ATTACニュースレター日本版2002年第40

Sand in the wheels

Weekly newsletter - n°149 – Wednesday16 October 2002.

 

ヨーロッパ社会フォーラムの成功を

SAVE THE EUROPEAN SOCIAL FORUM

「サンドインザホイール」(週刊)

20021016日号(通巻149)号
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目次

1.欧州社会フォーラムへの妨害The threat over the European Social Forum

シルビオ・ベルルスコーニは社会運動を弄ぼうとしている。彼は欧州社会フォーラム(ESF)の週にイタリア政府がシェンゲン協定を一時凍結するといううわさを流している。まだ決定されたわけではないが、ESFの主催グループはこれに対する強い反対を表明することをお願いする。このことに関して世界中のイタリア大使館にあなたの懸念を伝えてほしい(370)

2.WTOあれこれWTO Tidbits

補助金問題がドーハ後の農業交渉を阻止しつづける/ブラジルがEUと米国の砂糖と綿に対する補助金に対してDSBに苦情を言い始めた/ブラジルとアルゼンチンが確立された貿易ルールをEUがひどく無視した例を列挙/非公式の住民投票で、非常に多くのブラジル人がFTAAへの署名に反対した/欧州裁判所は社会・環境への配慮が公共分野の市場より優先する場合があると判断/世界銀行は四方から批判を受け、産業国を偽善だと非難(1151)

3.労働組合の横の連帯がカリフォルニア大学事務職員のストライキの士気を高めたCross-Union Solidarity Boosts University of California Clerical Workers on Strike

「ウイ・アー・ファミリー」や「リスペクト」が拡声器から流れ、ストライキ中の1000人の事務職員が、オークランド警察の規制を無視して、4車線の市道いっぱいに広がって踊った。これらの歌は、私たちが私たち自身や他のカリフォルニア大学職員、学生、そしてこの米国最大の公立大学の経営者に教えた教訓をもう一度復習するためにぴったりの歌だった。(1071)

4.WTOカンクン閣僚会議の準備:「ドーハの成功」をもう一度Laying the Groundwork for Cancun: Another Doha Success”)

カンクンWTO閣僚会議は12カ月後だが、WTOに影響力を持つメンバーはドーハを「成功」させた要素の組み合わせを再現するために動きだしている(2885)

5.11/1415 WTO「ミニ閣僚会議」(シドニー)反対の行動Activists plan to shut down the WTO meeting

「ノーWTOネットワーク」の呼びかけで、111415日に開催されるWTO貿易担当相会議への抗議行動を話し合う会議が9月21日に開かれた。様々なグループから100名程が参加(456)

  


欧州社会フォーラムへの妨害

The threat over the European Social Forum

欧州社会フォーラム・イタリア(国内)調整委員会

 

私たちは欧州社会フォーラム(ESF)の開催をめぐってフローレンス市当局と話し合い、協定を結んできたが、今日いくつかの新聞に非常によくないうわさが掲載された。イタリア政府がESFの開催週にシェンゲン協定を一時凍結することを計画しているというのだ[注:シェンゲン協定:欧州域内の協定国間の出入国手続きの簡素化をめざした協定。協定国においては国内扱い。同協定の凍結は、外国からの参加者への検問に道を開く]。このことに関する公式な確認はまだ取れていない。私たちはこれが現実になる前に止めるため強力なキャンペーンを開始する。

今日、私たちは(抗議の意思を表す)象徴的アクションとして、フロレンスの各自治体代表との会合を中断し、どのようなシナリオが描かれているのかを私たちが知らないまま技術的な細目に関わる交渉には入れないと説明した。議会ではいくつかの政党の議員が公式に政府の回答を求めた。私たちは欧州議会レベルでのキャンペーンを組織しようとしている。フロレンスの自治体にはこの決定に対して明確に反対するよう求めた。これは実現しそうだ。今日記者会見も持った。明日から記者に向けたキャンペーンを続ける。フロレンスの市民に向けたキャンペーンも行う。皆さんの支えが必要だ!あなたの国で記者発表を行いイタリア政府にこの決定を下さないよう求めてほしい。イタリア大使館を通して同政府に公式な声明を送ってほしい。また大使館前で抗議行動を組織してほしい。学者、政治家、著名な人々に反対声明を書いてもらってほしい。全ての国際ネットワークと連合から声明を送ってほしい。これらの声明の内容をメーリングリストに流してほしい。この決定を止めることができると信じているが残された時間は少ない。今週末には公式決定が下されるという。すぐ行動してほしい。私たちの権利を共に守ろう!市民参加のない欧州は民主主義のない欧州と同じだ。

