473. 政治学者、前野良さん逝去。94歳。 2007/05/24掲載)

 反戦・反核運動に献身されてきた政治学者、前野良さん(元長野大学教授/世界政治経済研究所 所長)が、2007年5月13日以来肺炎で療養中でしたが、18日午前11時3分に逝去されたと、ご遺族からお知らせがありました。94歳でした。葬儀は5月20日に家族葬で行なわれたとのことです。 
 お子様の前野暁さんからのご通知には、「わたしども遺族は個人が世界の平和を心から祈っていた気持ちを、胸の中に大切に刻んで生きて行きたいと思っております。茲に生前のご厚誼を深謝し心より御礼申し上げます」とありました。
 ご冥福をお祈りいたします。
 前野さんは、広島での被爆者であり、健康上のさまざまな障害にもかかわらず、原水爆禁止日本協議会(原水協)、その後原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の活動家として、理論面でも実践面でも活発に活動され、また、マルクス主義、構造改革などについても多数の著書、翻訳書を出されています。主な著作は
『東欧をゆるがす民衆の哲学 ペレストロイカとポーランド「連帯」 』(オリジン出版センター、1990年)、『自主管理の政治学』 (緑風出版、1983年) 、『現代革命と人民民主主義』 (大月書店、1958年)
など多数があります。
 有名な反戦歌、谷川俊太郎作詞・武満徹作曲の『死んだ男が残したものは』が初演されたのは、
1965年4月22日の全電通会館でのベトナム反戦市民集会でしたが、それは「世田谷懇談会」の土師政雄さんや、明石博隆さんらとともに、社会主義政治経済研究所の前野良さんらが計画した集会とデモで、この行事は、べ平連発足以前に東京で行われたベトナム反戦の最も早い市民行動でした。 ベ平連のデモにも、たびたび参加されていました。 

ニュース欄先頭へ ホームページ先頭へ