ATTACニュースレター日本版2002年第35

Sand in the wheels

Weekly newsletter - n°144 – Wednesday 11 September 2002.

 

脅威と希望

THREATS AND HOPES

 

「サンドインザホイール」(週刊)

2002911日号(通巻144)号

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目次

1- 世界の同情を反感に変える方法How to Squander Moral Capital

911の攻撃の後、世界はアメリカへの同情と連帯を表明した。それから1年、ブッシュ政権の非条理と傲慢は反米主義に新しい活気を注いでしまった(826)

2- 多国籍企業は責任を負わないImpunity for Multinationals

多国籍企業はヨハネスブルグでの地球サミットで大きな存在感を示した。彼らがサミットの主要なスポンサーであり、彼らは生態学的、経済的、社会的に存続可能な地球のために貢献したいという希望を繰り返し表明し、会議やインタビューや現地視察を行った。この新しい南アフリカ民主主義(アパルトヘイト体制から最も攻撃的な自由主義体制へ急激に移行した)の中で、多国籍企業は地球サミットのいたるところで-学校や診療所、新しいビジネス・センター、文化センターにまで-自分たちのスローガンを飾り立てた(「この学校はコカコーラの援助を受けています」等々)。どの公共の場も聖域ではない(1195)

3- 銀行労組がトービン税を要求Banking trade unions call for the Tobin Tax

UNI(ユニオン・ネットワーク・インターナショナル)の銀行・保険労働組合世界会議で、フランスCFDT傘下の銀行労働者連合のBernard Dufil書記長が提案したトービン税導入に関する決議が採択された。この会議は43カ国、77の組合が参加した。さあ次はすべての銀行部門労働者の間でこの税についての学習と動員を強化することだ。この課題は、UNIが10月12日に呼びかけている世界的なキャンペーンにかかっている(855)

UNI・金融産業は10月12日を「トービン税アクション・デー」として世界的な行動を呼びかけている。詳しくはUNIのウェブhttp://www.union-network.org/をご覧下さい(英語)

4- トービン税がいっそう現実的にThe Tobin tax has just moved a major step closer

CLS銀行(外為決済を専門とする銀行)の設立によってトービン税は実現に大きく近づいた。CLSは、外国為替機関がこの膨大な取引に関連するデフォルト(支払不能)のリスクをなくすために、ビジネスの方法を大幅に変更したことを意味する(896)

5- 国家の暴力についての13の調査報告13 Investigation Cases Against State Violence

ジェノバG8サミットにおける流血の市街戦の法律上の結末が明らかになった。残忍な組織的暴力を正当化するために、イタリアの「法と秩序の番人」たちは嘘をつき、デッチ上げを行った(1910)

6- ブッシュが西海岸港湾労働者のスト権剥奪を示唆Bush Threatens West Coast Dockers’ Right to Strike

西海岸の港湾における労使対立は、ブッシュ政権の下での組合運動の帰趨を決定する闘争となるかもしれない。伝統的な団体交渉上の問題よりも、もっと基本的な問題、つまり港湾労働者にスト権があるのかどうかという問題が焦点になっている(2047)


[要約版]


世界の同情を反感に変える方法

How to Squander Moral Capital

Todd Gitlin

最近のアルゼンチンへの大規模な銀行ローン以来、信用がこれほど急激に浪費されたことはない。ブッシュ政権は1年足らずの間に、9・11の大量殺人の後にアメリカに集まった国際的な同情を浪費し尽くしてしまった。

ブッシュ政権は昨年の9月の時点で、国際的な怒りを買っていた。京都議定書や国際細菌兵器条約の拒否、国際犯罪裁判所への嫌悪と対弾道ミサイル条約の後退などの身勝手な政策は傲慢者と呼ぶにふさわしい。

オサマ・ビン・ラデンが一発でアンチ・アメリカンを悪者にした。今日、アンチ・アメリカンは陰に隠れ、良識は消え去った。

この影響はいたるところで見られる。アメリカによる攻撃で犠牲者の数が9.11の犠牲者を上回るかもしれないアフガニスタンでは、アメリカの言う民主主義や永続的平和は冗談でしかない。中東では、ブッシュはシャロンと密接に提携している。対イラク政策ではブッシュ政権は、不運にも、協力する同盟国がない。

