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<ATTACニュースレター日本語版2002年第12号/転載歓迎>
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ATTACニュースレター「サンド・イン・ザ・ホイール」(週刊)
     2002年3月27日号(通巻第121号)
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          Sand in the wheel
 Weekly newsletter - n°121 - Wednesday 27 March 2002.
IF LOCAL, MAKE IT GLOBAL(ローカルをグローバルに)
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《attacインフォメーション》

◆首都圏/スーザン・ジョージ著『徹底批判WTO』出版記念――
スーザン・ジョージと反グローバリゼーション運動を考える集い/4月26日(金)午後6時〜/渋谷区勤労福祉会館(JR・地下鉄「渋谷駅」下車7分)/お話:杉村昌昭(竜谷大学)さん/佐久間智子(元市民フォーラム2001)さんほか 
◆関 西/ODA被害と住民の闘い−インドネシア・コトパンジャンダムをめぐって/4月13日(土)午後2−5時/スペースAK(地下鉄・南森町、JR東西線・大阪天満宮より徒歩5分)/報告:内富一契さん(ジュビリー関西ネットワーク事務局)

《 も く じ 》

1−ロシアの運動と連帯しよう(Solidarity with Russian Movements)
Attac ボロネジはロシアの運動体「世界は売り物でない」と協力して今年3月14日、「ストップ・マクドナルド」という連合体を組織した。この運動はグローバル企業に反対する最初の行動を開始した(764語)。

2−日本の運動と連帯しよう(Solidarity with Japanese Movements)
4月18日、日本政府は成田国際空港の暫定滑走路を使用開始する。これは5月から日本と韓国で開催されるワールドカップに間に合わせるためである。滑走路は、その建設によって生活と生活手段が完全に破壊される地元住民の強い反対にもかかわらず建設された[別掲の<成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動のよびかけ>をご覧ください] (1319語)。

3−反グローバリゼーション活動家と組合の共闘はまだ可能だ( Anti-Globalization Activists And Unions Can Still Work Together)
1年間でなんと変わってしまったのだろう。昨年4月に、私たちはケベックで5万人のデモを行った。学生、活動家、労働組合員が――米国北東部からの多くの人々を含めて――FTAA(米州自由貿易圏)、つまり企業主導のグローバリゼーションの最新の表現に反対の声を上げた。デモが終わり、自由貿易を推進する官僚たちが催涙ガスに咽せかえっているときに、米国とカナダの活動家たちは状況は有利だと確信していた(1430語)。

4−.英国:下院で「トービン税」が提案される
(Great Britain: "Tobin Tax" motion at the House of Commons)
フランス議会がトービン税を採択したのに続き、英国ではハリー・バーンズ下院議員(労働党)がトービン税導入のための法案を提出した (514語)。

5−ブッシュがエルサルバドルの貧困と暴力を助長している
( Bush Brewing Poverty and Violence in El Salvador)

ブッシュ大統領は米国の「途上国」支援を強調したが、エルサルバドルの経験が示していることは、彼が今回のラテンアメリカ訪問で促進しようとしている経済政策は貧困を深刻化させ、人権の実現を妨げているということである (1113語)。

6−ベトナムと世界的コーヒー危機:地方的暴動の国際的背景

(Vietnam and the World Coffee Crisis: Local Coffee Riots in a Global Context)

昨年5月24日、仕事を求めて米国へ入国しようとしていた14人の若いメキシコ移民がアリゾナ砂漠で死亡した。14人のうち6人は、ベラクスル州の破産したコーヒー農場の労働者だった。メキシコには、この労働者たちと同じように、農場を去って仕事を探すことを余儀なくされている30万人のコーヒー農園労働者がいる。この人たちの死は、世界的なコーヒー価格の暴落と直接につながっており、この地域、および全世界の小規模なコーヒー栽培農家やプランテーション労働者が直面している危機と絶望を象徴している(4470語)。

7−世界のATTACの会合(Meeting ATTAC worldwide)

■ 成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動のよびかけ

■ Attac-Jのメーリングリストより(ドイツ金属労組がATTACと連携)

《 要 約 版 》

●ロシアの運動と連帯しよう
Solidarity with Russian Movements
Attac ボロネジ[ボロネジはロシア西部ボロネジ州の州都、モスクワから南へ約470km]はロシアの運動体「世界は売り物でない」と協力して今年3月14日、「ストップ・マクドナルド」という連合体を組織した。この運動はグローバル企業に反対する最初の行動を開始した。 ロシアの運動は拡大している。ロシアの運動が反グローバリゼーションの国際的な運動に初めて登場したのは、昨年7月ジェノバだった。

