11. アメリカはすぐには戦争を始められない?  (現地時間 10月17日 15:00:33発 日本時間 18日 7:00:33受信)

ニューヨークタイムス・オンラインのトップ記事によれば(今朝の紙版にはまだ出ていない)、アメリカが国連安全保障理事会の新決議案から、武力行使に関しての直接的な表現を削除する、とのこと。その代わり、「査察に完全に協力しなければ重大な結果を招く」というような、表現になるらしい。これはフランス、ロシアに対してアメリカが妥協したことです。
パウェル国務長官が電話で両国に伝えたらしい。まだ正式な発表ではない。(東海岸時間の5時10分のAP配信ですから、いまから30分ぐらい前のものだ。)

もしこの報道が正しいとすると、アメリカはすぐには戦争を始められない。パウェルは、政府内で孤立して力を失っているのかと思いましたが、ここで盛り返したか。なぜブッシュ馬鹿が、このパウェルの妥協案を受け入れたのか、分かりません。アメリカの世論調査は、どれも、アメリカの武力行使は認めるが、それは国連の枠内でやるべきだ、ということだし、また戦争より国内経済に関心をしめしています。それで、当面の戦争案を引っ込めたということか。重大ニュースですね。

さて日本のオンライン新聞は、これをどう報道しているか。Asahi.comはいま現在、これに関する記事はありません。日経オンラインもなにもなし。毎日オンラインは、ニューヨークの特派員からの報告で、ロサンジェルス・タイムスが上のようなことを伝えている、と書いている。これは午前0時40分の記事だから、いまから6時間前の記事ですね。読売オンラインも、ニューヨーク特派員の記事で、毎日とおなじようにロサンジェルス・タイム紙が伝えるところにると、書いている。これはいまから4時間前の記事。

ロサンジェルス・タイムスとAPが報道しているのだから、パウェルがロシア、フランス両国に妥協案を伝えたことは、確かなのだろう。

10月26日にアメリカ各地とヨーロッパで、イラク反戦のデモが計画されていますが、残念ながらぼくは日本にいて参加できません。ただ友人たちからの報告がありしだい、またメールでみなさんにご報告します。
室謙二

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