「階段を降りて楽しいことをしよう!」事業報告
平成23年12月17日

「階段を降りて楽しいことをしよう!事業」スタート
 2011年10月からNPO法人たすけあいサポートアイアイ(以下アイアイ)、NPO法人福祉のとも・あゆみと協働し、(独)福祉医療機構の社会福祉振興助成(地域連携活動支援事業)の助成をうけて「階段を降りて楽しいことをしよう!」事業(集合住宅高齢移動困難者の社会参加促進支援事業)をスタートさせました。
本事業は千葉にあるエレベータのない中層集合住宅に居住し、階段の移動が困難となり、家に閉じこもりがちな人たちの社会参加を支援することを目的に、階段移動リフトを活用した階段移送サービスにより、買い物、通院、趣味などへの参加のための移動支援サービスを実施する事業です。
千葉のニュータウン群は昭和40−50年代に中層(5階建て)エレベータ無し集合住宅が大量に建設されました。近年高齢化が進展し、階段の上り下りが困難となり、家に閉じこもりがちになることもあります。エレベータの増設一つの方法ですが、居住者から設置の同意を得ることが難しく、特に分譲住宅で導入は進んでいません。また、この地域は東日本大震災の被災地であり、震災発生直後には団地の多くのエレベータが停止し、長期間にわたってエレベータ利用が必須である移動困難者の生活が困難になる事態が発生しました。階段移動を支援する階段移動リフトも、平成20年度以降介護保険制度の貸与の対象となりましたが、高額であること、また操作をする介助者が必要なため高齢者のみの世帯や単独世帯では利用できず支援機としての普及が進んでいません。
この解決策として、アイアイは必要な時に階段移動リフト機器と一緒に階段移動リフトの操作技術を持つ介助者を派遣するサービスを開始しました。そのことにより、独居や高齢者世帯での利用が可能となり、また常時訓練を受けた専門の操作支援者が行うことによる安全性の向上し、個々人で1台づつ機器を所有することでなく複数の対象者で機器を活用することによるコストダウンの可能性があります。しかしながら、現時点ではこのようなサービス体制が十分に普及されていません。
そこで本事業では、サービス体制の確立のための方策を探ります。該当する団地のニーズ調査を行うことにより、移動困難者のニーズが明確にし、今後のサービスのあり方を検討します。また、階段移動困難者に対して本事業でPR・広報活動を積極的に行うことにより、団地の階段移動支援のサービスの認知度を上げます。さらに、本事業により地域の住民にも広報をすすめることにより、楽しいことを一緒にできる人たちを発掘することを目指します

(運営委員 柳沢 吉則 )


BACK