66 花束の件について どうもすみませんでした および もう一点追加させてください ( 小林一朗)  (2003.06.03掲載)

 この2通は、ベ平連のサイトのアドレスあてに送られてきたメールですが、吉川個人宛になっています。しかし、内容は、本「談話室」の前号の内容に対する返信ですし、小林さんも、転載・転送「構いません」と書かれていますので、以下に転載します。(吉川)

(1)
吉川勇一様
 小林一朗と申します。CHANCE!の名前だけはご存知かも知れませんが、それを立ち上げた者です。
 花の件はかつてべ平連に参加していた方から聞きました。吉川様のサイト(管理者注:これは「旧ベ平連」のサイトの誤り)を拝読したところ、どうやら相当私に理解違いがあったようです。十分確認もせずに事例として引用したことを申し訳なく思っております。また、お話しくださった方にも改めて確認してみます。その後、MLにはその旨投稿することといたします。
 警察の一件は、当初の私の回答(MLへの投稿)は、かなり感情的になっており、不適切な内容が多々ありました。そのことは後にMLで繰り返しお詫びし、また、今後の原則についても投稿してまいりました。
 警察と食事をする機会をもったことは事実ですし、確かに軽率だったのですが、警察と仲良くやっていけるとは毛頭考えておりません。また、先の投稿で挑発的に書いてしまったことを恐縮しているのですが、弾圧され、逮捕された者の方が悪いとももちろん考えておりません。考え方は違ったとしても、アピールすることの権利と、不当な逮捕を許さないスタンスは共有できると考えています。

 私どもが参加しやすい場をつくるために、警察と敵対しないように進めてきたことは事実です。CHANCE!は運動経験のない人を中心に作ってきたこともあり、いつの間にか本気で「警察さんありがとう」という雰囲気ができたことも否定できません。私自身はそのことを少々苦い気持ちで見ていたのですが、その時点では明確に変えることを提案しませんでした。結果として、一般参加者に誤った警察観を与えてしまったと反省しております。これはスタッフ間の考え方の齟齬によるものも理由の一つでした。また、運営から私自身が離れてしまったために、強くは主張していませんでした。しかし、一番の責任は私にあります。警察との緊張感が緩んでいたことは確かです。この点は大いに反省しています。今後、(WPNではなく)ピースウォークの場面において警察とどのように対するかは確定しておりませんが、きちんと議論して決めたいと思います。

 私のメールが出回って以降、何人かの方にアドバイスをいただきました。その多くが親切なご提案で、改めて気付かせていただくこと多く、感謝しております。また、私たちの考え、行動を改めた点について認めていただき、その後、温かく見守っていただいている方もいらっしゃいます。ありがたいことです。
 私たちはある種、子どものようなものかも知れません。子どもは、大人が本気で諭してくれようとしているのか、それとも権威を振りかざそうとしているのかわかるものだと思います。また、大人も子どもが面従腹背なのか、本当に改めようとしているのかわかるのだと思います。私たちに落ち度があったので、あまり強くはいえないのですが、大人が信頼をしてくれているかどうか、子どもはわかります。むしろ、判断できない大人は、権威を使って子どもにすべてを語らせることを求めると感じます。子どもが表だけ取り繕っているのであれば、大人は厳しく追及することも必要なのかも知れませんが、子どもが改めようとしていることが分ればそれ以上は要らないようにも思います。今回、当初「徹底的に糾弾せよ!」という雰囲気を感じたもので、嫌悪感をもってしまい必要以上に読む人の気持ちを害するような書き方をしてしまいました。申し訳なく思っています。
 大人・子どもの話はあくまで比喩であり、今回のことは運動の場面で起きたことですので、きちんと釈明をしていかなくてはならないし、お詫びもしなければならないと考えています。ただ、「信用できない!徹底的に糾弾せよ!」という雰囲気には、どうしても反発してしまうかも知れません。
 ご迷惑をおかけしどうもすみませんでした。

(このメールは転載・転送していただいても構いません)
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========== Rainbow Warriors =
 〜 環境・Science Writer 〜
  ♪ Give Peace A Chance
           小 林 一 朗
            ichiro.k@d4.dion.ne.jp
            FAX 03-3894-6680
http://www.h5.dion.ne.jp/~ichiro.k/
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(2)
小林一朗です。
 先ほどのメールは私、私どもの考え方を書いたものなのですが、もう一点、追記させてください。
 私のMLでの回答は、逮捕拘留された方への配慮を欠いたものになっていました。MLではその後、何名かの投稿を拝見しつつ、配慮を欠いたことをお詫びし、原則をはっきりさせました。
 先のメールでは、その点について、居直っているかのように書いてしまいましたので、追記し、修正させてください。

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========== Rainbow Warriors =
 〜 環境・Science Writer 〜
  ♪ Give Peace A Chance
           小 林 一 朗
            ichiro.k@d4.dion.ne.jp
            FAX 03-3894-6680
http://www.h5.dion.ne.jp/~ichiro.k/
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(なお、吉川からは、下記のような返信を小林一朗さんに送りました。これも、旧ベ平連としての見解などではなく、吉川個人のメールです。)

小林一朗様
 
ベ平連と花束と警察の関係の問題についての小林さんのメール、拝受しました。この件について小林さんの聞かれた話が不正確なものだったことをご了解くださり、ほっとしております。どこかで適切なご訂正をしてくだされば幸いです。
 小林さんのメールは「旧ベ平連のホームページ」の「談話室」欄に転載させていただきます。
 なお、既に掲載したこの問題についての「談話室」記事に対して、何通かの投稿もきており、それも掲載いたします。
 小林さんの、このメール、および今後のしかるべき訂正で、ベ平連デモと警察との関係の事実問題については、解決するものと思います。
 ただ、警察と運動の中心メンバーが一緒に食事をしたという問題や、World Peace Now の何回かのデモでの、デモ指揮者(複数)と警察との関係や、デモの一般参加者に対する姿勢などについては、私の参加する「市民の意見30の会・東京」(呼びかけ団体の一つ)の中でも、問題になっており、議論がされています。それは、ベ平連との関係とはまた別の問題ですので、公けの討論の場がつくられ、なんらかの解決がされるといいなと思っています。とくに「非暴力」が「無抵抗」あるいは「法律や条例や許可条件等の遵守」、「警察とトラブルを起こさないこと」のように解釈している人が出てきていることに、私は危惧を感じています。
 今発売中の『現代思想』6月号は、反戦平和の思想の特集をやっており、その中に私のインタビューも載っています。そして、その問題についても少し触れています。インタビューの主要なテーマは「運動経験の継承」の問題だったのですが、老人が若者に「説教」したり、「教えをたれる」といった形ではなく、かつての経験がうまく若い人びとに伝えられる場が工夫される必要があるように思います。70年代半ばの連合赤軍や赤城山荘事件のインパクトが非常に強く(というか、それしか伝わっておらず)、昔のデモはみんな暗かった、と思う傾向があるようですが、60年代後半から70年代前半のベ平連など反戦市民運動がもっていた、明るい、生き生きとした雰囲気、しかし、アメリカの侵略や日本政府のそれへの協力への怒り、そして警察など権力機構に対する強い警戒心と反発の感情を、何とかして理解していただけたらと念じています。
 もうすぐ発売される『マスコミ市民』6月号にも、私が5月3日の憲法記念日に立川市での市民集会でやった講演の要旨が載るはずですが、それにも、最近のデモについての私の意見が含まれています。ご覧いただければ幸いです。
 とりあえずのご返事まで。
 吉川勇一
e-mail: yyoffice@jca.apc.org

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