 


WTOあれこれ

WTO Tidbits

By ATTAC「国際協定に関するワークグループ」(マルセイユ)

(1)ケアンズ・グループの「見返りなしの農業の完全自由化」という要求は交渉を頓挫させる:92425日の話合いで国際レベルでの農業補助金システムの未来が議論された。「農業の多面的機能」を主張するEU、日本、スイスは、生産制限を伴う補助金が維持されほとんど貿易を歪曲しない補助金がより柔軟にならない限り、補助金の縮小をこれ以上交渉しない立場を維持。彼らが更なる農業の自由化を受け入れるためには、他のメンバーは農業、表示、予防原則、産地表示に関する交渉を行う姿勢を見せる必要がある。ドーハでは貿易の歪曲効果を持つ補助金を縮小するべきだとされただけだった。これらの完全な廃止は彼らが改革を続けるには急激すぎる。ノルウェーは輸出製品と国内市場に対する別々のレートを提案しつづけている。

(2)1000万人のブラジル人がFTAAに反対票を投じた:60団体が主催した非公式の国民投票では、1010万人の参加者のうち98%の人がブラジルがFTAA(米州自由貿易圏)に署名することに反対した。96%がこの交渉から撤退するべきだと考えている。繊維産業は米国と南米の市場の多くを期待してFTAAを支持している。

(3)公共市場に関する欧州の法律がWTOでの欧州の立場に影響を与える?:欧州裁判所は公共市場の規制緩和を考える際、社会・環境基準を考慮することができると判断した。この決定によって、契約業者を選ぶ基準が経営当局の経済的利益に偏っていた欧州委員会の方法より柔軟な方法が可能になった。この決定がEUWTOでの立場にどう影響するだろう。WTOEUは、契約業者選定の原則は経済的要素だとしてきた。欧州裁判所での決定により他の国が欧州市場にアクセスしにくくなる可能性がある。

(4)ブラジルが砂糖についてEUを、綿について米国を抗議する:▼これに関してブラジルはオーストラリアの支持を得た。西アフリカからも得るかもしれない。抗議は欧州の砂糖への補助金に対して。国内用の生産割当量を上回る国内市場で売ってはいけない分への輸出補助金だ。ブラジルによるとこの輸出補助金のために砂糖が生産コスト以下の価格で国際市場に売られている。特にブラジルはACP(アフリカ、カリブ海、太平洋の第三世界からなる経済機構)各国から特恵的な価格で輸入され補助を受けた価格で再輸出される160万トンの砂糖に焦点を当てている。EUの農業交渉担当者はブラジルが「交渉に暗い陰を落し立場を極端にしている」と述べ、途上国をブラジルとケアンズグループ、ACP国に分断しようとした。▼ブラジルは米国に対して、米国の綿生産者への補助金を抗議。同補助金が世界価格を下げていると主張。協定に準拠した補助金がDSB(紛争解決機関)で違法だと訴えられるのを防ぐ農業協定下の「平和協定」の陰に、米国は隠れきれないと主張した。この協定で許される範囲は、補助金が1992年レベルを上回らない場合だけ。ブラジルは、米国の補助金は1992年レベルから2倍になったという。そうするうちに、オックスファムが「貧困の耕作:米国の綿補助がアフリカに与える影響」という報告書を発行。これがアフリカの国々に米国の補助金を攻撃する勇気を与え、市民社会と政府にアフリカの生産者が直面する危機に気づかせた。DSBパネルに苦情を訴える前の最初のステップである協議で双方が納得できる合意に達することはなさそうだ。

(5)アルゼンチンワインの欧州への輸入制限:アルゼンチンは欧州のワイン輸入制限に抗議し始めた。欧州理事会と欧州委員会は裏書きされたワイン生産者と欧州・他国間のワイン貿易のルールを決めている。アルゼンチンはこれらのルールが必要以上に厳しく貿易障害となり、WTOTOTに反しているという。またEUは二国間協定で相手国によってワインの酸化に関する国際的義務を無視したりしなかったりしたという。

