1969年

1969年1月

1 前日につづき関西各地のべ平連、住吉大社で反戦ビラまき。

2 福岡べ平連、ファントム墜落抗議年始デモ。

4 べ平連第40回定例デモ。清水谷→日比谷、400名。

5 名古屋に「反弾圧市民」誕生。

6 レ:ミン・チン南べトナム教育相、サイゴンでテロを受け死亡。

10 スウェーデン、西欧で初の北ベトナム承認。

11 べ平連「反戦フォークと討論の集い」社会文化会館、300名。中川五郎、ホセ・ディアスら出演。

15 米子べ平連機関紙『米子べ平連ニュース』創刊。

18 東大全共闘の安田講堂闘争(19日まで)。●佐世保で基地連、佐世保19日デモの会共催「基地撤去を要求する全国集会」(19日まで)。佐世保、東京、関西、福岡など各地のべ平連から50名以上が参加。

19 佐世保会議に参加したべ平連出席者の懇談会・デモ。●横須賀でデモ、臨海公園。

20 ニクソン政権発足(就任式に反対の直接行動多く100人逮捕)。

21 米サウス・カロライナ州ジャクソン基地で「ベトナム反戦兵士団」を結成。

22 鶴見俊輔、福富節男ら61名、束大全共闘の闘争についての声明を発表。

24 ベトナムヘの「平和の船」に積込む医薬品を佐藤製薬から購入。

25 東京地裁の杉本良吉裁判長、朝鮮統一運動家、尹秀吉氏に対し「政治亡命者を強制送還するのは違法」と判決。■べトナム和平の拡大パリ会談、実質討議に入る。

27 べ平連の「平和の船」募金によるベトナム向け医薬品、学用品などを積んだソ連船、横浜港を出港、ナホトカ経由でハイフォンに向かう。募金総額は730万円。●武藤一羊、大久保健治、逮捕されたメイヤーズに面会するため横須賀基地を訪問。面会できず。●南ベトナム経済研究調査団(千賀鉄也団長)、ダナン、ファンラン、カムランは日本資本で開発の可能性ありと指摘。

29 琉球政府屋良朝苗主席、佐藤首相にB-52撤去の対米交渉を要請。

30 南ベトナム政府、民間防衛隊を組織。

◎この月、佐賀べ平連発足。

 

1969年2月

1 べ平連第41回定例デモ。清水谷→日比谷。1,000名。●べ平連第3回全国懇談会(2日まで)。日本青年館。52グループ120名参加。『週刊アンポ』の発刊、「反戦万博」、全国キャラパンなど提案される。

2 2・4沖縄ゼネスト連帯・砂川反戦集会。べ平連など200名参加。「砂川反戦塹壕」発足。●「ベトナム反戦姫路行動」、事務所を開設。

3 関西各地のべ平連、沖縄と連帯する24時間ハンスト開始。大阪駅東口広場。30名。

4 B-52撤去要求の沖縄ゼネスト闘争、中止。県民統一行動には5万5千人参加。東京では「2・4沖縄ゼネストに連帯する市民集会・デモ」。芝公園→米大使館。300名。米大使館前で節分の豆撒き「基地は外!」。

6 札幌学生べ平連主催、講演と映画の会。講師・戸村一作。

8 米子べ平連講演会。市公会堂。講師・小田実、いいだもも。

9 砂川反戦塹壕に基地内から発煙筒が投げられる。

15 銃砲刀剣類不法所持容疑で、ジャテックの山口文憲が逮捕され、高橋武智宅ほか2ヵ所が捜索される。べ平連、記者会見(主婦会館)で警視庁の不当弾圧に抗議声明。

17 山口逮捕で吉川勇一、警視庁に抗議。

18 山口文憲釈放。ただちに警視庁記者クラブ内で記者会見。●砂川反戦亜壕にピストル2発が発射される。

22 砂川反戦塹壕への挑発・弾圧抗議のデモ。立川駅→ゲート前、30名。1名逮捕。

23 解放戦線、テト停戦明けにサイゴンなどで125ヵ所に一斉砲撃を開始。●南べトナム、コンツム市北で住民350人の殺害事件おこる(発表は4月12日)。●各地のべ平連、基地への一斉デモ。東京では府中基地ヘデモ。30数名。

25 べ平連、イントレピッド4人の会関係者4名への弾圧に抗議声明を発表。●日本で脱走し、スウェーデンに送られた後、アメリカに帰国、逮捕されたエドウィン・アーネットの軍事裁判が米ニュージャージー州フォート・ディクス陸軍基地で始まる。脱走兵に関する軍事裁判はこれが最初。《A-2、2/26》 →3/5

28 東京フォーク・ゲリラ、新宿駅西口地下広場で初の集会。

◎この月、立命館べ平連が解散。

 

1969年3月

1 べ平連第42回定例デモ。清水谷→日比谷。

2 中ソ、ウスリー川のダマンスキー島で武力衝突、双方に死傷者多数。

3 米国防総省、南べトナムの米軍は54万1千500、同盟国軍は7万2千と発表。

5 「ベトナム反戦と反安保のための6月行動委員会」(市民団体の協議体。以下「六行委」と略す)第1回会合。私学会館。●帰国した米脱走兵E・アーネットに重労働4年の判決。

6 米上院軍事小委員会、「脱走兵実態報告」を公表。脱走兵の激増を認め、また世界7ヵ国にある23の脱走援助機関のなかで、「日本に根拠地をもつ機関」が「精力的、効果的な活動をしている」と認める。

7 メルビン・レアード米国防長官、南ベトナムを訪問(10日 アシャウ渓谷の作戦でのラオス越境を認める)。

9 米韓合同演習(フォーカス・レティナ作戦)開始(→17日)、沖縄を中継基地として使用。●南ベトナム、クワンガイ省で1千人以上の住民虐殺事件おこる(→10日にかけて)。

10 佐藤首相、参院予算委で沖縄返還につき、初めて「核抜き本土なみ」の方針で米国と交渉と表明。

16 米軍、非武装地帯へ侵攻。●アメリカ全国動員委員会提唱の「反徴兵週間」行動、全米各地で展開(高校生も参加)。ワシントンの全米徴兵本部をはじめ各地の徴兵事務所に多様な直接行動。

