●5月18日 シンポジウム ―――――――――――― 
  ◇午後2時〜7時 渋谷区勤労福祉会館
(一般参加者;資料代 1000円)

 テーマ:――私たちの身近な課題からWTOを探る――
    日本の医療制度改革、郵便制度の規制緩和とWTO

<目的>

1 経済のグローバル化(グローバリゼーション)について、またその推進のカナメである貿易・投資の自由化をめざすWTOに対して、人々の認識や活動がまだまだ一般的になっていない日本の社会において、身近な課題からWTO問題を探り、ひいてはグローバリゼーションを理解していくことを目的とする。その課題として、WTO協定の一分野――世界経済において最も急速に拡大している分野――であるサービス貿易(GATS)から典型的なふたつの事項を取り上げる。

2 このサービス貿易によって自由化の対象となる分野は、「政府の権限によって提供されるサービス」を除外するものの、「商業的に営まれるか、民間との競争を強いられる公共サービス」も対象とされ、基本的には全分野となる(WTO事務局の分類では12分野160業種あるといわれている)。このような自由化の流れの中で、世界の市民・NGOが懸念しているのは「公共サービス」の自由化である。郵便・通信、教育、環境・水、医療、文化、交通・運輸などあらゆる公共サービスや非営利サービスの分野に、国内外の民間企業を差別なく参入させることがめざされ、この結果公共の利益と民主主義自体が大きく損なわれてくることになってくるからである。

3 一方、日本政府は3月29日に「規制改革推進三か年計画(2001−03年度)」の改定を閣議決定した。これは医療、福祉・保育、雇用、教育など「社会的規制」があった公的サービス分野に手をつけて、規制を撤廃し、民間活力を導入しようとしている。これは明らかにWTO−GATS路線による公共サービスの自由化・民営化と軌を一にする動きである。小泉首相の「聖域なき構造改革」とは、一方で日本道路公団や住宅金融公庫などの財政投融資機関(財投機関)の一部縮小という面があるものの、基本的には民営化を軸とした公的サービス部門の解体という新自由主義的グローバリゼーションの推進にある。

4 このような状況の中、今回のシンポジウムでは、(1)日本の医療制度改革とGATS、(2)日本の郵便制度の規制緩和とGATS、の2つを取り上げる。

 (1) 日本の医療制度改革とGATSは、a)日本の医療制度の現状と矛盾、民営化の動向、b) GATSと世界の医療民営化の動き、「健康に関するサービス及び社会事業サービス」交渉の現状、などを探る。

 (2) 日本の郵便制度の規制緩和とGATSについては、a)日本の郵便制度の現状と矛盾、民営化の動向、b) GATSと世界の郵便民営化の動き、「通信サービス」のなかの「郵便サービス」交渉の現状、などを探る。

5 この「日本の医療制度改革、郵便制度の規制緩和とWTO」の他に、(1)GATS全般について――とりわけ自由化・民営化について――、その現状と今後、そして日本政府の動向などの討論、(2)緊急課題として、日本政府のこれまでのWTOを柱とした多国間取極め主義から2国間・地域間取極め主義であるFTA・BITへのシフトについても、その動向を分析する。

<プログラム>

・開会の言葉;ATTAC Japan                           14:00〜14:10
・第1セッション;GATSにおける二分野(医療・郵便)の検証
  (1)日本の医療制度改革とGATS
   ・****・交渉中                         14: 10〜14:30
     ――日本の医療制度の現状と矛盾、民営化の動向
   ・永元哲治(国際青年環境NGO セージ)
     ――GATSと世界の医療民営化の動きなど             14:30〜14:50
 (2)日本の郵便制度の規制緩和とGATS
   ・棣棠(ていとう)浄(郵政全労協事務局長)                14:50〜15:10
   ――日本の郵便制度の現状と矛盾、民営化の動向
   ・小田正規(UFJ総合研究所)                      15:10〜15:30
   ――GATSと世界の郵便民営化の動きなど
・休憩                                     15:30〜15:50
・第2セッション;医療・郵便の民営化に関する討論               15:50〜16:50
  ・フリー討論(司会:佐久間智子、神田浩史(AMネット))                 
・第3セッション;GATS交渉についての討論など         16:50〜17:50
  ・フリー討論(司会:佐久間智子、神田浩史(AMネット))                   
・休憩 17:50〜18:00
・第4セッション;日本政府の2国間・地域間FTA・BITの動き           18:00〜19:00
  ・問題提起:土松克典(日韓投資協定NO!緊急キャンペーン)

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●5月19日 NGO戦略会議 ――――――――――――
 ◇午前9時〜12時 早稲田奉仕園(一般参加者;資料代 1000円 通しで500円)  テーマ:WTOへの異議申立て運動を日本の市民社会に根づかせるための活動

《担当団体は予定》
・第1課題;これまでのNGO戦略会議の経過と総括
      担当:AMネット(APECモニターNGOネットワーク)
・ 第2課題;各地におけるグロバリゼーションの実態調査(産業空洞化、農業、規制緩和・自由化等)
      担当:WOW!JAPAN
・第3課題;2003年3月「世界水フォーラム」に向けての取り組み
       担当:AMネット(APECモニターNGOネットワーク)
・第4課題;2003年WTO第5回閣僚会議(メキシコ)に向けての取り組み
      担当:国際青年環境NGO セージ
・ 第5課題;日本政府の2国間・地域間FTA・BITに対する取り組み
      担当:日韓投資協定NO!緊急キャンペーン

《参加申込と問い合わせ》  
◆準備団体:ATTAC Japan(担当:田中)
〒113-0001 東京都文京区白山1-31-9小林ビル3F ピースネット気付
Tel:03‐3813‐6492   Fax:03-5684-5870(アタック宛)       
Eメール: attac-jp@jca.apc.org