(6)世界銀行は産業国を責めることで自分を正当化:世界銀行は929日の年次総会で内外からの批判を受けて、米国や他の産業国が特に農業と繊維において保護主義的政策を採り途上国に自由化を処方していることを偽善だと非難した。同時に、UNCTAD(国連貿易開発会議)による報告書、「アフリカでの経済開発:調整から貧困削減へ。どこが新しい?」では、IMF(国際通貨基金)と世界銀行が採用した構造調整政策を使ったアフリカでの貧困削減の方法が批判された。「貧困を削減しアフリカの社会的ニーズを提供する代わりに、この方法は認識された間違いを直さないままIMFと世界銀行の古い新自由主義的な政策に新しい要素を加えただけだ。」報告書を読みたい方は、www.unctad.org/en/pub/pogdsafricad2.en.htm

【この記事に関する問合せ:omc.marseille@attac.org

 


労働組合の横の連帯がカリフォルニア大学事務職員のストライキの士気を高めた

Cross-Union Solidarity Boosts University of California Clerical Workers on Strike

By Michael-David Sasson and Margy Wilkinson

 

シスター・スレッジの「ウイ・アー・ファミリー」やアリサ・フランクリンの「リスペクト」が拡声器から流れ、ストライキ中の1000人の事務職員が、オークランド警察の規制を無視して、4車線の市道いっぱいに広がって踊った。これらの歌は、私たちが私たち自身や他のカリフォルニア大学職員、学生、そしてこの国内最大の公立大学の経営者に教えた教訓をもう一度復習するためにぴったりの歌だった。

82628日のカリフォルニア大学バークレー校と同大学の学長室での不当労働行為に対するストライキは、かつてないレベルでの労働組合の横断的な連帯を得た。大学ではさまざまな従業員がさまざまな組合に組織されているため、こうした組合横断的な支持は非常に重要だった。

大学職員連合(CUE)は同大学の経営陣がCUEとの2度目の協約をめぐって不誠実な態度を示したことに抗議して、秋期最初の3日間、ストライキを行った。このストライキは文字通り組合員自身が組織したもので、それを通じて事務職員は自信と新しい能力を獲得した。コミュニティ、政治、宗教リーダーたちの支持も得た。CUE18000人の労働者を代表する独立組合[AFL-CIOに加盟していない]CUEのメンバーの大多数は女性と有色人種。ストライキ委員会は少なくともあと4ヵ所でのストを組織している。

 

■労働組合の横の連帯:私たちはストライキ投票の実施を決定した5月の会議で、カリフォルニア看護士連盟(CNA)の看護士たちを支援することを約束した(CNAAFL-CIOに加盟していない独立労組である)CUEの組合員は、CNAが計画していた1日ストに協力することを約束したのである(CNAのストライキはその後、協約が合意されたため中止された)。CNAはこの返礼として、私たちのストに対して連帯ストを行うと発表した。

CUE1995年に結成され、1997年にAFSCME(アメリカ地方公務員組合)に代ってカリフォルニア大学の事務職員を代表することとなった。しかしAFSCMEは現在でも、同大学の事務職以外の職員を代表している。そうした事情にも関わらず、AFSCMEの組合員の多くがピケに加わってくれた。AFSCMEは協約で「ストライキをしない」と誓約しているにも関わらず、組合員が休憩時間や交替時間にピケットに参加することをよびかけたのである。

UAW(全米自動車労組)に加盟している大学院生研修教官たちも「ストライキをしない」という協約にもかかわらず、ピケットに参加し、電話でピケットへの参加を呼びかけた。専門・技術労働者組合(UPTE/CWA)はメンバーにストを知らせ、支持を促した。

民間下請け業者に雇用されている清掃労働者たち--SEIU(サービス従業員組合)第1877支部に加盟している--HERE(ホテル・レストラン労組)2850支部、EBASE(組合を支援する地域組織)は、早朝のピケに参加してくれた。

 

■教師とパートナー

AFT(アメリカ教員連盟)に加盟している教員たちが、私たちのストの最大のパートナーだ。3日間の抗議行動の最初の2日間、彼らは講義でストの意味について議論し、3日目に何百もの講義をキャンセルしてメンバーはピケに加わった。このことは、学生労働行動連合の支持も受け、学生の同調を得るカギとなった。AFTはストの認可をアラミダ地方労働者協議会に申請することに成功した意味でも重要だった。AFL-CIOはスト認可をその支部にしか与えないし、原則としてピケを張らない労働者たちが参加する決心をするために正式なスト認可は重要だった。