19 レアード米国防長官、上院軍事委員会で南ベトナム視察結果を報告、現状では米軍撤退は不可能、平定計画は大幅に停滞と言明。

21 日本政府、カンボジア・ダム建設で15億余円の贈与協定と同額の借款供与協定に調印。

22 べ平連事務所、新宿区大京町から渋谷区神宮前外苑コーポ内へ移転(→69年9月4日)。

24 広島の反戦活動家バーバラ・レイノルズ夫人、離日。●ニクソン米大統領、記者会見で解放戦線の都市攻撃は了解事項違反、攻撃が続けば対応措置をとる、パリ会談は本格的交渉の段階を迎えていると言明。

27 警視庁、逗子市の中国物産店員を逮捕し、「ダイナマイトと手製爆弾を押収した」と発表。また、この人物が「べ平連横須賀地区責任者だ」と事実無根の発表。

28 べ平連「九州反戦キャラバン」開始(4月6日まで)。第1日佐賀集会(250名)、29日福岡集会(550名)、30日佐世保集会(70名)、31日大村収容所デモ(95名)、4月1日長崎集会(700名)、2日熊本集会(200名)、4日鹿児島集会(100名)、5日宮崎集会(600名)。講師・小田実、久能昭、倉田令二朗、高橋武智、前田俊彦、武藤一羊、吉川勇一ら。

29 吉川勇一、27日の警察発表について警視庁に抗議。●束京で「救援連絡センター」発足。

30 浦和市に「やるぞどこまで工房」発足。●三里塚で「空港事業認定粉砕集会」、1万2千名参加。

31 べ平連の九州キャラバン、大村収容所へ初のデモ。95名。

◎この月、仙台べ平連が解散。

 

1969年4月

1 榎本重之1周忌王子デモ。柳田公園。

3 べ平連九州協議会。玉名市十返館。●チュー南べトナム大統領、解放戦線との連合政府に同意しないと声明。

5 べ平連第43回定例デモ。清水谷→日比谷。

7 米軍の戦死者は3万3千641人に達する(朝鮮戦争時の戦死者をこえる)。●「詩のべ平連」、ベトナム反戦詩集第7集『ゴルゴダの丘』発行。

10 いなか町べ平連(美濃加茂市)、脱走兵援助街頭カンパ(176円)。●京都で「任錫金氏を支持する会」第1回会合。楽友会館。40人。

11 福岡地裁、佐世保原子力空母寄港反対闘争で博多駅は機動隊の過剰警備と判決。

15 「水俣病を告発する会」発会。

18 政府、米軍立川基地の拡張計画中止を決定。

19 ハノイ放送、「16,17の両日、米軍がリャンビン地区でボール爆弾を使用」と非難。●「べトナムに平和を!秩父市民講演会」。18名。ここで「秩父市民の集い」発足。

20 ヤング・べ平連、フォークソング・デモ。清水谷公園。●京都べ平連、脱走兵援助街頭カンパ。四条河原町。以後2週間つづける。●埼玉べ平連、『唄草子』を創刊。

23 日経連総会で桜田武常務理事、自主防衛力を強調。

26 「六行委」総会。

27 4・27横須賀行動。臨海公園。●長野べ平連など3団体共催「沖縄と安保を考える映画と討論の会」。13時、県勤労者福祉センター。

28 べ平連主催4・28市民デモ。常盤橋公園→新橋。1万人。途中、城辺橋付近で機動隊がデモを襲い、催涙弾をデモに向け発射するなどして重傷者3名。●この日、都心では新左翼党派、反戦青年委が各地で警察と衝突。●沖縄デー、社共総評の統一集会、13万人参加。

29 財界、経済協力の重点をインドネシア、インドシナ、インドに集中の構想を出す。

30 警視庁、4・28べ平連デモで事務所を捜索。

◎この月、米レイ・ジョーフィジカル社(物理探査会社)、ベトナムの南シナ海水域4千マイルを探査。メキシコ湾、インドネシアに匹敵する油田との調査結果(エカフェも同様結論)。

◎この月、べ平連批判論文、河村望『「市民主義」の思想』を含む『講座マルクス主義哲学5 現代日本における思想対立』(青木書店)刊行。

 

1969年5月

1 各紙、前日のべ平連捜索を大きく報じ「投石した学生をかなりアジッタ」など虚偽の報道。べ平連は捜索について抗議声明を発表。

3 べ平連第44回定例デモ。清水谷→日比谷。●新宿べ平連の吉屋能子、4・28の不当弾圧に抗議し逮捕者の釈放を要求して数寄屋橋でハンスト開始。

4 第2回全九州べ平連懇談会。佐世保。●ベトナム反戦姫路行動、市制80周年行事の自衛隊パレードにデパート屋上から1万枚のビラ撒きなど抗議行動。

5 九州各地のべ平連、大村収容所ヘデモ。

8 北海道長沼ミサイル基地設置にかんする聴聞会で、学生やべ平連など機動隊と衝突。●南べトナム解放民族戦線、10項目の和平提案を発表。■「六行委」総会。

9 衆議院本会議、米国の繊維輸入制限政策に抗議の決議を全会一致で採択。

11 解放戦線、サイゴン、ダナンなど159ヵを砲撃(12日 タンソニェット空港を砲撃)。

12 京都で米脱走兵ダニエル・デニス(ポール・サイモン)逮捕される。京都べ平連など川端署に徹夜で坐り込み抗議。(A-01-0-4)

13 京都べ平連、デニス逮捕にかんし京都地裁に人身保護法による釈放申立および拘留の執行停止など行政訴訟をおこす。●佐藤首相、スタンズ米商務長官に繊維の対米輪出自主規制を断る(日米通商関係緊迫)。

14 古屋能子、数寄屋橋でのハンストを255時間目に解く。●京都各地で脱走兵ポール支援カンパ。31日までに14万円。●京都地裁、デニスの人身保護法による救済申立請求を棄却。●警視庁、機動隊を動員して新宿西口広場からカンパなどを締出す。●米ニクソン大統領、8項目のベトナム和平提案を発表。