全国の50の運動体から50人の代表団が参加した。ラーケンのEUサミットの対するデモやポルトアレグレの世界社会フォーラムにも代表が参加していた。ロシア国内でも、多くの会議や集会が開かれ、世界の反グローバリゼーションの運動について話し合われている。 マクドナルドのファーストフードレストラン建設を阻止する運動2001年春に、マクドナルドは4つのレストラン建設の借地契約を発表した。そのうち1つは市の歴史的中心部にある。市の規則と市民の反対意見にも関わらず、市当局はその用地内でのレストラン建設を許可した。

今年3月14日に、市立公園にマクドナルドの店を建設するという計画に反対する最初の会合が開かれ、「ストップ・マクドナルド」委員会が結成された。

地元の住民と環境運動や政治・社会運動団体の代表が参加して、3月20日から5日間にわたって建設阻止の行動が展開された。

住民たちは?マクドナルドの建設反対?市立公園をボロネジの歴史的な場所として再建しよう、という要求を掲げた。

ノブゴロド[ロシア西部ノブゴロド州の州都、ペトログラードの南南東180km]でも、ATTAC-ニジュニイ・ノブゴロドが3月15日にマクドナルドへのピケットを行った。

3月25日、行動の6日目に、警察と市当局の介入でピケットは解除された。警察は3人の参加者を「無許可集会に参加した」として逮捕。しかし、この行動には市の職員を含む200人が参加している。翌日、地方裁判所はこの3人の活動家の無罪を認めた。

闘争は続いている。

■現地における闘争の写真が以下のサイトにあります:

http://no-corp.voronezh.net/

ボロネジで始まろうとしている運動は旧ソ連・東欧では新しいタイプの運動を象徴している。この運動は電子メールでの支援を呼びかけている。

マクドナルド・ロシアに「丁寧な言葉で」レストラン建設を止めるよう電子メールを送ってください。

宛先:kazhayev@mcdonalds.ru 宛

コピーを下記へ送ってください:stop_mcdonalds@mail.ru or fax:

007901-9933883

●日本の運動と連帯しよう

Solidarity with Japanese Movements

別掲の<成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動のよびかけ>をご覧ください (1319語)。

●反グローバリゼーション活動家と組合の共闘はまだ可能だ

Anti-Globalization Activists And Unions Can Still Work Together

必要なのは運動を持続させることだ。

by Russ Davis

今年4月20日に行進が計画されている。ワシントンで開かれる世銀、IMFの年次総会の時期と同じだが、グローバリゼーションが再びテーマとなるが、その行進には多くの組合員ジャケットを目にすることはないだろう。一体何が起こったのか?シアトルの「青と緑の同盟」は死滅したのか?「チームスターズと亀」(戦闘的労働組合と環境運動の共闘)はもう友だちではなくなったのか?

<シアトルの記憶>

3年前、シアトルの運動は世界を揺るがせた。この運動のもっとも重要な側面は、永年にわたって冷戦政策を支持してきた米国の労働運動の中に国際主義の復活の兆しが見られたことだ。

・・・しかし、「9.11」によって国際的な公正を求める運動が一時的にせよ後退する以前に、すでにシアトルの高揚を維持するのはますます難しくなっていた。学生や環境活動家と労働者との連帯は弱まっていた。

特に、昨年のジェノバでの暴力をめぐって、「直接行動」についての論争が広がった。「戦術の多様性」という立場は、警察とメディアが反グローバリゼーションの運動を暴力(最近では「テロリスト」)と結びつけるのを助けているという意見もあった。

また、運動(特に大きなデモ)の構成についても、疑問が出された。少なくとも米国では、運動は世界の抑圧された人々の立場を主張するわりには、白人・中産階級に偏っていないだろうか。

しかし、こうした弱点にもかかわらず、世界的な公正を求める運動は、企業利益に支配される世界に対する代替案を与える最良の希望であろう。この運動は企業間のコンセンサスを揺がし、労働運動を励まし、若々しいエネルギーを注入し、1930年代以降初めて(!)労働者の闘争に活力を与えた。ファーストトラックは否決寸前になり、AFL-CIOは昨年9月に予定されていた世銀・IMFに対する抗議に積極的に取り組もうとしていた。そこに9.11が起こった。