■さらなるストライキ

CUEメンバーはカリフォルニア大学の他の45ヵ所のキャンパスでも、AFTUPTE-CWAと共に2日間のストを行いそうだ。AFSCMEは契約のないサンタクルズのキャンパスでのストを考慮している。CANUAWはバークレーで事務職員が得た連帯と同様のレベルの連帯を州各地のストが得られる可能性を示唆している。この事務職員が主導した最初のストは、大学のような公共の雇用者が労働者と学生に対する責任を持つようにするための、一般組合員が主導する運動を作る道を示してくれた。「私たちの労働条件はあなたたちの学び舎の条件だ」というのは、学生に対するスローガンだ。

Michael-David Sassonはカリフォルニア大学バークレーのコンピュータ科学科で働きCUEローカル3の代表。Margy Wilkinsonは州のCUEの交渉担当者。このレポートは「レイバーノーツ」誌に掲載された。】

 


WTOカンクン閣僚会議の準備:「ドーハの成功」をもう一度

Laying the Groundwork for Cancun: Another Doha Success

Aileen Kwa(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス)

 

■熱は冷めず:カンクンWTO閣僚会議は12カ月後だが、WTOに影響力を持つメンバーはドーハを「成功」させた要素の組み合わせが再現されるよう動きだしている。ドーハでは少数の分野での交渉が開始されたが、カンクンではラウンド全てが開始され、特に農業・サービスなどの重要な分野の更なる自由化が裏書きされる可能性がある。カンクンでは投資、競争政策、政府調達の透明性に関する交渉を開始すべきか否かの加盟国による同意が必要となる。長期の不景気に悩む産業国には関心が高いところ。カンクンでWTOの勢いをつけたがっている。途上国にとっては、新協定による農業とサービスの自由化とWTO拡大は経済的に彼らの首を更に絞めることになる。

■ドーハを「成功」させた要素の組み合わせを再現:ドーハをEUと米国にとって成功させた、主要な権力者が作った要素の組み合せは以下のとおり。▼一般理事会の議長としてのハービンソン大使がコンセンサスがないのにあるように見せかけた文章を作った▼大多数の国を排除した23カ国程による一連のミニ閣僚会議とグリーンルーム会議▼「柔軟性」つまりコンセンサスを創作するために手続き上のルールを破る▼911後の脅し「私たちの味方か敵か」を含む時と場所を見はからった二国間圧力▼途上国の連合を分離してインドなどの「頑固者」を孤立させる。カンクンに向けてこれら組み合わせの再現が行なわれている。

■ハービンソン:元香港大使のスチュアート・ハービンソンが今年の農業委員会の議長に選ばれたがいまだ香港を代表している。910日には新事務局長のスパチャイの閣議上官となった。途上国は彼が事務局に席を置きつつ農業の議長を続けることに反対した。途上国は二国間圧力を受けるし、孤立させられるからだ。ハービンソンの下では途上国は大きな価格を払わされ何も受け取ることができない。

■ミニ閣僚会議:主要な権力者たちはジュネーブでのプロセスが成果を上げていないことを知りドーハ前に2つのミニ閣僚会議を開いた。ミニ閣僚会議は横で二国間の取引きをしながら中心的グループ国の閣僚の意思統一をするのに役立つ。閣僚会議中も彼らはグリーンルームに呼ばれパッケージが作られる。排除された国は無視される。できたパッケージは大多数の他の国々に、それに逆らう国は代償を支払うという脅しとともに提示される。ドーハ後、ジンバブエ大使のBonifaceChiduyausikuは「途上国がジュネーブのプロセスに対処する力をつけたため、主要国はこのプロセスを打破できないと気づき、小グループのメンバーで会議を始めた」と話す。8月に開催されたメキシコの会議以後、人々は違った見方を始めた。メキシコ会議も小グループだった。次はシンガポールの会議だった。事務局長はこれがWTO会議ではないと言ったが事務局長も一般理事会の議長も出席した。シンガポールで露見したことはドーハで合意されたことに非常に近かった。

■シドニーのミニ閣僚会議:111415日にシドニーでミニ閣僚会議が計画されており、23カ国だけが招待されている。インドのような「耳触りな」声も含まれる。主要権力の影響下にありアフリカグループ連合を壊すよう仕込まれてきたアフリカの国の代表もいる。23カ国はいつものグリーンルームの25カ国程の参加者とそう変わらないが、いくつかの変化がある。例えば911以降役割を弱められたパキスタンが招待されていない。