15 デニス、米軍に引渡され、大阪・新明和工業を経て立川基地に送られる。

17 土曜日の新宿西ロフォーク集会に機動隊が初出動。群集2千人が集まる。●「六行委」、反戦と反安保のための6月行動月間のよびかけを発表。●京都反戦ティーチ・イン「脱走兵ポールは何を僕たちに……」同志社大学館。講師・飯沼二郎、小野誠之、鶴見俊輔ほか。

18 南ベトナム、クワンナム省での大掃討作戦中に住民への虐殺事件おこる。

19 「京都6・15行動委員会」発足。

20 鶴見俊輔、立川基地営倉でデニスと面会。●立命館大学内の「わだつみ像」、全共闘系学生によって破壊される。●チュー南べトナム大統領、米軍の一方的撤退は認めないと言明。

22 「6行委」と「6・15実行委」(新左翼党派、反戦青年委、全共闘なども参加)の合同世話人会。婦民ホール。中核など8派政治組織と15大学全共闘とともに市民団体が6月15日に共同デモを行なうことで一致。●ベトナム参戦7ヵ国会議、パンコックで開催。相互撤兵を求めるコミュニケ発表。

24 新宿西口フォーク集会、3千名の大集会となる。

25 べトナム反戦ちょうちんデモの会主催「討論集会・再びベトナムを!」13時半、武蔵野公会堂。講師・亀山旭ほか。70名。

27 朴韓国大統領、チュー大統領に「和平を急ぎすぎるな」と忠告。

28 229団体により「反戦・反安保・沖縄闘争勝利6・15集会実行委員会」正式に発足。日本青年館。200名。●日本兵器工業会、「防衛産業強化、東南アジアヘも輪出」と決定。●米陸軍省、「兵士の異議申立てへの指針」を各司令官に通達(言論・表現の自由を掲げた兵士の反抗に一定の譲歩)。

29 京都で第1回「橋の下大学」三条河原。

30 プレ反博講演会「万国博とわれわれの思想」。中之島公会堂、1,300名。講師・小田実、笠原芳光ほか。のちデモ→中央郵便局。●朴韓国・チュー南ベトナム両大統領、ソウルで共同声明発表。

31 「平和の船」第2便、横浜を出港。●新宿・西口のフォーク集会、5千名の大集会となる。●愛知外相、沖縄交渉のため渡米。

◎この月、ボストン大学ほか米各地大学で、軍事研究・軍事要員求人に対する学生の直接行動。

 

1969年6月

1 米海軍、メコン・デルタの沿岸警備を南ベトナム政府軍に全面的に委ねると発表。●「大泉市民の集い」、朝霞米軍基地でスピーカーによる「反戦放送局」を開設、8日まで連日つづける。●京都第2回橋の下大学。

3 ジェット機墜落1周年で福岡市役所前抗議集会。2千名。

4 サイゴンに「進歩的民族主義勢力」の準備委員会成立。戦争終結のための「和解政府」樹立を要求。

5 沖縄全軍労スト、米軍と衝突。●ジャテック、べ平連が保護中の米脱走兵ピーター・ジョンソン、大阪で逮捕される。●米ニュージャージー州ディックス基地営倉で150人の囚人GIが反乱(→10月12日参照)。●解放放送、サイゴン・ショロン地区人民革命委員会結成大会が5月30,31日に開かれたと報道。

6 在日外国人30数名。「外国人べ平連」を結成。渋谷山手教会で記者会見。代表=ダグラス・ラミス、S・ベリエー二。

7 べ平連第45回定例デモ。伊東市のアスパック(アジア太平洋協議会閣僚会議・9→11日)に抗議し、清水谷から韓国・台湾大使館にデモ。1,200名。逮捕者6名。解散地で右翼団体がデモを襲撃。(A-01-0-3では、参加者3,000 逮捕者5)●新宿西口では5千人がフォーク集会。●福岡べ平連、基地撤去集会。300名、。デモ→米領事館→ゲート前。●名古屋べ平連、講演会。講師・小田実。●長岡べ平連、講演会。講師・福富節男。

8 伊東でアスパック反対デモ。250人逮捕。東京フォークゲリラも参加。●千葉べ平連、「安保・沖縄ティーチ・イン」教育会館。のち千葉駅前でフォーク集会。300名。●大村収容所へ学生、市民など300名がデモ。出動機動隊600(A-01-0-3)●金沢べ平連、講演会。講師・小田実。●ニクソン米大統領、チュー南べトナム大統領の、ミッドウェー会談。8月末までに米軍2万5千人を撤兵と発表。

9 アスパック抗議デモ。小田原などで190名逮捕。●在日ベトナム留学生約30名、南ベトナム大使館に抗議徹夜坐りこみ。●新潟べ平連、講演会。講師・小田実。

10 南ベトナム臨時革命政府の樹立(8日)公表される。

11 べ平連、『週刊アンポ』発刊について記者会見。

12 べ平連講演会「反安保・街へ」九段会館。2千名以上参加、会場にあふれ、玄関前で2度目の講演をする。講師・大江健三郎、小田実、いいだもも。●『週刊アンポ』0号発行。

13 米人密出国の疑いで福富節男宅、家宅捜索をうける。

14 「6月行動」の一斉街頭行動デー。新宿西口では6千名の集会。●伊東で「反戦フォークと講演の夕べ」、伊東市観光会館。講師。穴井典彦、久能昭。この会で伊東べ平連発足。●警視庁、福富節男を任意出頭で取調べる。●盛岡べ平連発足。

15(日)* 「反戦・反安保・沖縄闘争勝利6・15統一行動」日比谷野外音楽堂。5万人。デモ→国会→米大使館→数寄屋橋→東京駅。吉川勇一ら71名逮捕。このほか、札幌、仙台、福島、名吉屋、京都、大阪、福岡など各地で6・15デモ。69-6-15taiho.jpg (14871 バイト)

(写真は、逮捕される吉川勇一氏。銀座、読売新聞社前。クリックすると大きな写真が見られます。戻るには上部のツールバーの「戻る」を、netscape の場合は、「ジャンプ」の中の「戻る」を押してください。)

