226.  宋斗会さん逝去。87歳。02/07/02 掲載)

 在日朝鮮人で、日本政府の旧植民地に対する政策の責任を追及してきた宋斗会さんが、2002年6月8日、京都市左京区の病院で肺がんで逝去された。韓国慶尚北道出身。87歳。宋さんは、1969年、日本国籍の確認を求める訴訟をおこし、また、浮島丸事件の補償を求める裁判の原告側代表をつとめた。『週刊金曜日』2001年4月6日号には、「浮島丸事件訴訟 それでも日本は黙殺するのか? 宋斗会さんに聞く」(中川喜与志)が掲載されている。 昨年8月の京都地裁判決は、国の安全配慮義務違反を戦後補償訴訟では初めて認定、国に計4500万円の賠償を命じたが、原告・国双方が控訴した。宋さんたち原告団は、「国は事件の真相を明らかにし、謝罪しようという姿勢がまったくない」と強く非難した。
 宋さんは、かつて、ベ平連に参加している知識人らが、日本の過去の植民地政策の被害を受けている人びとに対し、口で言うだけで具体的な支援行動を何もしていないと、批判したことがあり、以後、ベ平連グループとの交流がはじまった。1973年7月、法務省前で宋さんが外人登録証を焼却したときにも、ベ平連のメンバーがそれに立ち会ったりした。【写真は、1973年7月14日、法務省前】

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