最近までブッシュとその取り巻きたちは、少なくともアメリカ国民とその代表者を脅すのに成功してきた。もうそれは、終わりである。責任感の強い共和党のBrent Scowcroftは当然の疑問を投げかける。「世界中の誰も納得でき、理に適っていないやけくそな戦争を誰が支持するであろうか?」

ソフトな反アメリカ感情が、12カ月に及ぶワシントンの非条理で傲慢なやり方によって、呼び起こされている。




多国籍企業は責任を負わない

Impunity for Multinationals

Anne Marchand

 

ヨハネスバーグで行われた地球サミットで多国籍企業はその存在感を際立たせた。それらはこのサミットの主要なスポンサーであり、彼らの生態系、経済、社会的に実行可能な地球というものに対する欲求は容赦なく、会議の開催、インタビュー、現地視察と意欲を見せた。アパルトヘイト体制から攻撃的自由主義への移行なしで実現していく南アフリカの民主主義の中で完全に姿を現した多国籍企業はサミットや学校で、「この学校はコカコーラ社の協力によって建てられています。」等と、彼らのスローガンを美化している。まったく公共物に聖域はない状態である。

企業の社会や環境に対する責任に規制はない。多国籍企業の悪行によって、労働条件や環境といった面にますます悪影響を及ぼしているのである。少なくとも地球上で4分の1の経済活動は、自分の株主以外に対して責任を負わない200の無責任な企業によって行われている。しかし、彼らが活動を行う地域の人々の生活はどうだろう?どのような話し合いがもたれているのか?どこの裁判所に不満を訴えればいいのか?多国籍企業の活動は多くの場合、免責が保証されている。

 

環境汚染は「南」諸国へ

「グラウンドワーク」(「地球の友」に参加しているNGOの1つ)のイニシアチブで、マレーシア、アメリカ、モザンビーク、南アフリカの人たちが、多国籍企業による生活の圧迫について証言するためにやってきた。例えば、南アフリカの町に投棄される廃棄物についてである。この町は知らないうちに大量の有毒廃棄物を受け入れていた。そこにすむ人々の安全や福祉は無視されていた。特に子供たちは有毒物質や使用済み注射器にさらされていた。この企業のサミットにおいての反応は、その危険性を否定するばかりであった。

南アフリカのSosoburgではTotal社、Elf社、Fina社の問題が浮き彫りとなった。南アフリカのガソリンは炭素がベースとなっており、この種の燃料は深刻な汚染を引き起こす。これに頼る理由は、アパルトヘイト政権が制裁を受けていたために独自の燃料を作らざるえなかったことだ。ANCが政権を握る前の10年間燃料の生産は続けられ、住民や環境に影響を及ぼし続けている。そして、当初の会社寮は精油所からほんの50メートルしか離れていなかったので、有毒物質に常にさらされ、一面精油所によって汚染された雲で覆われていた。皮膚や呼吸器に疾患を受けるようになった末に、Sasoburgの住民たちは企業に立ち向かった。Sosoburgの住民は「バケツ部隊」を作った。それは、このために作られたバケツを使い大気のサンプルを収集し分析するものだった。大気からはベンゼンや有毒物質が検出された。Sosoburgの人々はことが風化しないように力を注いでいる。彼ら・彼女らは国際的に訴えて多国籍企業が南に与える影響に責任を取るように望んでいる。

 

連帯の重要性

Laura Morsoiniは指摘する。「今では、ダブルスタンダードはありえることである。国や地域によってルールに違いがある。これらの企業が同じような活動をすれば、その分野において国際的なルール作りが当然ではないだろうか。」北をクリーンに保ち南を汚す多国籍企業の活動を止める手だてはない。どうすれば、このようなダブルスタンダードをなくせるのだろうか?

彼女はまた、「多国籍企業の収支がその国家のGDPを上回る時、力関係はどうなるだろう?」と続ける。「国家がその力を企業に徐々に譲り渡すのを見るのは、恐い思いである。」ヨーロッパやフランスは発展途上国(”グループ77”と呼ばれる。実際には133カ国が参加している)から提案された国際的枠組みと多国籍企業の責任を盛り込んだ案を拒否したのだ。

しかし一方で良いニュースもある。3月以来カメルーンの農家7人は「地球の友」とThe Sherpa Associationの協力により、フランスのRougier Groupとフランスにあるそのカメルーンの子会社SFIDを訴えた。SFIDは不正に森林資源をむさぼり人々に悪影響を与えた。という訴えである。