16 吉川勇一ら逮捕にかんし159人が抗議声明、日高六郎、久能昭ら警視庁に抗議。●6・15デモにかんし、婦人民主クラプのホール、吉川勇一宅などが数ヵ所を警視庁が捜索。婦民クラブ近藤悠子書記長ら、警視庁に抗議。

17 南ベトナムから撤退した第3海兵師団の5千人、沖縄に移駐。

18 「6・15不当逮捕抗議集会」社会文化会館ホール。●東京地裁、吉川勇一への拘留請求を却下。東京地検、これに準抗告。

19 米ワシントンで反戦デモ。ヴァイニング夫人(皇太子の家庭教師だったクエーカー教徒)も戦死者の名簿を読上げようとして逮捕される。●東京地裁、18日の準抗告を却下、吉川勇一釈放される。

20 べ平連「北海道反戦キャラバン」開始(7月1日まで)。函館集会。商工会議所ホール。300名。講師・小田実、前田俊彦。

21 新宿西口広場フォーク集会、ふたたび5千名の大集会となる。

22 べ平連札幌集会。大谷会館ホール、1,200名。デモ。北海道庁のポールにべ平連旗を掲揚。

23 べ平連、「6・15不当弾圧に抗議するデモ」。清水谷公園→警視庁→日比谷(60年安保以来、初の警視庁前デモ)。警視庁、機動隊を出してデモ参加者(100名)が届出予定人員(50名)を超えたとして、デモを50名に制限。●べ平連旭川集会。1名逮捕。

24 べ平連、北見集会。

25 「ベトナムの平和と統一のためにたたかう在日べトナム人の会」(べ平統)結成。●べ平連、釧路集会。400名。デモ。

26 べ平連、帯広集会。

27 警視庁、全国警備部長会議で、ジャテックが脱走兵を国内潜行に切換えたとして監視強化を指示。●べ平連北海道キャラバン、札幌へ帰着。

28 新宿西口で郵便局への自動読取機搬入に抗議するデモ。機動隊出動、ガス弾発射。この時、通行中の岩木恒爾、機動隊の暴行で負傷(のち警察を告訴し勝訴)。

29 北海道長沼のミサイル予定地に全道べ平連のデモ。バス3台で250名が参加。●べ平連事務所、28日の新宿事件の容疑で家宅捜索。

◎この月、小田実著『人間の中の歴史』(講談社)、小田実・鈴木道彦・鶴見俊輔編『脱走兵の思想国家と軍隊への反逆』(太平出版社)刊行。

 

1969年7月

1 在日中国人青年45人、入管法撤回を要求して新宿西口広場で坐り込みを開始。●ジャテック講演と映画の会「ジャテックは闘う」全電通会館。

2 べ平連、南ベトナム臨時革命政府を支持する電報をグエン・バン・ヒュー駐カンボジア大使に打電。●機動隊、早朝に新宿坐りこみ中の中国人青年を排除。のちふたたび坐りこみ、ハンスト開始。

4 東京フォークゲリラの伊津信之介、逮捕される。

5 べ平連第46回定例デモ。清水谷→日比谷。●新宿西口に婦人警官が出動してソフト規制。6千人の大集会となる。東京フォークゲリラの堀田卓、逮捕される。

6 秩父で「防衛展」に反対するデモ。秩父公園。11名。

8 米軍撤退第1陣(814人)、サイゴンから米本国へ出発。

9 自民党船田私案、「100万人の郷土防衛隊、東南アジアヘの小火器輸出を」とうたう。

11 チュー南ベトナム大統領、解放戦線を含む国際監視下の選挙に関する6原則を提案(臨時革命政府は拒否)。●荒木国家公安委員長、閣議で「べ平連は小田実氏が他勢力に指導権を奪われつつある」と報告。●日本共産党、「べ平連は反共暴力集団」との無署名論文を発表。

12 「東京プレ反博」。山手教会ホール。●新宿では7千人がフォーク集会。●新宿の中国人坐り込みを機動隊が排除。

13 新宿での中国人青年坐りこみ、第3波開始。●山ノ上ホテル滞在中の小田実を警視庁刑事が訪問(翌日の各紙は小田が任意出頭で取調べに応じたと虚偽の報道)。●盛岡べ平連、

初のデモ。60名。以後毎月第1日曜に定例デモ。

14 小田実、前日の取調べにかんし、警視庁に抗議。●東京フォークゲリラの山本晴子逮捕される。●鈴木正久死去。(56歳)。

18 『ウォールストリート・ジャーナル』紙、沖縄におけるVX神経ガスの事故もれを暴露。●べ平連、大阪講演会。阪大講堂。講師・小田実、小中陽太郎、前田俊彦、真継伸彦。●新宿西口地下広場の標識、「地下通路」とぬりかえられる。

19 べ平連、九州講演会。九大講堂。2千名。講師・小田実、小中陽太郎、前田俊彦。●機動隊2千名が新宿西口広場に出動、実力規制。東口広場で1万名が集まって抗議集会。フォークゲリラの小黒弘、逮捕される。

20 ジュネーブ協定記念全国行動。●東京では『週刊アンポ』読者集会。明治公園。1千名。のちデモ。→新宿。●札幌べ平連デモ。500名。道庁内で国旗と道庁旗を燃す。●盛岡べ平連の反安保フォークゲリラ、駅前地下道で始まる。20名。以降11月まで毎土曜に駅前広場でつづく。最盛時は200名以上参加。●アポロ11号、月面着陸(人類初の月着陸)。

21 新宿西口広場弾圧抗議7・21デモ。淀橋中央公園→淀橋警察署→大久保公園。

22 北海道の町村知事、20日のデモにかんし器物損壊罪と北海道庁管理規則違反で札幌べ平連のデモ隊を告訴。●東京フォークゲリラの伊津信之介と小黒弘、起訴される。

23 防衛2法案、衆議院本会議で強行採決。●通産省、東南アジアを中心に海外工場適地調査。

24 警視庁、新宿のフォーク集会は道路交通法違反との見解を発表。

25 グアム島でニクソン・ドクトリン発表(アジア諸国の自主防衛強化と米国の負担削減の方針)。

26 機動隊1千名が新宿西口広場に出動。フォーク集会を規制。以後、毎土曜の西口広場でのフォーク集会不可能となる。●ニクソン米大統領、アジア5ヵ国訪問。

27 京都、反戦祇園祭り。300名。

28 米国防総省、沖縄の毒ガス事故を認める。

30 ニクソン大統領、サイゴン訪問。

31 『平和のために手をつなぐ秩父市民の集い』(秩父べ平連)機関紙(のち『困民』と改題)創刊。

◎この月、小中陽太郎著『手づくりの思想』(合同出版社)刊行。

 

