512. 7月20日に「小田実さんの文学と市民運動を語り考える」集会開催  (2008/08/01掲載 )

 小田さんが亡くなられて1年になるのを目前にした7月20日、東京・文京区の文京シビックセンター・スカイホールで、「小田実さんが掘った『井戸』を掘り続けよう」というスローガンをかかげて、「小田実さんの文学と市民運動を語り考える――小田実さんを偲んで」という集会が開かれ、各界から150人ほどの人びとが参加しました。
 会場には、生前の小田さんの活動を示す写真などの資料が多数展示され、また開会前と途中の休憩時間には、小田さんの遺影を示すビデオも上映されました。
 集会第1部では、佐藤ひろ子さんの司会で、夫人の玄順恵さんから「小田作品の集大成である遺作『河』にこめられたもの」と題して、現在集英社から刊行中の大作『河』についての話が、また、宮田毬栄さんからは「小田実と金芝河救援運動」と題して、韓国の詩人、金芝河さん救援活動での小田さんの努力についての話が、各10〜15分ほどされました。そのあと、作家の高史明さん、評論家の小森陽一さんからも、小田さんの文学と「河」についての短い話がされました。また、長女の小田ならさんからは「日・独・平和フォーラム20周年『訪独市民交流団』に参加して」という報告がなされました。以上第1部。
 休憩をはさんで、第2部では、「市民=議員立法」についての国会への要請決議を全国で最初に議決した保谷市議会(現在の西東京市)で、当時市議として努力された鈴木美紀さんの司会で、「人間の国へ」と題して、反戦・平和・「市民=議員立法」など運動で、小田さんとともに「井戸」を掘った各分野での活動家の人たち多数から、小田さんについての発言が行なわれました。それぞれ、短い時間でしたが、発言者は以下の方々でした。 (敬称略)
 吉川勇一、吉岡忍、岩井健作、栗原君子、穀田恵二、大河原雅子、岩田利子、糸井玲子、高草木光一、和田春樹、今村直
 また、メッセージでは、加藤周一さん、澤地久枝さん、福島瑞穂さんからのものが紹介されました。以下にそれをご紹介します。 (なお、この集会での、吉川勇一さんの話は、その個人ホームページ の「最近文献」欄に掲載されています。また、集会の写真は大木晴子さんのページに多数掲載されています。http://www.seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=810&forum=1&post_id=1409#forumpost1409 )

小田さんの会は内容がいつも豊富です。
本人の言行が畳かだったからでしょう。
残念ながら、私は出席できません。
体調を崩し、ほとんど外出をあきらめている状態だから
です。
小田実につづく人が1人でも多からんことを!
            加藤周一  7.11

 

病状の深刻さを知ったときから、小田実さん亡きあとのことを考えつづけてきました。
 そしそ、その日が来たとき、ブックレットの百枚の原稿が書けない八ヵ月があったのです。
 書いても書いても、「こんなことを書いてもいいのか」と、わたしの心の内側でつよい声がし、廃棄につぐ廃棄の日がつづきました。
 小田さんが答えを見届けられなかったこと。
 小田さんが完成させることのできなかった未完の「河」のほか、予定されていた作品。
 小田さんのかわりに、小説を書くことなど不可能です。せめて、のこされた見事な作品を十分に読みこみ、多くの読者への「かけはし」になろうと思います。
 市民運動にかかわることについては、いままで一緒にやってきたことをつづけ、さらに、小田さんが次に必要と考えていらした政策をまとめてゆく方向へ、小田さんの遺志のなかつぎ役を果たしていけたらと思います。みんなでやってゆきます。
 今日は早朝に出発し、青森9条の会へ話しをしにゆくため、出席できません。なぜか、小田さんを祈念する会は、地方の九条の会への出席とかさなり、心のこりがあります。
 ちょっと照れたやさしい笑顔が目に浮かびます。小田さん、たいへんな仕事をよくがんばってくださって、ありがとう。あなたが胸にしまっていた文学者としての熱い思いは、のこされた作品からひしひしと伝わってきます。あなたの「献身」を無駄にしない日本の市民社会を創ってゆきたいです。
             2008・7・20
                    澤地久枝

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