銀行労組がトービン税を要求

Banking trade unions call for the Tobin Tax UNI(ユニオンネット・インターナショナル)

 

通貨取引への国際的課税のための決議

UNI-金融産業

20028月、ブラジル・リオデジャネイロにて

http://www.union-network.org/unisite/sectors/finance/meetings/rio2002/resolutiontobin-e.pdf

1.   国内経済だけでなく世界経済全体が通貨の投機熱によりがんじがらめとなっている。

2. 2001年4月に国際決済銀行(BIS)によって行われた調査によると、全世界の一日の金融取引量はおよそ12億ドルにも及ぶ。総計3870億ドルが短期取引である。ほとんどの短期取引は投機的なものである。BISによると、80%の金融取引が7日以内の「アウト・アンド・バック」である。そして40%以上は2日以内の取引である。それらの目的は各国のわずかな金利差や通貨レートのわずかな変動から利益を上げることである。

3. 巨額の資金が最短時間に最高の収益をねらい世界中を駆け巡っている。しかし、その危険は大きい。

4. 不安定な為替レートは、組合の団体交渉に悪影響を及ぼす。綿密に計算された取り決めは突然の為替変動の落ち込みなどでその国にダメージを与えかねない。

5. メキシコ、アジア、ロシア、そして現在アルゼンチンで起きている金融危機は経済的、社会的崩壊を招く。これらの危機は脆弱な経済から強いところに広がる傾向がある。それは経済的問題をかかえるこれらの国々が緊密につながっているからである。経済危機は政府や中央銀行が出す迅速な処方箋によって押さえられるかもしれない。しかし、失業につながるような経済を失速させるような方策は経済的、社会的ダメージを引き起こすことになる。

6. ジェームズ・トービンは適切な税の提案をしている。これは瞬間に行われる取引に0.1%の課税をするもので、それによって投機的な取り引きを抑え、そうすることにより、為替の変動を抑制するものである。このような課税は中央銀行や各国政府の経済金融政策を向上し雇用の創出や技術革新、労働者の訓練に役立つであろう。そしてまたこの税収を現在の世界的問題、貧困などの対策に利用できるであろう。しかし、基本的には投機的取引きを抑えることが目的であって、歳入を増やすことではない。

7. 国際的労働組合はトービン税の導入を求めてきた。これですべての問題が解決できるわけではないが、金融市場を安定させる為の一つの手段になりうる。これによって、安定した成長が期待でき雇用の安定が図られるだろう。

8. UNI-Financeは国際的金融機関や団体の枠組みの中で市場の世界的規制と運営を求めている。その目的は投資をしやすくし長期的な生産を促す為に金融市場を規制することである。




トービン税がいっそう現実的に

The Tobin tax has just moved a major step closer

By David Hillman

 

CLS銀行(外為決済を専門とする銀行)の設立によってトービン税は実現に大きく近づいた。CLSは、外国為替機関がこの膨大な取引に関連するデフォルト(支払不能)のリスクをなくすために、ビジネスの方法を大幅に変更したことを意味する。これまでの為替取引では、2つの支払いが異なるシステム、異なったタイムゾーンで行われてきた。

銀行が取引の安全を大幅に向上するために新しい決済システムを望む一方で、この革新的な支払システムはトービン税を実現可能なものとする。トービン税は理想的アイデアから現実的なものとなった。

 

「最初の決済銀行が営業開始-支払停止を回避するため」(9月9日、ロンドン発ロイター通信)

世界初の取り引き決算銀行が金融システムを危機に陥れた9.11から一年たったこの月曜日開始された。・・・

CLSHerstatt リスクを取り除く目的で始まった。銀行の相次ぐ破綻で未払いの取り引きが重なりアメリカの支払システムを数日止めてしまった。CLS66からなる巨大銀行で支えられているが、当初技術的トラブルや運営面での問題も持ちあがった。今週は39銀行で運用が始まる。・・・

国際金融取引では国内の支払システムに対して独特のリスクを持つこととなる。それは、タイムゾーンの違いから決算に2営業日かかるためである。この期間、銀行は彼らが決算した通貨で支払う為のリスクがある。CLSはこれらのリスクに対抗する為の中央集権化された初めてのグローバルシステムである。2日かかる決算を5時間で行えるようになる。そして同時にお互いの決算が可能となる。・・・




