代表のぼやき

2005.03


商店街で・・・

A:団塊の世代はええなあ。給料が毎年あがってきたんやって? 経済が一本調子で成長してきたところに遭遇したんや。ほんで、大学闘争とかで体制を破壊したくせに、今はすっかり体制側にまわっとる。バブルのときはええ目におおたくせに、全然責任をとっておらん。ええとこを全部とりおったんや。おかげでわしらはカスばっかりつかまされとる。どや、ここまでのことは目をつぶるよってに、ひとつだけええことせんか。
B:なんや?
A:「年金はいらん」言うてくれ。
B:・・・!
A:頼む。
B:まぁ、年金もらう年になっても働ける人は働かんとな。そのために商店街の活性化をやっとるんやんか。町づくり会社には仕事がいっぱいあるで。経営から、イベント、リサイクル、カルチャセンターや福祉施設の運営、飾り付け、道や広場に施設の管理、顧客管理・・・。店もいくつか経営せんといかん。仕事が数えきれんくらいある。だから、おまえ、次の理事長やれ。
A:なんや突然。働くところができたら、年金はいらん言うか。
B:言う、言う。けど、働けんようになったらどうしてくれる?
A:商店街でグループホームをつくる。
B:そや。ようわかっとるやんけ。だから次の理事長やれ。
A:道を市から買う。何やるのも、五月蝿うてかなわん。道を管理しているのは今だって商店街や。市は何もしとらん。
B:ええぞ、その勢いや。
A:けど、今までの理事長とは全然ちゃうな。今までは名誉職やった。これからは大変や。
B:そや。昔はな、箱根とかで商店街の研修会とかあるやろ、そうすると有名な講師がみんな必ず言いよった。「店は立地や、今の場所にこだわっておったらあかん。商店街なんか捨てよ。儲かるところへどこでも行け」。ジャスコの岡田はんはそれで成功した。「大黒柱に車をつけよ」言うてな。けどな、おれらは逆をやろうとしている。理事長は余人をもってはつとまらん。なにせ、哲学と実行力が問われる。おまえ以外におらん。
A:うちは電気屋や。家電は斜陽産業や。
B:それは表向きや。お前は、ITでうまくやってきたやんか。そやから、何百年も同じ商売やっとるやつはおらん、っちゅうことや。商売はお客様のニーズに合わせて変わるんや。それが当然。スーパーが来よったからこれまでと同じ商売ができんようになった、っちゅうて文句言いよるやつがおるが、それはだめや。ただし、場所は変えん。ここは400年前から中心商店街や。次の100年もそうや。地図を見てみぃ、誰が見てもこの町の中心はここや。だから、商売の方を変える。町を時代にあわせるんや。それをおまえがやれ。
A:ほんとに年金はあきらめるんやな。

(※編集者注:この話は、実話に基づいたフィクションらしいとか・・・。)

千葉まちづくりサポートセンター代表・福川 裕一


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