博物館提言シリーズ 5

 千葉県立中央博物館
(Natural History Museum and Institute, Chiba)
への提言

及び
シンポジウム
「生物多様性保全シンクタンクと博物館」報告書
〜行財政改革10年、博物館「冬の時代」を打開するために


*A4判、横書き、96ページ→WEBオーダー

 シンポジウム「生物多様性保全シンクタンクと博物館」〜行財政改革から10年、博物館「冬の時代」を打開するために〜は、平成24年3月18日に千葉県立中央博物館においてNPO法人千葉まちづくりサポートセンターの主催で開催した。このシンポジウムの報告書をまとめつつ、博物館職員の方からのヒアリングや関係者との議論を行ってきた。本報告書にも触れられているように、「地域の課題に応える博物館」「県民と響きあう博物館」を目指して当NPOを含めて様々な県民・団体が博物館との協働を進めてきた。しかし千葉県立博物館の経営資源は縮減の一途をたどり、その活動は目に見えて低下しつつある。全国に先駆けて千葉県生物多様性センターが中央博物館との連携のもと平成20年に発足したが、一方自然誌博物館である中央博物館は、要員の縮減と高齢化がすすみ、このままでは「自然死」してしまうと揶揄される状態にある。このような状況を打破するための一助として本シンポジウムを開催した。
 本報告書においては、「この10年間の評価」と「博物館提言」を行っている。それは、この博物館「冬の時代」を打開するためには、前提として中央博物館が抱えている問題の構造認識(千葉県の行財政改革問題や、中央博物館の設立の経緯から現在に至る施策の実態も含めて)が不可欠であり、この認識に基づいてこそ真の打開策が示せるからである。この構造認識や打開策については様々な立場からの様々な見解があることは当然である。しかしどちらにしても博物館冬の時代を乗り越えていく主体は博物館職員であり、博物館職員自らが「気づきに基づく自己変革と組織変革」を行い「風通しの良い組織文化・風土」を築いていかなければ、志のある県民・団体の協働も活かされないし、博物館が県民の期待にこたえられないことは自明のことである。

2013年7月
特定非営利活動法人 
千葉まちづくりサポートセンター 市民研究所
家永尚志、川本幸立、栗原裕治、鈴木優子、志村恵美子

目 次

T、博物館提言

1、この10年間の評価 川本幸立
2、博物館提言 栗原裕治


U、シンポジウム「生物多様性保全シンクタンクと博物館」報告

あいさつ
NPO法人千葉まちづくりサポートセンターの代表 福川裕一
千葉県立中央博物館館長 上野純司

1、報告「10年間の振り返り、評価、今後の課題」
千葉まちづくりサポートセンター事務局長 川本幸立
県立中央博物館 教育普及課長 新 和弘

2、講演「県民と響きあう博物館とは?〜博物館のシンクタンク機能を活用して
三重県立博物館 館長 布谷知夫

3、現場からの報告
3-1三番瀬、一の宮海岸 千葉県自然保護連  中山敏則
3-2生物多様性 ちば谷津田フォーラム 小西由希子
3-3都市の自然保全 関さんの森エコミュージアム 山田純稔
3-4山のフィールドミュージアム 県立中央博物館上席研究員 島立理子

4、パネル討論

資料:アンケート調査結果

資料:生物多様性の主流化と自然誌系博物館の生物多様性基盤
千葉県立中央博物館・生物多様性センター 中村俊彦

戻る