373 2月に大阪で「久野収図書収蔵記念展」開催。12日には「天野祐吉講演会」も。 (05/01/08掲載)

 久野収さんが亡くなられてから、友人や後輩有志らの手によって、膨大な蔵書や資料の整理が進められてきましたが、このほど、その資料が収蔵されることになった「大阪府立中央図書館」で、2月1日(火)〜13日(日)に「久野収図書収蔵記念展」が開催されることになりましたので、ご案内いたします。また、12日(土)の午後には、同図書館で「久野先生からの贈り物」と題して、天野祐吉さんの講演会も開催されます。詳しくは以下の通りです。
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 久野収は生きている 疑うものは今こそ本を!
 
久野収図書収蔵記念展

  2005.2.1(TUE)――13(SUN) 休館日:2月7日(月)・11日(金・祝)
  時間:火〜金(9時から19時) 土・日(9時から17時)

 天野祐吉講演会 「久野先生からの贈り物」 2005年2月12日(土) 午後2時〜3時30分
 場所:大阪府立中央図書館ライティホール 定員:380人(先着順・参加費無料)
 申し込みは、○往復はがき、FAXの場合:住所、名前(フリガナ)、電話番号・FAX番号を記入の上申し込むこと
         ○インターネットの場合:
           大阪府立図書館HP (http://www.linbrary.pref.osaka.jp/)
                        大阪府HP (http//www.pref.osaka.jp/)
                   ○中央図書館2階総合カウンターでも受け付けます。
 申込締切 2005年2月8日(必着)

 お問合せは…… 大阪府立中央図書館 久野収氏旧蔵書寄贈記念事業係 〒577-0011 東大阪市荒本北57-3 
 電話:06-6745-0170(内線543) FAX: 03-6745-0262
 
 主催:大阪府立中央図書館 後援: 社団法人 読書推進運動協議会
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【主要展示資料】
●久野収著書および著作掲載新聞・雑誌
●自筆原稿(未発表著作、校正刷)
●書簡(小林勇、林達夫、松田道雄、丸山真男)
●自筆資料(手紙、京都帝大時代ノート、講義ノート、講義メモ、手帳)
●『社会研究誌』
●レフト・ブック・クラブの本ほか旧蔵書
●久野収のアルバムから
●学生講義録の中から
●一冊の本・秘蔵の書
●著作目録・蔵書目録
●その他(監獄差し入れ本、パンフレット、
 ポスター、めがね、万年筆ほか)
【ビデオ上映】108分 『私の学問研究:哲学者として生きた昭和久野収』 放送大学特別講義 (ききて:樺山紘一現西洋美術館館長)

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久野収の生涯は……

1
学問の楽しさにめざめて
 知的資本家の原始的蓄積

一九一〇年、自由都市・堺に生まれる。のち自治 の伝統の色濃く残る奈良今井に移り住む。スポーツ少年変身し、旧制熊本五高で友人と切瑳琢磨し、学問の土台を築く。

2
思想的仲間づつくり
 京大滝川事件の運動

一九二三年、敗北もまた闘いとられたもの。京大抵抗運動の中から『世界文化』『土曜日』グループは生まれ、その中心メンバーに。三七年、治安維持法違反の嫌疑による投獄。中井正「新村猛、武谷三男、羽仁五郎、林達夫、小林勇、松田道雄。

3
戦争になってから抵抗したのでは遅過ぎる
 革命運動と異なる平和運動の形成

一九四五年再出発、平和もまた闘いとるもの。人文学園、平和問題談話会、憲法問題研究会などの肝いり。言論を担う評論ジャーナリズムの世界で活動のかたわら学習院大学の先生。四七年『狩野亨吉』、四九年『平和の論理と戦争の論理』

4
権力に抗する市民
 自己統治能力の発見

一九六〇年七〇年、生活者・市民の声にこたえて二つの小さな大論文『市民主義の成立』、『反独占の論理学』アクチュアルな思想的遺産。思想の科学研究会、声なき声の会、べ平連、週刊金曜日など運動の渦巻をつくり出しながら。

5
未完の問題、未知の分野
 困難そのものの反復による困難の克服

残された都市論と論理学の未発表原稿。一九九九年二月九日、伊豆長岡順天堂病院で芳子夫人に看取られて死す。二〇〇一年、明石市 浜光明寺に埋葬。

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