<戦争は地獄だ>

戦争で、グローバル資本に反対する連帯の維持が困難になった。労働組合もアフガニスタンに対する軍事行動を支持した――労働者の90%以上がそうしたように――が、労働組合以外の活動家はそうではなかった。他の国の多くの組合が戦争に反対した。こうして労働者の国際的団結が脅かされ、米国の労働者は以前のように政府の政策を支持するようになった。

組合は戦争を支持したことによって、世界的な公正を求める直接行動に参加している青年たちを遠ざけた。ブラジルでの世界社会フォーラムの参加者ほとんどが戦争反対だった。

<新しい運動は可能だ>

9.11以後の世界的な公正のための運動にはどんな可能性があるか。 戦争によって労働者による世界的公正のための運動の可能性が危うくなっているまさにそのとき、米国において労働者に対してしかけられた経済戦争は、労働者の大規模な運動の可能性をかつてないほど拡大している。エンロン、低迷する経済、医療問題などは、企業の横暴に反対する運動の基盤を徐々に拡大している。9.11以前よりも多くの労働者が、もっと公正な経済システムが必要だとしている。

そのためにどうすればいいのか。まず、戦争のレトリックと、失業の増大に伴う保護主義の高まりに抗して、国際連帯の精神を保ちつづけることだ。生産がグローバルに組織化されている時代に、労働運動がこれからの闘いに勝つためには国際的な運動の組織化が必要だ。

<数百万人を組織するために>

移住者の権利擁護、FTAA反対などのように、労働者を分断するのでなく統一できる運動が必要だ。医療や雇用のための闘いは拡大するだろうし、それは全社会的な運動に発展する可能性がある。この問題と他の問題を結合する必要がある。

問題は、その実現のためには忍耐と時間がかかることだ。「もうひとつの世界は可能だ」というスローガンがあれば、それを実現するためのもうひとつの運動も可能だと言うことだ。それは、シアトルで約束されたこと、これから実現する労働者、学生、環境活動家による運動である。

[米国「レイバーノーツ」誌より。筆者はマサシューセッツのJwJ(ジョブ・ウィズ・ジャスティス)の活動家である]

●英国:下院で「トービン税」が提案される

Great Britain:"Tobin Tax" motion at the House of Commons

フランス議会がトービン税を採択したのに続き、英国ではハリー・バーンズ下院議員(労働党)がトービン税導入のための法案を提出した。この法案は、6つの政党・院内グループから支持者を得ている。この法案の提出は、War on Wantのキャンペーンの一環である。

[法案の要旨]

世界貧困の根絶に向けて

国際通貨取引は1日1兆ドル以上だが、そのほとんどが商品とサービスに関する実際の経済と関係がなく、また莫大な投機的流れが、メキシコ(1994)、東南アジア(1997)、ロシア(1998)、アルゼンチン(2001)に深刻な経済危機をもたらした。

さらに、そのような通貨の流れに対する少額の課税・トービン税によって、投機を抑制すると同時に、年間500億ドル以上の税収が得られ、それを世界の貧困克服のためのプロジェクトに充てることができる。

このイニチアチブが、議会でトービン税実施を認める法律を通過させたフランスをはじめとして世界各国とその議会から支持を得ていることは素晴らしいことだ。

首相に対しては、メキシコ・モントレーで開かれる「開発への融資」国連会議に特使を送るよう求める。また、国際的に持続可能な開発のため調整されたトービン税導入に一歩を踏み出すよう求める。さらにその収益が、今ある国際援助資金または国際援助を増やすための公約に置き換えられないことを求める。

War on Want についてはwww.waronwant.orgを参照してください。

トービン税に関しては:http://tobintaxcall.free.fr を参照してください。

●ブッシュがエルサルバドルの貧困と暴力を助長している

Bush Brewing Poverty and Violence in El Salvador

by Mark Engler

ブッシュ大統領は南米訪問に先立ち、「途上国」に対する米国の援助に国民の関心を向けた。そのため、彼の本当の目的には触れられないままである。ブッシュはメキシコ、ぺルー、エルサルバドルで新自由主義経済政策を促進するよう促したが、実際は、その政策はその国々の不平等を悪化させ、国の民主的機構を損なうものだ。