1969年8月

2 べ平連第47回定例デモ。清水谷→日比谷。●イントレピッド4人の会、『脱走兵通信』を創刊。●渋谷駅前でフォーク集会。500人。新宿西口広場では機動隊の実力規制でフォーク集会、流会。

3 大学法案、参院本会議でも強行採決。

4 べ平連、静岡講演会。講師・いいだもも、小田実。●『べ平連ニュース』編集長吉岡忍、西口フォーク集会の件で逮捕される。●キッシンジャー米大統領補佐官とレ・ドク・卜北ベトナム特別顧問との第1回秘密交渉。

5 前日の吉岡逮捕との関連でべ平連事務所を警視庁が捜索。●べ平連、沼津講演会。講師・いいだもも、小田実。

6 ホノルルのクロスローズ教会に空軍兵士L・パリが保護を求め、以後20日までに24人のGIがサンクチュアリに参加。●べ平連、浜松講演会。講師・小田実、武藤一羊。

7 大阪で「反戦のための万国博」(ハンパク)開幕。大阪城公園(11日まで)。●この日、都内で1月4日以降、集会・デモが一つもなかった初めての日。●韓国軍からの脱走兵、丁勲相、神戸で逮捕される。

9 大阪「ハンパク」で、ホットドッグ屋問題が大討論をよぶ。69-8hanpaku.jpg (8222 バイト)

(写真は反戦万博の大天幕の中でのホットな討論。発言しているのは吉川勇一氏。クリックすると大きな写真が見られます。戻るには上部のツールバーの「戻る」を、netscape の場合は、「ジャンプ」の中の「戻る」を押してください。)

●名古屋栄町ターミナルでフォークソング集会。200人。●「大泉市民の集い」、1週間にわたる「朝霞基地攻撃8月行動」を開始。

10 べ平連第4回全国懇談会。大阪市労働会館。

11 南ベトナム解放戦線、全国的規模で攻勢。フエなど128ヵ所を砲撃。●「ハンパク」で予定のデモをめぐり大討論。一部は討論続行、一部がデモ(5千人)参加。御堂筋→難波。

15 8・15記念国民集会。九段会館。テーマ「15年戦争とは」。

16 渋谷駅前広場でフォーク集会。500名。5名逮捕。●福富節男、密出国ほう助の疑いで書類送検。べ平連、記者会見で抗議声明を発表。

18 安全保障調査会、70年展望で「マラッカ海峡防衛論」。

20 「チェコの闘いに連帯集会」新宿安田生命ホール。講師・いいだもも、小田実、酒井与八。

21 解放放送、軍事・政治・外交の全分野での総攻撃のよびかけを報道。●南ベトナム、サイゴン郊外のチュードク監獄で婦女子1,400人に残虐行為。

22 チャン・バン・フォン南べトナム内閣総辞職。

23 任錫金、再収容され、京都べ平連など神戸入管に抗議。●東京フォークゲリラの集会「広場・フォークソング・権利」。日比谷野外音楽堂。2千名。フォークゲリラヘの批判、討論さかん。

24 南ベトナム、ソンチャン渓谷で米兵の集団抗命事件(第196軽歩兵旅団第3大隊)。(A-01-1-16)

25 関西各地のべ平連、華僑青年闘争委、中核派など、神戸入管前で2回のデモ。500名。2名逮捕。●鶴見俊輔、倉田令二朗、吉川勇一ら、任錫金問題で記者会見。学士会館。「任氏逮捕に抗議し、亡命を政府に要求する」の訴えを発表。

27 任錫金、仮釈放。●青森べ平連、発足。●米国務省、南ベトナムヘの北からの浸透は減少したと発表。

28 札幌、東京、神戸、福岡などで任錫金問題の集会、デモ。神戸では1,200名が参加、8名逮掩。●米軍第1次撤兵完了。総兵力は51万1千800人に減る。

30 コザの黒人街で300人の黒人兵、MP,CIDと衝突。●ハノイ放送、「6〜8月に米軍の有毒薬品撒布で子供30人が死亡」と発表。●伊東べ平連、講演会。講師・吉川勇一。●武蔵野べ平連など、新宿コマ劇場前でフォーク集会。250名。●68年3月に東京で脱走し、ジャテックの手で国外に出た米兵M・シャピーロ、カナダで結婚式をあげる。

31 掛川で掛川西高の学生処分に抗議する集会、デモ。300名。11名逮捕。

◎この月、米空軍三沢基地内で50名の兵士がASU(米兵士組合)三沢支部を結成。またハワイ、ホノルルの教会を中心にサンクチュアリ運動ひろがる(9月12日まで)。●1969年夏までの1年間に兵役を拒否してカナダに逃れた米国青年は約6万人。

 

1969年9月

1 南ベトナムに前副首相のチャン・チェン・キェム内閣成立。■北区べ平連発足。『ゼロのニュース』発行。

3 ホー・チ・ミン・ベトナム民主共和国大統領死去。

4 べ平連事務所移転(神宮前→神楽坂・石井ビル)。●政府、タイ経済使節団(佐藤喜一郎団長)を派遣。

5 全国全共闘連合、結成。●解放戦線、南の全土で8日午前1時から72時間停戦を発表(8日米国、「服喪停戦」中B-52による南爆を停止)。

6 べ平連、第48回定例デモ。清水谷→日比谷。●北ベトナムの『ニャンザン』と『ホクタップ』、集団指導制をとる・米軍撤退まで戦うと共同社説。

7 米反戦活動家ビクトリア・良順、強制送還命令に抗議して数寄屋橋公園でハンスト。

9 ホー北ベトナム大統領の国葬。党内団結を守れ・兄弟党間の団結回復に貢献せよとの遺書発表。

10 べ平統、ホー・チ:ミン追悼デモ。日比谷→常盤公園。●ビクトリア・良順、強制収容される。●新宿駅東口広場の中央を緑地帯でつぶす工事、着工。●グエン・アン・チュンなどべ平統の活動家3名に家族を通じ、帰国入隊命令が届く。

