アタック・カフェ 遺伝子組み換え問題を考える
『遺伝子組み換えNON! 〜フランスからのメッセージ〜』
試写会

■日時:2月13日(日) 13:30〜17:00
■場所:文京区民センター3D
■内容:
 ・『遺伝子組み換えNON! 〜フランスからのメッセージ〜』
  科学者編、農民編、市民の代表編の上映
 ・報告 湯川順夫さん「フランスにおけるGMO反対闘争の現局面」
     大野和興さん「遺伝子組み換え技術と農業・環境・食の安全」
 ・ATTAC北海道からの連帯メッセージの紹介
 ・参加者14名の感想
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ATTAC首都圏として、この映画を一般の方に向けて上映するのは初めてでしたが改めて鑑賞してみて、4部構成から成るオムニバス形式によってGMに関する多角的な考察が実現していることに感心しました。

ただ、科学者編は、予備知識がない人にとってはやや難解なので、簡単な解説が必要だったかもしれません。

時間の都合上、「消費者編」以外の3部のみの上映になってしまいましたが、湯川さんからはフランスをはじめとする諸外国のGM推進派と反対運動の動向を、大野さんからは遺伝子組み換え技術がもたらす環境や人体への危険性を、参加してくださった方々にわかりやすくお話していただきました。

続いて、ATTAC北海道の小川さんからいただいた、上映会への連帯メッセージおよび長沼町におけるラウンドアップ耐性大豆栽培計画に対し中止を求める声明文を紹介させていただきました。メッセージ 声明文

また、参加者の皆さん一人一人から感想をうかがい、今回のカフェでGMに関する知識・認識を深めていただけたことを実感し、とても意味のある上映会となったことを嬉しく思いました。

今回の上映会をステップに、ATTACとして食のグローバリゼーションがもたらす問題を語り合う機会を今後も持つことができればと思います。参加してくださった皆様、どうもありがとうございました。

以下は、皆さんの感想から。


今日まで、遺伝子組み換えについては「よくわからないけれど、何となくい やだな」という認識しかなかったが、知らない間に健康が脅かされていること を初めて知り、怖いと思った。市民の闘いの中でカルタヘナ議定書にこぎつけ たが、日本は国際的取り決めの中でどう動いているのか、また他国は食品の安 全性をどう守っているのか気になる。

私も同じく、遺伝子組み換えについて「いやな感じ」しか持っていなかった が、この映画を見て認識が変わった。日本でも、花粉症に効くイネなどの開発 によって、我々の身近にどんどん入って来るのが恐ろしい。そういった状況を ふまえて、反GM映画の日本版を制作したいと思う。

インドで農民の自殺者が増えている。この背景には、インドの貧村でモンサ ント社が「収量が増える」などと言ってGMを提供し、農民たちが無理をして借金をして購入するが、栽培がうまくいかずに自殺に追い込まれるという因果関係がある。またGMには農民だけの問題ではなく、抗生物質耐性遺伝子によって抗生物質が効かなくなる等、経済、医療など複雑な問題がある。

GMに関して細かいことが今日初めてわかった。反GMとスローフード運動が有機的に結びつけばいいと思う。最近はDNA治療にも関心がある。

今日の映画とお話で今の状況の恐ろしさがよくわかったので、ぜひ日本版を 見てみたい。

とても勉強になった。我々の体が知らない所で企業の論理で作られつつあ り、それにノーと言っていかなければならない。北海道でGM作付に対する法的 罰則が決まったので、これに続きたいと思う。

山形県新庄市の人と10坪の大豆畑に投資をしてもらって大豆畑トラストを行 っている。大豆を作る農家との連帯がないとキャンペーンの意味がないと思っ ている。作る側の農民が非GMを作ろうとしても消費者がそれを食べてくれない とやっていけないので、それなりの土壌をつくらないと運動を拡大できない。

地域で障害者が自立するためのの団体で活動しているが、行政に働きかけて いるが少数者の問題ではなかなか決定しない。NHKスペシャル『変革の世紀』 でATTACの市民活動を見て、どうすれな弱者が権力に抵抗できるのかと関心を 持った。山下惣一さんと大野さんの対談本を読んで、農業に関心を持ったの で、これから集会に参加し本を読むことで運動に関わっていきたい。

これまで反原発に関わってきたが、科学技術を持った人間が何が起こってし まうか予測不可能なままその技術を使うという賭けに出てしまったことを実感 している。機械論的生命観が浸透し、生命体と科学とがお互いにかけ離れてし まったように思うので、お互いを関連づけていくような技術でなければならな いと思う。

映画の「科学者編」が難解で、原則論がよくわからなかったので再度見てみたい。今年ポルトアレグレで行われた世界社会フォーラムで、ブラジルのGM問題について語られていたが、あくまで1年期限の法律によって認められているとのこと。ブラジル政府内部でも賛成派と反対派がおり、MSTも強く反対しているし、パラナ州知事は「わが地域ではGMを認めない」と言っている。GMがアルゼンチンから不法的に密輸され、それに対して国道沿いを封鎖するなどの闘いが行われている。

日本の農協は「食の安心システム」についてトレーサビリティなどを謳っているが、GMについては語られていない。食品の安全性については、豆腐や納豆その他の表示はあるのに家畜の餌にGMが使われていることについては気にしていない。また安全性だけでなくもうひとつの汚染、つまり知らないうちに支配されていくシステムがネオリベラリズム的なものが広がってきていることについて人々は気にしていないが、そちらの方が重要である。

GM推進派の科学者たちは、反対派の動きに対して「トマトが美味しくなることのどこがいけないのか」「遺伝子組み換えによる危険性が証明されていないのに反対するのはおかしい」と憤慨しているが、科学者はGMの開発から完成までは携わっても、それがその後の社会全体に及ぼす影響については考えていない。この映画の中でイザベル・ステンゲルスが語ったことは重要である。

GMナタネが入ってくることで、多くのアブラナ科の野菜の汚染が拡がる恐れがある。日本の食料自給率は周知の通りだが、輸入大豆のうちアメリカから76%が輸入されており、2位がブラジルである。日本で販売されている豆腐は本当に非GMなのだろうか。またコーンの92%はアメリカからの輸入で、家畜飼料は殆どが組み換えである。これについてWHOは何の規制もしていない。