■戦略的位置にいる途上国との二国間取引きのための基礎作り:ドーハでは、アフリカグループ(ナイジェリア)と最貧困国(LDC)(タンザニア)がグリーンルーム会議に呼ばれ、圧力をかけられ、閣僚会議で交渉の立場を崩された。シドニーに招待されているリストの中の南アフリカとエジプトは米国とEUに協調している。ケニアとナイジェリアも米国によく言い寄られている。ドーハではケニアがACP国を主導しており同国のBiwott大臣が強力メンバーに操作されてACPの権利放棄をした。現在ケニアはWTOでアフリカグループを主導しているが強いリーダーシップを発揮していない。カンクンではアフリカグループをケニアかナイジェリアが主導する可能性が高いため、シドニーではすでに主要国が同国閣僚と理解を深め交渉を始めるのだろう。LDCではレソトとセネガルが招待されており、レソトはすでに南アの影響を受けた行動を取っている。中国以外の招待された国はこのミニ閣僚会議に参加するとしている。インドはこんな排他的会議はあるべきでないが開催される限り参加したほうがいいとのこと。

■農業が中心的課題に:シドニーでの公式議題はまだないがおそらく農業が中心的課題だろう。同会議の1ヵ月後にはハービンソンが新農業協定の草案を発表する。農業交渉の主要国(米国、EU、オーストラリア)は合意に至る必要があるが、その前にオーストラリアと米国はケアンズグループの亀裂を修繕し、インドネシアなどの国を交渉の場に残るよう買収するか脅す必要がある。またインドやアフリカの代表らに自分たちの立場を売り込む必要がある。また関税削減や国内産業支援の削減などEUとケアンズ・グループの立場には非常に深い溝がある。様々なパッケージ取引きがEUとケアンズグループ各国で必要になる。

■手続き上のルールは全て破れ!プロセスに「柔軟性」を:手続き上のルール破りはドーハの結果を導いた主要な要素だ。手順のあいまいさは産業国が彼らの利害に合わせて交渉プロセスを操作することを可能にした。また「ラウンドの友」の議長を選んだり20カ国程のグリーンルーム会議を夜中開催して途上国の意見を無視したりくつがえすことを可能にした。

■同じ意見を持つグループ(LMG)の提案:ドーハプロセスがあまりにひどかったため、インド率いる途上国15カ国は4月に適当なプロセスを提案する文書を一般理事会に提出。ジュネーブの準備プロセスについて:(a)協議は透明で議論の余地を残す(b)閣僚宣言草案は同意に基づくべき。無理な場合その違いを全部適切に表現する。メンバーの大多数がある議題を宣言に入れるのに強く反対したら入れるべきでない(c)閣僚宣言草案は一般理事会によってのみ同意され閣僚会議に提出されるべき(d)議長は全てのメンバー間の協議を通した準備プロセスでの同意により決めるべき(e)議長による協議は最終決定しない会議のみにするべき。議長は反対者・賛成者の会議を招集できその他のメンバーもその会議に参加できるべき。会議の時間は少なくとも開始数時間前に発表されるべき(f)全ての交渉内容・決定草案は最終決定しない会議でのみ提示されるべき(g)新草案はメンバーが考える時間を充分取れるよう全てのメンバーにかなり事前に回覧するべき。――こんな納得のいく提案が6月にいくつかの国の激しい反対に合った。

■オーストラリアによるプロセスの提案:8カ国のグループが自分たちのプロセスを提案した文書でこれに応え、LMGの文書に反対して「加盟国が主導する組織ではプロセスは柔軟性を持たせる必要がある。準備プロセスの処方箋的で詳細なアプローチはカンクン会議で同意に達する最適の状況を作らない」という立場を示した。ルール破りは「同意」を達成するためにも許される。「ルールに基づいた」組織が手続き上のルールを簡単に破れるとは驚きだ。LMGは手続き上の慣例を作るべきだと要求し、一般理事会の議長は8月の休み以降に協議すると約束したが、休みが明けて1ヵ月も経つのに協議はない。ドーハ後、途上国大使の一人は説明した。「プロセスの非公式性は舞台裏での協議と議論を意味し、強力な国が最大の影響力を持つ。決着のついた取引きとして提出された決定に異議を唱える国はほとんどいない」