12 ハワイのサンクチュアリにMPが乱入、12名の兵土、逮捕される。

13 関べ平連(岐阜)、関駅前で1人でビラをまき発足。●「10・10実行委員会」、394団体の参加で正式発足。日本青年館。

14 平賀書簡事件、バクロされる。●中之島べ平連(大阪)発足。

16 ニクソン大統領、在べトナム米軍を12月15日までに3万5千人引揚げと発表。●宇都宮大学ではじめて「宇大べ平連」の名のビラが撒かれる。《M-02》No.15

17 ビクトリア・良順、仮釈放される。

18 米反戦活動家、アール・レイノルズ博士、国外退去勧告の取消を求める訴訟を広島地裁に提訴。

20 南べトナムで旅客機と米軍機が空中衝突、64人死亡。●小山駅で、「ヤングべ平連」を名乗るグループが駅前フォーク集会。以後、9/28、10/5にも。《M-02》No.15

21 北ベトナムと南ベトナム臨時革命政府、米大統領の撤兵計画はごまかしと非難。●京大闘争で津本忠雄、死亡。●福島べ平連、討論集会。50名。

22 赤軍派、大阪、京都で交番を襲撃。●福岡べ平連「安保をつぶせ!市民集会」。講師・羽仁五郎、井上正治ほか。デモ。

23 北ベトナム国会、大統領にドン・ドク・タン副大統領を選出。

24 小西誠三等空曹、自衛隊佐渡レーダー基地内で『アンチ安保』を創刊(11月1日逮捕される)。

25 佐藤首相、松江の1日内閣で、自主防衛の気概を強調。

26 ニクソン米大統領、国際監視下の選挙で「南ベトナムに共産政権が生まれても米国と南ベトナム国民は認める」と言明。

27 ファン・パン・ドン北べトナム首相、中国訪問(10月4日ソ連訪問。21日帰路に中国を再訪問)。●盛岡駅前での盛岡べ平連フォーク集会の輪の中に駅助役がホースで水をまき、怒った市民60名が抗議。●三重べ平連、講演会。津文化会館。400名。講師・いいだもも。●「宇大べ平連」、宇都宮大学旧図書館前でティーチイン。12名参加。《M-02》No.15

28 三里塚で空港事業認定粉砕集会。

30 九大で民青系学生が『週刊アンポ』3,000部を焼却。

◎この月、小田実編『べ平連』(三一書房)、小田実・高橋和巳・真継伸彦編『変革の思想を問う』(筑摩書房)刊行。

 

1969年10月

1 福岡べ平連、『週刊アンポ』焼打ちにかんする抗議集会、デモ。

3 自衛隊、東富士で治安訓練を公開。

4 べ平連第49回定例デモ。●「六月行動」総会。●名古屋TV塔下のフォーク集会を機動隊が排除。●関西べ平連の対話集会「第8回梅田大学」(梅田地下街)。300名。機動隊が出動、排除。●宮本共産党書記長、10・21集会には両原水禁組織とべ平連は入れるべきではないと発言。●マルコス・フィリピン大統領、ベトナム派遣部隊1千500人の撤兵を言明。

7 トヨタ自動車、南ベトナムのビナコ社と提携(小型トラックの現地組立)。

8 東京で「ベトナム留学生支援の会」発足。●米の反戦デモ、シカゴで警官隊と衝突。

10 べ平連など市民団体、全共闘、反戦青年委、革マル系全学連など、反安保の10・10共同行動。明治公園。5万人。デモ→日比谷。青山通りで埼玉べ平連の小沢遼子ら逮捕される。●札幌べ平連総決起大会。13時、大通り6丁目。●「国際第二戦線」の機関誌、英文『We got the brASS』初登場 (A-01-1-10)

11 1O・10デモとの関連で、べ平連事務所を警視庁が捜索。その際、鍵を破壊し、令状に指定のない有限会社「アンポ社」も捜索。●全道べ平連集会(12日まで)。●米国の79大学学長、ベトナム即時撤兵を大統領・議会に求める共同声明を発表。

12 京都で「ベトナム留学生を支援する会」発足。同志社大学学館。150名。●大泉市民の集い、朝霞基地で"We got the brASS" を配布。第3期朝霞反戦放送を開始。●米ニュ-ジャージー州ディックス陸軍基地へ市民7千500人がおしかけ、「フォート・ディックスの38人」の釈放を要求。

13 ヤング・ベ平連再建集会。清水谷公園。16名。デモ→日比谷高→国会→日比谷。●宇大べ平連、宇都宮大学本部封鎖(宇大全共闘による)を支援し、教職員による封鎖解除に反対する座り込み。失敗。《M-02》No.15

14 ベトナム人留学生グエン・アン・チュンら3名、「入隊帰国命令を拒否する」との共同声明を発表。●ドン北ベトナム副首相と南ベトナム臨時革命政府ビン外相、米国の反戦デモを称賛する参加者あて公開書簡を発表。アグニュー米副太統領、内政干渉と非難。

15 全米でベトナム反戦モラトリアム・デー。数百万のデモ。各地で兵士も呼応(ダナン南方で偵察に出た小隊の約半数が黒い腕章をつけるなど)。●小西三曹、『アンチ安保』3号を発行。●米第3海兵師団400人、東富士で演習のため沼津海岸に上陸、なかに1人の脱走兵がいた。

16 反戦米人ビクトリア・良順、ロジャー。スコットの2人に退去命令が出て入管に収容される。●栃木県庁前で、「10・21闘争勝利、反安保、佐藤訪米実力阻止労学総決起集会」。宇大べ平連も参加。《M-02》No.15

