547. ダグラス・ラミスさんの新著『ガンジーの危険な平和憲法案』 (2009/09/13掲載) 

 8月にC・ダグラス・ラミスさんの新著、『ガンジーの危険な平和憲法案』が刊行されました。集英社新書で680円+税です。

 ラミスさんが2004年から05年にかけ、デリーの発展社会研究所の教授で滞在中、インドの新憲法に日本の新憲法の影響があったのかとの興味から研究を始めだし、非暴力主義のインド国民会議がなぜ軍隊を持つになったのかという関心と、ガンジーはどのような国家社会の構想をもっていたのかを研究し、まとめた新書です。 

 前、ダグラス・ラミス+辻信一『エコとピースの交差点』(大月書店)を読んだとき、インドは独立後「70万の村それぞれは主権国家になるべきだ」というガンジーの主張など に衝撃的をし、鶴見俊輔さんが、国とは一つの山に登って頂上から目の届く限りの範囲のものになるのが、いちばん望ましいのだ、と言われたことを思い出し、共通しているなという感じたことがあったのですが、今度の新刊は、これらのガンジーの思想の全面的な紹介と検討です。(吉川)

 「……世界は、ガンジーがめざしていたのとはまったく違う方向へものすごい勢いで動いていた。経済的に、私たちはグローバリゼーションの真っ只中にいて、産業資本主義の生産方式とライフスタイルが地球の隅々まで浸透しようとしていた。(中略)そのような世界では、ガンジーの思想は、たとえ、興味深く魅力的なものだと思えても、ほとんどの人が、自分のおかれている現状とあまり関係のないものだと感じるだろう。しかし、この本が出版される前の数ヶ月の間、時代が変ったようだ。……(本書「はじめに」より)
 

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