SUD労組連合のコミュニケを翻訳しました。SUDとは連帯・統一・民主労組のことで、フランス第二位のナショナルセンターのCFDTの官僚化と新自由主義への屈服に抗して1990年代に登場した新しい組合で、Attacの中心的構成団体であり、今回のヨーロッパ憲法条約反対キャンペーンの中でも中心的役割を果たしました。

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欧州憲法条約をめぐるフランス国民投票について
  連帯労組(SUD系労組)連合の声明


  これはわれわれの勝利であり、始まりにすぎない!

 憲法条約に対して社会的で左翼的な反対(ノン)の意見を持つ者を中傷しようとするかつてない攻撃にかかわらず、投票結果はまったく明白なものである。誰もこの攻撃にだまされはしなかったし、憲法反対の勝利のためのキャンペーンに参加した大衆的な戦闘的勢力は、数多くの障害に直面し、その持てる手段に実に乏しかったにもかかわらず、このことを成し遂げたのである。

 SUD連合は、最初から積極的にこのキャンペーンに参加して続けてきた。このキャンペーンは、NONを主張する組合を非難したした上で労働組合運動はいっせいに憲法を承認しているなどと臆面もなく宣言した連中に反対するものであった。

 反対を主張することによって、われわれはこの間の大衆動員の連続性を堅持したのである。この大衆動員とは、公共サービスの破壊に反対し、大規模公営企業が雇用を破壊する多国籍企業に変質することに反対し、労働法の規制緩和に反対し、社会的ダンピングにも反対するものであり、ヨーロッパの民衆と労働者の権利を支持し、とりわけ、何度も何度も繰り返しわれわれとともに街頭に登場してきた「権利を奪われた人々」の権利を支持するものであった。

 それは、社会の変化に直面する労働者と民衆層の大衆的な願望から生まれてきた連帯的な「反対」の勝利である。

●ヨーロッパの政策は変えるべきである。連中がわれわれに賛成(ウィ)と言わせるものが出て来るまでわれわれは再投票しないだろう。憲法には反対である。われわれはEUの指令の撤廃を、とりわけ労働時間に関するその指令の撤廃を望んでいる。

●われわれが希求し呼びかけている社会的ヨーロッパというのは、今後建設されるべきものである。

  それは、ヨーロッパ規模の公共サービスの実現ならびに住民が自分たちの要求を表明できるような民主的制度の実施を伴わなければならない。

  それは現在よりもより高い水準に支えられた社会的既得権を集約した社会的法規を伴わなければならない。

  それは大企業に対する労働者と地方議会議員による統制を実施しなければならない。

  それはヨーロッパのすべての住民にとっての死活の権利ーー移動の権利、女性の権利、雇用の権利、住宅の権利、しかるべき収入を得られる権利ーーを承認しなければならない。

●フランスにおいても政策は変えるべきである:賃金ならびに当面の雇用に関する職種横断的な交渉の道を切り開かなければならない。われわれは、現在と将来の政治指導者に、定年退職に関する法律、そしてまた社会保障や全国教育や国内治安や社会の近代化や社会的結束に関する法律、さらには郵便法、の撤廃を要求する。

 われわれは決定的な第一段階を画した。欧州憲法と欧州政策に対するすべての反対勢力や批判勢力は、新たな勝利を可能にするために思考と行動において団結しなければならない。
 社会的レベルでは、日程にのぼっているのはこの冬の偉大なストライキの日々の教訓にもとづく統一的な大衆動員である。