ブッシュの経済「近代化」がいかに貧しい人々を苦しめているか、エルサルバドルがその典型例だ。

チャプルテペク和平協定の締結によって10年以上にわたる戦争が終わってから10年を経て、米国によって支援された政策は、人権の実現を妨げてきた。IMFと世銀の監視下で、90年代の保守的エルサルバドル政府は社会サービスを根こそぎにし、通信と公共事業関連企業を民営化した。

企業は消費者にコストを押し付け、政府は経済の「近代化」の中、賃金の確保のために闘う組合を攻撃した。公共部門で、1万人が解雇された。エルサルバドルは大きな損失だった。

ブッシュに海外援助を増やすようもとめた国連金融と開発会議(モントレー)の目的に反し、その経済政策は多くのエルサルバドール人の生活を悪化させている。国連開発プログラムのレポートによると、エルサルバドルにおける所得格差は世界で一番大きい。政府の発表でも、国の半分が貧困層である。国民は米国など外国で働く親戚などからの援助で最低の生活をしのいでいる。ブッシュは民主主義と人権を発展させるべきだとは思っていないようだ。

貧困削減のレトリックは、長い間、米国のラテンアメリカ政策だった。海外援助はいい結果を生むために使うこともできるが、その一方で、貧困を生み、不正義を生む政策を、人道的なポーズで覆い隠している。ブッシュはアルゼンチンの経験を反省するべきだ。エルサルバドルにはもう介入するな。長い市民戦争の原因となった状況は、今日も続いている。貧困、不平等、汚職は全く変わっていない。

[筆者はフリーのライターで、Des Moines(アイオワ州)の活動家]

●ベトナムと世界的コーヒー危機:地方的暴動の国際的背景

Vietnam and the World Coffee Crisis: Local Coffee Riots in a Global Context

By Gerard Greenfield*

<コーヒー危機>

世界のコーヒー価格はこの32年間で最低に落ち込んでいる。それ以前は、コーヒーは石油についで世界最大の貿易主要商品だった。

6,000万人がコーヒーで生計を立てていたが、いまその危機に見舞われている。

エルサルバドルでは、3万人のコーヒー労働者が職を失った。

東チモールでは、コーヒー生産の収入が35%減少し、コーヒー生産で生計を立てる4万世帯が影響を受けた。インドネシア、南インド、グアテマラでも問題が起きている。

2000年4月、Maya Vinic 協同組合は、価格暴落に反対しコーヒー

を燃やした。2000年8月にもベトナムでコーヒーを燃やした。 ベトナム政府の鎮圧にも関わらす抗議運動はエスカレートし、Gia Lai Province地方の首都Pleikuなど各地で4,000人〜1,000人規模の抗議が起きた。彼らは、祖先の土地を返却することと、森林を破壊

するコーヒープランテーションの閉鎖を求めた。

1997年中期までに、北のThai Binh地方の1万人の村人が抗議した。

このような抗議運動の原因は、小規模農民、農業労働、コミニュティーに与える世界的コーヒー価格の下落である。

<ベトナムの躍進?>

ベトナムは10年で世界第2のコーヒー輸入国になり、ロバスタ・コーヒー豆の最大の生産国になった。1999年、ロバスタ・コーヒー生産国としてインドネシアを追い越し、ブラジル、コロンビアについで3番目の生産国となり、2000年末までにコロンビアを追い越した。

コーヒー栽培は、Dak Lakなどの中央高地で行われているが、コーヒープランテーションは、百万人のキン族が中央高地の新経済圏に再移住してきたことから始まった。ベトナム政府は、カンボジアとラオスに接しているので、治安と少数民族滅亡から守るためにキン民族の移住を促進した。中央高地への移住が続き、コーヒーの木は「ドルの木」と呼ばれていた。

1996年以来、約40万人がコーヒーブームに当て込んでダクラク省に移住し、そしてコーヒー農場のために12万ヘクタールの土地が焼き払われた。

先住民が祖先から受け継いだ森がコーヒー農園に変わった。多くの人々が「ドルの木」を植えるために押しかけた。しかし一方、土地を守るキャンペーンをする人々もいた。

コーヒー栽培の急速な拡大による森林破壊と灌漑設備で土壌が侵食され、深刻な水不足をもたらしてた。川や入り江は干上がり地下水の水位が下がった。1998年の干ばつでは、2000の貯水池が干上がり、地下水は供給過剰になった。