17 「詩のべ平連」、べトナム反戦詩集第8集『闇を駆ける』発行。

18 反代々木系学生、首相官邸、自民党本部などに乱入。

20 べ平連、11日の捜索にかんし警視庁公安部の木下警部らを職権濫用と住居不法侵入で告訴。また11日の差押え物件の取消しを求める準抗告を東京地裁に提訴。

21 反安保全国統一行動デー。べ平連は「10・21国際反戦デー・べ平連デモ」清水谷→飯田橋。1万5千名。飯田橋で解散直後、機動隊が襲撃、衝突。数十名が逮捕される。●これより前、大学べ平連は「佐藤訪米阻止、労働者・市民・学生連帯集会」雑司ヶ谷公園→清水谷。●新宿その他各地で、学生、反戦青年委と機動隊と衡突。●青森べ平連、正式に発足。●松山べ平連発足。●社共総評、全国600ヵ所で86万人参加。新左翼系のデモ、各地で警察と衝突、1,500人逮捕。

24 日本山妙法寺の田島瑞泰師ら国労会館前でベトナム反戦のハンスト開始(24日まで)。●南べトナム政府、ガソリンの値上げと輪入品への課税増を発表(以後インフレ昂進、民衆の不満いっそう増大)。

25 警視庁、10・21デモの関連で、べ平連事務所、吉川勇一宅など4ヵ所を家宅捜索。●関べ平連、映画『三里塚の夏』と反戦フォークの夕べ。70名。

30 北原駐南ベトナム大使、「ベトナムに対する援助は休戦をまたず始めよ」と談話。

31 ベトナム帰りの米海兵隊伍長、TWA機をハイジャック(ロサンゼルス→ニューヨーク→アイルランド→ローマ)。

 

1969年11月

1 べ平連第50回定例デモ。●自衛隊佐渡基地で安保反対などのチラシをまいた小西誠3曹、逮捕される。→ 1969/11/22 ●ヤング・べ平連機関紙『ヤンベ』創刊。●青森べ平連、フォーク集会とデモ。●宇大べ平連、「これからどうするべ平連集会」。《M-02》No.15

3 ニクソン米大統領、米国の地上部隊の撤退を決定したと発表(撤兵は即時ではなく、計画的に行なうとも言明)。

4 宇大べ平連、非暴力直接行動で新図書館移転を阻止。《M-02》No.15

5 札幌べ平連、反安保毎日デモを開始(15日まで)。●赤軍派、大菩薩峠で軍事訓練中、逮捕される。

6 社会党中央執行委員会、「べ平連など市民団体も社会党の統制に従えば16日の首相訪米阻止集会への参加を認める」と決定。●沖縄で黒人グリーン・ベレーのアルフォンソ・ドレロ上等兵、脱走して記者会見、日本への亡命を求め、即日逮捕される。

7 米軍、「王子野戦病院を年内に閉鎖」と発表。

8 社会党、総評、中立労連など反安保全国実行委、「べ平連の団体としての参加を認めない」と決定。●「6月行動」実行委、16日には独自の集会・デモを行なうと決定。●「週刊アンポ社」記者会見、『週刊アンポ』創刊について発表。69-aki-naikaku.jpg (7185 バイト)

(写真は『週刊アンポ』の創刊についての徹夜相談会。婦人民主クラブホールで。クリックすると大きな写真が見られます。戻るには上部のツールバーの「戻る」を、netscape の場合は、「ジャンプ」の中の「戻る」を押してください。)

9 『ニューヨーク・タイムズ』紙、現役兵士1,365人の反戦広告を掲載。

10 神戸愛隣教会牧師田中英雄、神戸べ平連のビラをはって逮捕される(神戸ビラはり事件)。●べ平連、「市民的諸権利の侵害について」の報告書を発表。

12 三里塚でプルドーザー前に坐りこみ。戸村一作反対同盟委員長ら13名逮捕。

13 この日より全米各地で反戦行動活発化(第2回ベトナム・モラトリアム・デー)。ハノイでも米人民反戦闘争支援の集会。●小田実、訪米。●米軍朝霞基地で反戦紙 "KILL FOR PEACE" 創刊。●沖縄はじめ各地で首相訪米抗議デモ。労働者の反戦スト。大阪のデモでは機動隊との衝突のなかで糟谷孝幸、殺される。●松山べ平連主催「松山市民反戦の集い」17時、市庁ホール。150人参加。

14 都公安委員会、16日の市民デモの禁止を決定。「6月行動」実行委は直ちに取消しを求める行政訴訟を提訴。●べ平連、イントレピッド4人の会、大泉市民の集い、記者会見で在日米軍兵士の反戦活動について発表。●京都べ平連、首相訪米に抗議し高島屋前で坐り込み開始(17日まで)。●反戦放送「岸根ステーション」(神奈川)、活動開始。

15 ワシントンで反戦デモ。30万人(最大のデモとなる)。小田実参加。ヨーロッパ各地でも反戦デモ。●べ平連など130の市民団体、首相訪米に抗議し、都内17ヵ所以上で同時集会・デモ。その他各地のべ平連、抗議集会、デモ。●東京地裁、都公安委の16日市民デモ禁止は根拠がないとして取消を命ずる決定。●佐藤首相、東京地裁の決定に異議申立て。●東京地裁、決定を取消す決定。ふたたびデモは禁止。

16 米『ニューヨーク・タイムズ』紙、ソンミ村虐殺事件(68年3月)を報道。●ベトナム反戦と反安保のための6月行動委主催「全米ベトナム反戦デー連帯・佐藤訪米反対、11・16反戦市民集会」。日比谷野外音楽堂。1万5千名。デモ禁止にもかかわらず、集会後、銀座通りなどをデモ。衝突、逮捕などなし。●蒲田周辺ではデモと機動隊と衝突。多数が逮捕される。●蒲田周辺に「自警団」誕生。

17 『週刊アンポ』創刊号発売。●佐藤首相訪米に出発。●米学生動員委、CCAS(憂慮せる米アジア学者の会)など150名、ワシントンの日本大使館に反安保・反佐藤デモ。学生ら20名逮捕。(A-01-3-8)●京都べ平連、三条京阪駅で坐りこみ、実力排除される。

18 『赤旗』、16日のべ平連の行動を「気違いじみた街頭挑発行動」と報道。

21 佐藤・ニクソン会談、日米共同声明発表(安保条約堅持、韓国と台湾の安全重視、日本の核政策尊重、沖縄の72年返還など)。●ホワイトハウス前で日米共同声明抗議デモ。日米人民による反戦共同声明発表。(A-01-4-8)●小西三曹の逮捕、はじめて報道される。

