は、小法廷が同原理ないし権利の内容、状態および範囲等につき決定を下すためにのみ必要とされる。

3.諮問の種類
 2種類存在する。一つは、裁判官が必要と考える場合に行うもので、「任意的諮問」と呼ばれているものである。判決を下す際に適用すべき何らかの規定、行為、指導、怠惰行為等に違憲性の疑いがある場合に同諮問が実施される。もう一つは、法によって義務付けられているもので、「義務的諮問」と呼ばれる。刑事訴訟の判決を再考するための理由として提示されるべき損害として、適正訴訟の原理や聴聞ないし反論する権利への侵害が要件とされているが、「義務的諮問」は、この場合の上記原理ないし権利に関連するものである。

4.諮問の要件
 同諮問は、適用される問題となった規定、行為、指導、怠惰行為等の提示及び、その提示理由の説明を経た判決を、担当した裁判審理につき裁判官が下すために行われるものである。更に、審理を構成する当事者は、小法廷へ同諮問内容について意見を述べるための3日間の猶予期間持っている。そのため、裁判官は、小法廷が何らかの決定を下すまで訴訟の手続きの中断を命令することになる。この過程を経た後、合憲性の判断が小法廷にて行われる。


合憲性の立法的諮問

1.定義
 これは、立法議会(国会)議長、議員、司法最高裁判所、選挙最高裁判所、共和国会計検査院、あるいは住民擁護団体が、法律案の立法承認の前に、同案が共和国憲法ないしコスタリカによって批准された国際条約あるいは協定に違反するものであるかどうかの判断を小法廷に申請するための方途である。合憲性の立法相談については、憲法裁判法第96条から第101条にかけて規定されている。

2.諮問意見授与の要件  憲法小法廷は、法律案(つまり、共和国の法律として承認される前に)に対し、次のような場合に事前的な諮問意見を与える。
 A).国際条約や協定に対する承認行為と同じように、憲法ないし憲法裁判法の修正に関して、強制的に(義務として)諮問意見が申請される。
 B).その他の法律案、行政行為ないし契約、及び、立法議会の命令・運営・内務規律に関する規定の改定に関して、任意的に(必要と考えられる場合)諮問意見が求めることができる。
 C).当該法律案の作成過程、内容、効力等に憲法の原理原則の無視、不適切な解釈ないし適用が見られる場合に、司法最高裁判所、選挙最高裁判所、あるいは共和国会計検査院は、諮問意見を任意に申請することができる。
 D).住民擁護団体代表は、憲法ないし共和国で有効な国際的な人権条約ないし協定等で認められている基本的権利及び自由が侵害されていることを理由に、任意に同諮問意見を申請することができる。

3.諮問の種類及び申請者
 諮問は、2種類存在する。強制的(義務的)諮問及び任意的諮問(必要と考えられる場合)である。立法議会議長は強制的諮問の要件に当てはまる場合に申請することができる。また、10人以上の議員、司法最高裁判所、選挙最高裁判所、共和国会計検査院、あるいは住民擁護団体等は、任意的諮問の要件に当てはまる場合に申請することができる。

4.諮問時期
 共和国憲法改正に関する場合には、第一審議会、第一立法期間において法律案の承認後、完全立法期間の前に諮問は実施される。一般的な立法過程に基づいた立法案あるいは立法行為が成立する場合は、第一審議会後、第二審議会前に諮問を行うものとする。
 しかし、立法議会が法案議決のための憲法的ないし規則上の審議期間を持っている場合、諮問は、適切な事前判断に基づく必要がある。よって、小法廷による判断を待つことなく、法案の議決を行うことができる。
 その他の場合には、法律案の完全な可決の前に諮問を行わなければならない。

5.諮問形態
 諮問は文章の形態をもって行われ、違憲性の疑いがあるとする理由を含むかたちで、法案の問題点が同文書中に説明されている必要がある。共和国憲法、憲法裁判法、国際条約ないし協定の承認等の修正を求める場合は、立法の関連書類の提出をもって十分とされる。


権限に関する争い

1.定義
 これは、公的機関ないし団体の間で、どちらが憲法上明記されている完全なる機能や権限を有しているのかを決定することを小法廷に求めるための方途である。同申し立ては、憲法裁判法第109条から第111条にわたって規定されている。

2.係争者
 権限に関する争いは、以下の係争者を想定する:
 A).選挙最高裁判所を含む国家権力(訳者注:立法権・司法権・行政権のこと)間、あるいは、同権力の内の一つと共和国会計検査院との間。
 B).上記国家権力及び機関と、公的な独立団体、地方自治体、あるいはその他の公法上の人格を持つ者との間、さらには、同団体等の間。

3.提訴者
 係争中の団体組織の上級の長、ないし代表によって提起される。

4.提訴形態
 文章ないし書類の形態を持って、小法廷秘書部に提出することが求められる。同形態の中には、争点を構成する法律上の起訴事由(法的規則に則った)の明示が必要とされる。


憲法小法廷提供の業務内容

1.審判状況に関する情報の問い合わせは、以下の電話にて受け付けている:
295−3696、295−3697、295−3608、295−3700、295−3701、295−3702、295−3703、295−3704、295−3705。
2.新たな申し立てや関連書類のFAX(295−3712)による送付は、月曜日から金曜日、午前7時30分から午後4時30分の間でのみ受け付けている。
3.各種記録ないし証明書の迅速な作成。
4.小法廷が関わってきた様々な申し立てに関する情報完全公開。同業務は、小法廷の情報センターにて提供されている。文書やFAXで、あるいは個人的に電話(295−3700、295−3705、直通:295−3743)をすることで、必要とする情報の提供を申請することができる。
5.全ての人々に開かれたインターネット直接相談。
6.午前7時30分から正午0時及び午後1時から午後4時30分まで、書類等の複写を容易にする業務時間。
7.モデム及びコンピュータ端末VT100に類似したプログラムによる公開されている情報へのアクセスが可能である。アクセスのための電話番号は、295−3190、3203、3124である。同システムには、情報センターのプログラムも含まれている。
8.異議を申し立てられた規定や事項に関連付けた索引を持つ定期刊行誌『憲法判例』によって、小法廷の決定ないし裁決へのアクセスが容易になっている。また、同誌の内容はコンパクトCDに収められており、全ての人が短時間で検索をできるようになっている。
9.ホームページアドレスは、
http://www.expreso.co.CR/hess/salaiv.htm
である。

憲法小法廷
「よりよき司法業務を目指して」


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