しかし、コーヒー栽培は拡大、小規模農民はコーヒーの木を植え、肥料を買うために借金した。コーヒー業者は仕入れ前に農民に金を貸し、単作栽培を強要している。

<世界と地域の連帯>

ベトナムによる輸出量削減の失敗が、コーヒー生産国協連盟(ACPC)の崩壊を招いた、しかしより重要なことは、そこに政治経済的、世界地域的影響があるということだ。理由は3つ。

1.国際金融市場が与える影響。

コーヒーの基準価格はNew York Coffee, Sugar and Cocoa 

Exchange Inc.の投機家が決定し、各国の貿易業者と生産者に直接影響を与える。コーヒー貿易業者、投機的売買による小規模農民の搾取の影響力は新しいことでなく、過去の植民地的世界のコーヒー産業と同じである。

2.世界コーヒー価格を支配する多国籍企業(TNCs)の役割。

危機にも関わらず(またはそれにより)、世界のコーヒー産業を支配するTNCsは成長し続けている。

TNCsはコーヒー生産者と労働者が直面する危機から利益を得ただけでなく、価格と世界のコーヒー需要を操作して現在の危機を招いた。80年代、90年代初期、TNCsのマーケットシェアを巡る熾烈な競争は、品質よりも価格に焦点を当てたもので、特に缶コーヒーなどで安いロボスタ・コヒーの需要を高めた。

TNCsの遺伝子組み換えコーヒー豆はコーヒー価格を引き下げ、小規

模農民に打撃を与えている。

TNCsの影響拡大には2つの重要点がある。

まず、ベトナム企業はコーヒー生産に直接的役割を果たした。

VINA CAFEなどの国営企業はコーヒーの国内投機を促し、海外の貿易商社と小売業者と密接な関係を築き、ベトナムコーヒー生産者の搾取のためのパイプ役を果たしたこと。

次に、アジアにおけるTNCsは重要で、VINA CAFEと親密な関係を持つのが、伊藤忠と三井など日本の貿易商社である。ロバスタ・コーヒーの過剰拡大は、缶コーヒーに使われる低品質の豆の需要拡大によるもの。

3.「農産物輸出」の影響力。

NGO,「フェアトレイドコーヒー」キャンペイナー、ジャーナリストたちが、ベトナムのコーヒー過剰生産に対する世銀の政策を非難しているが、これを支持するのに十分な証拠がない。

また、構造的な圧力は重要だ。政府に対し輸出主導の開発戦略をとるよう強制し、構想的圧力で特別の「開発モデル」を押し付けた。対外債務の支払いの圧力がある。

・債務に縛られ。

コーヒー価格下落が「南」の国々を荒廃させた原因は、対外債務返済に必要な外貨を稼ぐのにコーヒー輸出は必要であるからだ。債務支払いの圧力が輸出を促し、世銀とIMFの構造調整政策を押し付けるもの。債務の返済期限が守られないと、その国の政府は多国籍銀行とIMFの支配下に置かれることになる。

農民は多種作物栽培を禁止され、ローンは輸出用の作物栽培が強制された。またコーヒー価格が下落すると、生産者は肥料の使用を多くし、債務の返済に見合うよう強制された。その結果破産した。

小規模農民は債務と破産による絶望感に直撃されている。Dak Lak省のコーヒー業者は「農民たちは、借金返済のため財産を売ってしまった。みんな債務集金者のためだ」と話す。

[筆者はSocial Action Workshop for Alternatives in Asiaのコーディネータ]

■□成田空港の暫定滑走路の供用の中止を訴える運動のよびかけ■□

 みなさまの思い思いのメッセージをお寄せください

1999年5月、サッカーのワールドカップ開催に合わせるために成田空港に暫定滑走路を建設するという計画が降ってわいたように出てきました。これに対して、私たちは「成田空港の滑走路暫定案を白紙に戻すよう訴えます」という声明をだし、多くの方々から賛同のメッセージをいただきました。

政府や空港公団は、これまでの強制収用をちらつかせ強制手段を用いるやり方を反省したはずなのですが、どっこいその本質にさして変化はなかったということなのでしょう。あれから3年、これまでと全く同じようなやり方で工事は一方的に強行され、民家のすぐ軒先に滑走路が姿を現わし、4月18日には暫定滑走路の供用が行われるという事態を迎えています。