■二国間圧力:ドーハも首都での二国間圧力なしには「成功」しなかった。

欧州委員(貿易政策担当)のパスカル・ラミー、米通商代表のロバート・ゾーリック、当時事務局長マイク・ムーア、様々な米国貿易担当高官、各国の首都にいる米大使らは、戦略的に重要な世界の途上国の閣僚に圧力をかけた。二国間圧力は閣僚会議中も集中的だった。今回も同様に、例えば途上国にいる米使節らは途上国高官にその農業ポジションを売り込んだ。その影響でジュネーブでの交渉では途上国の取っていた立場が攻撃され崩されている。例えばエルサルバドルは他国と連合してその農業セクターを保護する立場だったのに、9月には劇的な関税削減を求める米国の立場を支持した。ドーハ前には、主要国に反対の意見を主張するジュネーブの大使に関してはそのボス(その国の閣僚・首脳)に圧力がかかった。今年も同様の圧力がかかり、LMGで活発な役割を果たしたドミニカ共和国の大使は解雇されたし、よく主張するパキスタン大使はニューヨークに送られた。

■途上国の連合を壊す:分離して支配する戦略もドーハの「成功」に重要な要素だ。同様の戦略が特にLMGとアフリカグループに対して使われている。一つの例がTRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)と医療問題に関するアフリカグループの立場だ。ドーハでは医療薬製造の能力に欠ける加盟国はライセンス義務を有効に使うのが難しいとし、この問題の解決策は2002年終わりの一般理事会で報告される。アフリカグループは公共の健康危機に対処する最良の方法のために様々な要素を求める立場だ。特許で守られた権利に対する例外に関する条項30が不十分、ライセンス義務に関する条項31の改定が不十分との立場だ。EUは条項31は改定されるべきだが、閣僚レベルで改定が合意されるまでは権利放棄を許すべきとの立場だ。これに対しアフリカグループはこれら全ての方策の受け入れを求め、権利放棄は暫定措置であり最終的な解決策とすべきでないとしている。しかしレソトは前回のTRIPS理事会会議で権利放棄で充分だと提案した。影響力のある国に足並みを揃えるレソトがシドニー会議に招待されたことはアフリカグループやLDC連合にとっていいニュースではない。

■短期的いたみか長期的喪失か:これら要素の組み合わせにより、途上国は自分たちの利益に反したアジェンダに反対するのが難しくなる。WTO交渉で反対すれば、深刻なとがめを受ける可能性が高まる。南の国の政府の前にある状況と選択肢は危うい。彼らは短期的いたみを避けるために長期にわたる破壊的喪失に同意する可能性が高い。特に911以降の政治的雲行きにより南の政府は急激に立場が悪くなっている。グループが農業とサービス分野の自由化をこれ以上許さない、投資に関する新協定を許さない、などの立場を確保する政治的圧力を国レベルで充分発揮できなければ、私たちはカンクンでの失敗を正すために今後20年間を費やすことになるだろう。

【この記事に関する問合せ:Nicola Bullard N.Bullard@focusweb.org フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス c/o CUSRI, Chulalongkorn University, Bangkok 10330 Thailand Tel:662 218 7363/7364/7365/7383 Fax: 662 225 9976 URL:

www.focusweb.org

 


11/1415 WTO「ミニ閣僚会議」(シドニー)反対の行動

Activists plan to shut down the WTO meeting

by Marina Carman David Mills

「ノーWTOネットワーク」の呼びかけで、111415日に開催されるWTO貿易担当相会議(「ミニ閣僚会議」)への抗議行動を話し合う会議が9月21日に開かれた。様々なグループから100名程が参加。少数の貿易担当相のグループが世界中の何百万もの命を破壊している国際自由貿易アジェンダをさらに進めるために話し合う。活動家の「スポークス協議会」は多くのアクションを賛同する。1114日、ハイドパークでオーストラリアフェアトレード・投資ネットワーク主催の「団結マーチ」がある。この中には、世界の政治経済的リーダーは戦争で自分たちの思惑を推進するとして、米国の対イラク戦争に反対する一団もある。1113日には「人々の自由運動」がシドニー市役所である。その他教育などに関する行動が計画されている。報道陣、医療関係者、法律関係者らも参加する。協議会はまたWTO会議を中止させるという目標に賛同する。オプションとして、会議場所が発表されない場合、別の場所を封鎖するか、2日目から会場を封鎖することも検討されている。確実ではないが会議場所はダブルベイのスタンフォードプラザホテルとのこと。924日、ニューサウスウェールズ州(NSW)警察大臣は連邦政府に多くの抗議団体のウェブサイトを「WTO会議の安全を提供するNSW警察に対する暴力をもくろんでいる」として閉じるよう要求したと発表。WTO抗議行動には弁護士・観察者らも参加し、警察の違法行動が起きた場合その証拠を記録することになっている。

[詳細はhttp://nowto.cat.org.au/