集合住宅高齢移動困難者の社会参加促進支援事業
(平成23年度報告)
平成24年8月21日

本事業は集合住宅に居住する高齢者等の移動困難者の社会参加を支援することを目的に、階段移動リフトを活用した階段移送サービスにより、買い物、通院、趣味の活動等の参加のための移動支援サービスシステムを実施検討する事業である。
平成23年度は(独)福祉医療機構の助成を受け(特活)福祉のとも・あゆみ、たすけあいサポートアイアイと協働し、千葉市美浜区、習志野市において階段昇降機の利用に関するモデル事業を実施した。本事業により階段昇降機の事業に必要なコストの概要を示すことができ、これまで階段昇降機の存在を知らなかった地域住民に対してその存在と移動困難という将来的課題を認知して頂けた。また、モデル事業や検討委員会を実施した結果、地域住民と介護・医療事業者や都市再生機構等住宅事業者がエレベーターなし中層集合住宅の移動困難という、本来は共通の課題であったものについて議論をすることができた。今後の課題としては、事業の広報が不十分であった。これらを踏まえ、階段の移動困難がどのような将来的な課題を引き起こすかを地域住民に理解していただけるように課題の提示の仕方を工夫して活動していきたいと考えている。
また、本事業の協働した2団体との連携以上に、団体検討委員会に委員あるいは事業評価等に専門職アドバイザー・参加者として参加して下さった、地域団体である磯辺まちづくり研究会、福祉の街美浜を作る会、千葉市社会福祉協議会高洲・高浜地区部会、福祉事業者であるたすけあい美浜、社会福祉法人温光会、医療事業者である吉田皮膚科医院とが直接的に連携できる基盤ができた。これら団体の相互間の多層的なつながりもつくることができ、結果的に中学校区レベルでの福祉・介護・医療の多分野における「顔の見える関係」を構築でき、地域における今後の活動の場に広がりをみせることができた。
平成24年度は、本成果をもとに、階段移動サービスを継続的に実施できるための、料金体系、運用システム、運用ルール等を確立し、今回対象としたエリアでの本格的な事業化を図る。さらに、外付けエレベーターの限界や在宅医療を支える往診医の増加がすぐには難しい現状に鑑み、本事業成果をもって行政やUR、地域の自治会、社会福祉協議会、福祉NPOなどの連携により、早急に階段昇降サポートの供給体制構築について話し合いを進める。加えて、今回の事業の対象外区域へもサービス対象を広げるため、ホームページや報告書配布、UR等に本事業の成果を公表し、同様なサービスの実施を希望するNPOや地域団体に情報提供するとともに、要望があれば事業化の支援活動も行っていく。

 

 (運営委員 柳沢吉則 )


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