22 新潟佐渡基地の小西誠三曹、自衛隊法違反容疑で起訴される。→ 1970/7/23

24 退役米兵P・ミドロ、CBS・TVでソンミ虐殺を証言。米陸軍、ソンミ事件でカリー中尉を軍裁にかけると発表。

25 京都の「反戦反安保市民行動委」150人、「核かくしの日米共同声明を葬ろう」と線香を手に焼香デモ。●ニクソン米大統領、生物化学兵器の使用禁止を声明。

26 佐藤首相帰国。●べ平連など市民団体、「日米共同声明と佐藤首相の帰国を悲しむ集会・デモ」。清水谷公園→東京駅。3千名。その他、全国各地で反対集会やデモ。●北九州山田弾薬庫を本土縦断の弾薬輸送列車が出発(12月9日まで)。

27 べトナム、プレーク基地で野戦病院の米兵100名と医師、看護婦らが反戦断食。●外務省、南べトナムのチョウライ総合病院建設のための日越設立準備委員会の設立を決定。

28 米弾薬列車、横田到着。全駐労「弾薬の大半はボール爆弾」と発表。●東京地裁、東大事件で裁判史上初の欠席判決。

29 6・15デモ(69年)裁判第1回公判。裁判長=岡田勲。●山田弾薬庫からの列車、三沢に運ばれる。盛岡べ平連(30名)、岩手大全共闘(60名)など抗議デモ。

30 札幌・長沼でミサイル基地反対集会。

◎10・11月中に、稚内べ平連、函館べ平連、苫小牧べ平連、べ平連つるおか、会津若松べ平連、富岡べ平連、大垣べ平連、高山べ平連、延岡地区べ平連、奈良べ平連、京片べ平連、逗子べ平連、下田べ平連、高田べ平連、べ平連山梨、西荻べ平連、東葛べ平連、九段べ平連、府中べ平連、武蔵野べ平連、雑司ケ谷べ平連、それぞれ発足。

◎この月、小田実編『べ平連とは何か』(徳間書店)、『べ平連のうた――その発展の足跡』(芸術出版社)刊行。

 

1969年12月

1 米『ライフ』誌、ソンミ虐殺のカラー写真を掲載。●べトナムの米軍、47万9千500百に減る(うち、戦闘部隊は30万)。

2 東京地裁、護憲連合のデモコースに対する公安委の変更決定を違憲と判決。●米国防総省・沖縄の毒ガスを来春までに撤去すると発表(実際は大幅遅延)。

4 沖縄から晴海についた古屋能子ら、身分証明書の提示を拒否して上陸。

5 ベトナム留学生ら在日外国人100名、ソンミ虐殺に抗議して米大使館にデモ。●松山べ平連第1次機関紙『反戦市民』創刊。●宇大べ平連、宇都宮駅前で、弾薬列車通貨抗議の行動。《M-02》No.15

6 べ平連第51回定例デモ。清水谷→宮下公園。3千名。弾薬列車の通過に抗議。「闘う中学生連帯」、「都職べ平連」がデモに初参加。

7 岐阜べ平連、弾丸映画(小川プロ)上映会。1:00pm 市町村会館。(A-01-2-1)

9 京都アンポ社読者集会、6:00pm 同志社大学生会館ホール(A-01-2-5)

10 べ平連事務所捜索押収物取消準抗告の審理。警視庁外事一課の木下恵を取調べ。●西口裁判フォークゲリラ,10:00am 東京地裁203法廷●米国、東南アジアからのB-52機30機の引揚げ計画を発表。●国連総会第1委員会、米の反対をおしきり「生物化学兵器違法宣言決議」を可決。

12 小田実帰国。●西口裁判フォークゲリラ,10:00am 東京地裁203法廷

14 糟谷孝幸虐殺抗議集会。日比谷野外音楽堂。革マル派と他党派とが内ゲバ。

15 ニクソン米大統領、「ベトナム化計画」を包括的に提示。

17 押収物返還準抗告の審理で吉川勇一証言。

20 一関べ平連の市民集会。●日本宗教者平和協議会など「ソンミ事件抗議追悼集会」。21 ヤング・べ平集会。清水谷公園。デモ。

23 南ベトナム臨時革命政府、米兵に反戦のよびかけ。

24 「ジョン=ヨーコ・レノンのよびかける平和クリスマス」日比谷野外音楽堂。3千人。デモ→東京駅。●京都でも同志社大学学館ホールでクリスマス・フェスチバル。600名。円山公園までデモ。●東京地裁刑事27部後藤勇判事、10月11日のべ平連事務所での警視庁の押収は違法として取消しを決定。

26 米脱走兵、リチャード・マチソン、NETのモーニング・ショーに出演。●べ平連忘年会。新宿三福会館。

27 第32回衆議院選挙(自288、社90、公47、民37、共14、無16、社会党40議席減)。

29 "KILL FOR PEACE" 第2号発行。

30 サイゴンの軍事法廷、在日ベトナム留学生3名に禁固6年の欠席判決。●福岡べ平連、「山本事件」(べ平連内に警察と連絡をとって挑発を試みた者がいた事件)について記者会見。

◎この月、大阪の堺べ平連、信太山自衛隊への毎日デモを開始。

◎この年、山本蔭夫総監督『ベトナム』、東陽一『沖縄列島』公開。

◎この年、GNP=61兆6千88億円、国際収支(経常)21億1,900万ドルの黒字。テレビ受像機生産台数1,269万台。世界第1位。

◎この年の対南ベトナム輸出は2億2千300万ドルで米をぬいて世界第1位(輪入は:332万ドル)。直接特需は6億4千万ドル。

◎年間実質成長率12.5%、名目17.5%。1人当り国民総生産60万7千円。

◎この月、日本共産党、高橋芳男論文でべ平連を全面非難(『文化評論』70年1月号「べ平連はどこへ行く」)。

◎この月、室謙二編『時代はかわる――フォークとゲリラの思想』(社会新報)刊行。