このまま暫定滑走路が使用されてしまうならば、滑走路の南側に住む人たちの頭上わずか40メートルをジェット機が飛びかい、轟音と排気ガスが人や鶏や野菜の上に降り注ぐことになります。人間と生き物の生存を脅かし、人権を踏みにじる暴挙です。

公共性に名を借りた工事が本当に「公共性」をもつのかということが厳しく問い直されるようになったのも、反対運動が存在したからに他なりません。成田空港建設には、その緊急性、必要性、公共性のいずれについても、きちんとした説明がなされてきませんでした。そこに暫定滑走路の見切り発車です。

私たちは、こうした事態を黙って見過ごすことはどうしてもできません。政府と空港公団のこういうやり方にきっぱり反対し、どうしても声を上げたいのです。政府と空港公団に対して、暫定滑走路の供用を中止することを強く求めたいのです。そして、少数派であったとしても、成田の東峰部落で確信をもって人間らしく生きている人たちに、やはり人間らしく生きたいと願う私たちの連帯メッセージを届けたいのです。

私たちは、目前に迫っている暫定滑走路の供用を中止させることが簡単にできるとは思いませんが、しかしできる限り声をあげ、何らかの行動を起こさずにはいられない気持ちで一杯です。そこで、暫定滑走路の供用の中止を訴える運動の1つとして、供用に反対するメッセージ、現地で生き暮らしている人たちに連帯するメッセージなどをできるかぎり多く発する運動を思い立ちました。この趣旨に賛同してくださる方のメッセージを集め、1冊にまとめて発表したいと考えました。

みなさま方のご賛同とご協力、また、お知り合いに幅広く声をかけてくださいますようお願い申し上げます。

2002年2月

呼びかけ人(50音順)

弥永健一(数学者)/上坂喜美/大城雅史(真宗大谷派僧侶)/大島孝一/大沼淳一(海上の森の万博をやめよう愛知県民会議)/大野和興(農業ジャーナリスト)/尾瀬あきら(漫画家)/尾関洋子/金子美登(埼玉県小川町、農業)/鎌田慧(ルポライター)/熊岡路矢(日本国際ボランティアセンター)/越田清和(アジア太平洋資料センター)/佐高信/佐藤真(映画監督)/澤地久枝/設楽清嗣(東京管理職ユニオン書記長)/設楽よし子(婦人民主クラブ)/白川真澄(ピープルズプラン研究所)/高木久仁子(高木仁三郎市民科学基金)/玉光順正(真宗大谷派僧侶)/中村尚司(経済学者)/林廣治(ちば市民ひろば)/林光/針生一郎(評論家)/藤川泰志(調布市・八百屋)/藤原信(森林学)/藤原寿和(ダイオキシン関東ネットワーク)/前田哲男(軍事ジャーナリスト)/前田裕吾(協同センター・労働情報代表)/水原博子(日本消費者連盟)/本橋成一(カメラマン・映画監督)/山口幸夫(原子力資料情報室)/山口雪子(くらしをつくる会)/山口泰子(婦人民主クラブ)/吉川勇一(市民の意見30の会・東京)/ロバート・リケット(研究者)

*「成田空港の暫定滑走路の供用中止を訴えます」呼びかけ人事務局

〒182-0024 調布市布田2-2-6-103 みさと屋 藤川泰志

Fax: 0424-87-1742 Tel:0424-87-1714

e-mail:seimei@pen.co.jp

◆◇ドイツの最大労組が反グローバリズム運動と連携◆◇

会員のNさんから、『選択』4月号に「ドイツの最大労組が反グローバリズム運動と連携」という記事が掲載されていることを知らせていただきました。以下はこの記事の内容です。

・・・ ドイツで最大の労組IGメタル(金属労組=組合員280万人)が、欧州最大の反グローバリズム運動組織「アタック(ATTAC)」と連携関係に入る。同労組中央は三月、全国に七つある傘下の地域執行部と一七〇の支部事務局に対し、アタックの運動を支援し、協力を深めるよう求める書簡を送った。アタックは昨年夏のG7ジェノバ・サミットを混乱に陥れたデモ組織の中で、非暴力主義ながら抜群の影響力、行動力をみせた。特に、短期的な為替売買など機関投資家の思惑要素が強い取引を規制するため、トービン税の導入を要求していることで名高い。IGメタルは、現シュレーダー政権与党である社民党の伝統的な支持母体だったが、左翼色を消して米国の政策に追随する同政権に批判を強めていた。