603.室謙二さんの『天皇とマッカーサーのどちらが偉い?』出版。6月21日(火)に「ブックパーティ」開催。 (2011/06/09掲載)

 本欄前号でふれました室謙二さんの新著『天皇とマッカーサーのどちらが偉い?』(岩波書店)は、5月末に出版されました。6月21日午後6時からは、知人たちの呼びかけで「室謙二ブックパーティ」との出版記念の集まりが呼びかけられています。以下にご紹介します。室さんをご存知の方々のご参加をお誘いします。

室謙二ブックパーティのご案内

 しばらくまえ、コンピュータ文化についてなにか大声で語っていたことをのぞけば、近年、室謙二のまとまった発言に接する機会はきわめて少なかった。もっとも大きな理由は、かれが一向に本をだそうとしなかったことです。そのために、めいめいの人生のどこかの段階でかれと出会った人たちの多くが、
「室謙二? たしかアメリカ国籍をとってアメリカ人になったと聞いた気がする
けど、まだ生きてるの?」
 と感じざるをえないような頼りない状態がつづいてしまった。
 その室謙二がようやく一冊の本を書き上げました。それがこの本、このたび岩波書店から刊行された『天皇とマッカーサーのどちらが偉い?』です。
 戦後、同潤会の江戸川アパートでそだったのっぽの少年が、モダンジャズに狂い、べ平連の一員として脱走兵問題にかかわり、新しいコンピュータ文化、そして一人のユダヤ系アメリカ人女性との出会いをへて、とうとう法律上ではまぎれもないアメリカ人になってしまう。
 その振幅の大きい自伝的記述をとおして、戦後の日本人にとって「アメリカ」がもってきた意味を、2011年の現在、室謙二という人物にしかできないしかたで、じっくり考える。そんな性格の本になっています。いやはや、われわれのすぐそばにこんなに繊細かつ大柄な思想家がいたとはと、きっと多くの人が感じるのではないでしょうか。
 そこで、本書の刊行を機に、室謙二といういささか正体不明な一頭の「象」を、われら「群盲」よりつどい愉快な気分で撫でまわしてみようではないか。そう考えて、この席を準備いたしました。よろしく、ご参加いただければさいわいです。

呼びかけ人
  片岡義男 加藤典洋 木滑良久 黒川創 高平哲郎 ダグラス・ラミス
  津野海太郎 戸井十月 中尾ハジメ 萩野正昭 古木杜恵 吉岡忍

日時 6月21日(火)午後6時より
場所 アート カフェ フレンズ (JR[恵比寿」駅西口から徒歩1〜2分)
 東京都渋谷区恵比寿南1・7・8 恵比寿サウス・ワンB1  TEL O3・6382・9050

会費 10000円 (本書を一冊お持ち帰りいただきます。すでにお持ちの方は8000円)

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