千葉市稲毛区長沼コミュニティセンター
〜 指定管理者の仲間入りしたボーンセンター
平成18年5月14日
千葉市の状況
 千葉市は昨年度にオープンした3つの公共施設(千葉市斎場、蘇我球技場、千葉アイススケート場)に指定管理者制度を既に導入しており、今年4月からは既存の346施設のうち102の施設で指定管理者が管理・運営にあたっています。そのうち、昨年10月に公募されたのは81施設でした。

市民にとっては遠い存在の公募
ボーンセンターでは1昨年にコミュニティセンター(CC)全館を訪問、それらの管理・運営状況をヒアリング調査してきたこともあり、CCに関する説明会に参加しました。地域住民の活動拠点CCという施設の性格から考えると、理想は地域住民団体が管理・運営をすることです。千葉市が本気で市民と行政の協働によるまちづくりを考えるなら、他の方法があったでしょう。現実には、@たったひと月足らずの間に、市のホームページから膨大な申請書類をダウンロードし、応募企画提案書を作成しなければならないこと
A管理部門となると、市民にはノウハウがない上、リスクを負う資金繰りが求められるだろうということ
B運営部門では、削減される経費の中で、現在のCCが財政事情のためやっていない自主事業をやらなければならないこと
@〜Bにあっては、市民立のCCなど夢のまた夢でしかありません。

応募7団体中、総合評価一位でJVに
 ボーンセンターがJV参入を決心したのは、長沼地域のまちづくりに関心のある地元住民との出会い、メンテナンスの会社との出会いがあってのことでした。管理経費の縮減項目で2位との差をつけ、JV「長沼CC支援グループ」が指定管理者に内定したのが12月19日の選定委員会でのことでした。今回公募された81施設でNPOが関わることができたのは長沼CCだけです。現実的には資金力のあるメンテナンスの会社が代表企業ですが、ボーンセンターは中間支援組織のNPOとして、地元住民の方々とともに創る自主事業に力をいれていきたいと思っています。

開館からひと月が経とうとして・・・
 総事業費約15億円をかけて、H18.年3月下旬ぎりぎりに竣工した長沼CC。3月議会での議決と言う手順もあり、行政とJVの間の打ち合わせもままならぬ状況での準備期間でした。行政の厳しい指導もあり、条例や仕様書を厳守しての日々です。立派な中央制御装置があり、ソーラーシステム、雨水利用など自然エネルギーをとりこむ設計を施されたガラス張りの施設です。市の計画では1日の利用者数340人をみこんでいましたが、まだまだ認知されていないようで、多くて100人程度。指定管理者にとっては、住民は洗練されたサービスを提供するお客さま。粗相があってはマイナス評価になるので、直営以上にマニュアルどおりに動いていく羽目になります。ただ、JVとしては部屋貸し業務に終わるわけにはいきません。

まちそだてスピリットを共有したい自主事業
「コスト削減」「市民サービスの向上」などが見込まれての民間機能の活用が指定管理者制度の導入です。2月に公表された平成18年度における行政改革の効果額では、指定管理者制度の活用による公の施設の管理運営の合理化で、6億5千7百万円の削減となっています。行政は「自主事業をやってほしい」といいますが、年間委託金額6200万円余の中で、自主事業の財源への配慮はまったくありません。一方、千葉市は財政健全化プラン、新行政改革推進計画の中で、平成18年度は施設使用料等に係る料金改定基準及び無料施設有料化指針を策定し、基準に基づき段階的な見直しを行なうとしています。JVとしては期待したいところですが、利用者にとっては公共料金の値上げは納得しがたいものがあります。だからこそ、地域住民がワクワクするような、達成感のあるイベントを参加型でつくりあげたいと願っています。長沼CCが誰もが気軽に訪れるまちなかの居場所になりますように・・・そして、5年後は地域の住民グループが新しい指定管理者として応募できるよう支援していきたいもの
です。

 
(運営委員 谷口多恵 )


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