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<地雷廃絶日本キャンペーン>で発行している「JCBLニュースレター」より抜粋します。

<地雷原>
「地雷問題ハンドブック」(自由国民社)には「地雷が埋設された土地」と書いてあります。また、同じ解説の後半には、「住民が地雷が埋まっていると考える土地」とも書いてあります。地雷があるというウワサがある。本当は無いかもしれない。しかし、怖いから立ち入らない、という土地が地雷原なのです。

或る高校生から、「地雷原はどうやって探すのですか?」という質問が来ました。

私はとても良い質問だと思いました。日本人は、地雷原は最初から何処にあるか判っており、そこにハイテクの探知機や地雷除去機を持って行けば簡単に地雷の除去が出来ると思っています。しかし、地雷除去はそんなに簡単ではありません。ウワサによる地雷原にハイテクの機械を持って行って、もともと地雷の無いところだったら、ハイテクの無駄使いとなります。

ご質問のように、「本当の」地雷原が何処にあるかを探すのが一番大変な作業なのです。

先ず、広い国の中で、「地雷原」と「地雷原かも知れない場所」が何処にあるかを探し、その場所がわかったら、どの順番に地雷除去の要員や、機械を派遣して除去をすれば、その国の経済や社会の建て直しが能率的に出来るかを決めるのです。しかし、それはとても大変な仕事です。それを、「レベル1サーベイ」と言います。「ジェネラル・サーべイ」とも言います。

「レベル2サーベイ」は、「テクニカル・サーベイ」とも言い、地雷犬や、金属探知機で地雷を探し、人手で除去する方法と、ハイテクの機械により探知、除去する方法とがあります。ハイテク機械による探知、除去は早く、作業員が地雷を踏む危険が少なく、一番望ましいのですが、残念ながら地雷の取り残しがあり、信頼性が低いのです。現在は、人手による探知、除去が主で、ハイテクは補助と考えられています。

「レベル3サーベイは」、「コンプリション・サーベイ」とも言い、地雷の除去が終わった所に残った地雷がないかを調べます。地雷の取り残しが1個あるかもしれないと言われればお百姓さんは畑に入りません。それを調べるにはハイテクの機械は信頼性が低いので、地雷犬と金属探知機で、丹念に調べ直すのです。

「レベル1サーベイ」のやり方は次のようです。

1.国内で戦争があった場所や、地雷事故のあった場所についての情報を集めて、地雷がどの地方で使われたかを調べる。
2.地雷が使われた地方で、地雷を埋めた人が作った地雷の埋設図が残っていないかを探す。若し見付かれば、地雷の埋設場所、埋めた地雷の種類が判り、後の作業が楽になります。
3.地雷の事故のあった場所に行き、事故に遭ったり、事故の場所に居合わせた人に会って、事故の場所がどこかを地図に正確に書き入れる。この作業をやるためには、その地方の言葉が出来る必用があります。また、被害者は事故のあった場所をよく覚えていないので、アイマイな話を理解して、事故の場所が地図の上でどこかを判断することが出来る人が必要です。
4.その上で、地雷原の地図を作ります。
5.地雷原の地図が出来たら、どの地雷原から除去を始めるかの順番を決め、地雷原にある地雷の種類、土質、地形、地表に生えている植物の種類等に応じた探知機、除去用の道具を選び、除去要員の人数、車両の台数等を決めて地雷除去チームを派遣します。

過去には、除去する土地の順番を決めるのに、政府の有力者が自分に都合の良いように順番を決めていました。そのために、有力者に除去を頼んだお金持ちはもっとお金持ちになり、それが出来ない貧しい人はもっと貧しくなり、貧富の差が拡がりました。これからは、地雷で困っている一般の人たちの意見を聞き、国の復興と発展に役に立つ土地から順番に除去が行なわれなければならないと言われ始め、そのようになる事が期待されます。

世界最初の「レベル1サーベイ」はイエーメンで1999年7月から2000年7月にかけて行なわれました。カンボジアでは、「レベル1サーベイ」はカナダ政府の援助資金でやる事となり、カナダのジェオ・スパシアルというコンサルタント会社が8000万ドル(約1億円)で受注して、1999年から2002年にかけて調査中です。

これまでの日本政府の地雷援助は、「レベル2」に必要な機材の贈与が多く、「レベル1」への援助は、国連がやる援助の費用の一部を分担しただけでした。日本には「レベル1」が出来る会社も団体もないのです。地雷被害国の復興・開発を早めるために、どの地雷原から優先的に地雷除去を進めるべきかの政策決定に役立つ「レベル1サーベイ」を、日本ができるようになりたいものです。

文部省は50億円をかけて地雷探知のロボットの研究を推進すると発表しました。しかし、「レベル1サーベイ」のやリ方を研究し、人を養成する方がもっと安上がりで、地雷被害国に喜ばれるのではないでしょうか?


<地雷埋設数>
地雷問題に対する関心が高まるにつれて、沢山の方々が地雷問題の勉強されるようになり、嬉しいことです。ところが、地雷に関連する数字が、地雷問題を紹介する本によって同じでありません。もとの数字は国際赤十字、米国の国務省、国連が発表していますが、発表する年度によって更新されます。地雷の本の著者の引用する元が違うと数字も違うのです。ICBLはこれらの数字の中から一番新しい数字をランドマイン・モニター報告書(2001年版は「LM-2001」等と略記)で採用し発表しています。私たちJCBLもその数字を使っています。

人の住まない砂漠に100個ある地雷が人間の社会に被害を及ぼさないのに反し、農地にたった1個あるかも知れないということだけで、その土地は農地として使われず社会的な損失になります。このように、地雷の埋設数で地雷問題の大きさを測ることが出来ないのです。その理由で、ICBLは2000年から地雷の埋設数を発表することを止めました。代わりに、地雷の被害を受けている、国や、地域(パレスチナや、台湾のように、国連に国として認められていない地域)の数を発表しています。JCBLは、以下のように、地雷埋設数は米、国務省の1998年の数字を、地雷保有国の数はICBLのLM-2000の数字を、世界の武器庫にある保有数、生産国、その他の数字はICBLのLM-2001の、下の表の2,3,5,6,7,8の数字を使っています。

1.世界の地雷埋設数        6000万〜7000万個 (米、国務省、1998年の報告書)
2.世界の武器庫にある保有地雷数  2億3000万〜2億4500万個 (ICBL、LM-2001)
3.地雷生産国           14ケ国         (ICBL、LM-2001)
4. 地雷保有国           105ケ国         (ICBL、LM-2000)
5. 地雷/不発弾の問題のある国   90ヶ国と11地域     (ICBL、LM-2001)
6.地雷/不発弾の死傷者のある国  73ヶ国と 9地域      (ICBL、LM-2001)
7. 年平均の新犠牲者数       15,000〜20,000人    (ICBL、LM-2001)
8.支援が必要な地雷被害の生存者  30万人         (ICBL、LM-2001)