47 オバマの議会施政方針演説と愛国主義(現地時間 2009年02月24日 20:20発 日本時間 2月26日 02:54受信)
 

  いまオバマの議会での施政方針演説を聞き終わったところです。いい演説です。アメリカの危機にどう対応して、どう積極策に転じるかということを述べたものです。ブッシュの稚拙な英語演説などと比べるべくもない。新しいニューディールです。
  オバマのこのところの演説を流れるテーマに、内容とは別に、愛国主義があります。この危機に、民主党も共和党も老いも若きも、貧富の違いもこえていっしょに乗り切るのだ、このアメリカを攻撃するテロリズムには断固たる態度をもって対するのである。ということ。もっともこの愛国主義は、非大企業主義的社会主義を含んでいて、共和党の批判は正しい、オバマ政策は社会主義です。
  だけどそれにはインターナショナリズムは含まれていないよ。万国の労働者よ団結せよ、ではないのです。オバマはアメリカの自動車産業のマネージメントを批判します。それにてこ入れする。それはアメリカの自動車産業を建ちなおさせて、国際競争力を回復して、そこで働く人を救済するためです。ということはトヨタ、ホンダその他の日本自動車産業ならびにそこの労働者とは、敵対します。ですからこのオバマ愛国主義社会主義は、新しいニューディールは、国際主義ではないのです。
  これは私にはいいよ。私はアメリカに住んでいるし、日本に帰って住むこともなく、私を含めて私の家族は全員アメリカ人です。だけどオバマは、日本に対しては敵対しているのだから、日本で人気があるのはおかしいのではないの。
  私としては、こいつはなかなかやるなあ、とオバマ演説をテレビを見ながら、ときどきは議員といっしょに立ち上がったりして、拍手しているわけ。
 それにしても議会の演説の後、退場する前まで次から次へと議員とか招待客にたのまれてサインをしていたけど、ロックスターみたいだね。いいことだよ。そうでなければ、この危機は乗り切れない。

Kenji

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