国家の暴力についての13の調査報告

13 Investigation Cases Against State Violence

Hans Juergen Schlamp

 

昨年イタリア・ジェノバで行われたG8サミットは行き過ぎた力の行使による市街戦で締めくくられた。G8諸国の政策に反対するデモは300,000人にものぼり、400人以上が逮捕され、600人が負傷、一人が銃弾に倒れるという惨事となった。

現在までに13のケースについて調査が行われている。国会や内務省による調査は、あらかじめ決められた筋書き(「いくつかの個人的な判断の誤りを除いて警備に問題はなかった」)に従って行われている。

しかし、検察は警察やデモ隊を尋問し、写真、ビデオを調査、このデモについて行われた調査のほとんどを白紙に戻した。・・・国際記者会見で当局は興味深い証拠を提示した。それによると、暴動を引き起こした者たちは学校内でつるはしや金属パイプで武装、火炎瓶を用意していた。

当局の調査は検察によって覆された。警察当局によって提示された証拠は丁稚上げだった。投石も警察の取り締まりが始まった後だった。火炎瓶は警察主任のBariが自分で潅木に隠しておいたものだった。つるはしや金属パイプはデモ隊のものではなく、学校改築の為にもともとあった工具であった。17人の負傷したとされていた警察官たちはその後尋問に応じなかった。二人は自ら負傷したという。

唯一警察官のMasssimo Muceraだけは自分の主張を通した。彼は学校でナイフを持った男に襲われ、「防弾チョッキに助けられた」と主張。制服の切り傷もテレビに乗せられた。

しかし、検察は彼の話の信憑性に疑問を投げかける。制服の傷は取り締まりの時に出来たもので、ジャケットは地上かテーブルにの上に置かれていたに違いないと言う見解を示した。

警察官は理由もないのに平和的に訴えるデモ隊に対し暴力を働いた。一般の通行人までが催涙弾で撃たれた。学校だけではなく通りでも蛮行が行われた。

どのようなデモにも参加するブラック・ブロックという国際的なグループがある。かれらはディスプレー・ウインドーを壊したり銀行や商店、車を襲うなどの蛮行を働いた。しかし、おかしなことにブラック・ブロックのメンバーは一人も逮捕されていない。・・・

「法と秩序の番人」は悪党が退散してから、弾圧にかかる。警察当局は催涙弾を残りのデモ隊に向かって撃ったのだ。・・・

犠牲者である23歳のCarlo Giulaniの死についても疑問が残る。Piazza Alimondaで彼は消化器を見つけそれを警察車両の壊れたリア・ウインドーに投げつけた。20歳の騎銃兵の Mario Piacanicaはその瞬間に引き金を引いた。恐怖による正当防衛と主張している。しかし、その後の調査でいろいろな矛盾が浮かび上がった。この若い騎銃兵は二発撃ったと報告しているが、二つのカートリッジが見つかった。しかも、そのうちの一つはこの若い警察官の武器には合わなかった。第二の狙撃者がいるのか?そしてビデオではGiulianiが最低でも3メートルから4メートル車の後方に写っている。どこから消化器は出てきたのか?警察車両のものか?どのように車両のリア・ウインドーが壊されたのか?内側からか、外側からか?そして、どうして、どの警察官も止めに入らなかったのか?調査は困難である。調査官が入るにも現場まで2日かかる。もう証拠は消されてしまっている。彼らは証拠をすでに全部消した。




ブッシュが西海岸港湾労働者のスト権剥奪を示唆

Bush Threatens West Coast Dockers’ Right to Strike

David Bacon and Freda Coodin

 

西海岸の港湾における労使対立は、ブッシュ政権の下での組合運動の帰趨を決定する闘争となるかもしれない。伝統的な団体交渉上の問題よりも、もっと基本的な問題、つまり港湾労働者にスト権があるのかどうかという問題が焦点になっている。

技術変革でコンテナ・クレーンの導入により、西海岸の雇用は100,000から現在では10,500に減った。今、港湾労働者は新しい時代を不安とともに見ている。これから数十年でウォーター・フロントは大幅にオートメーションかが進むだろう。しかし、今年の労働者交渉では技術革新の問題をかき消すような問題が出てきた。ブッシュ政権は組合活動に重大な影響を与えるようなものを用意しているようだ。

 

政府の介入

ブッシュ政権はストライキを起こさせないように、タフト・ハートレイ法を用いるかもしれない。これによって労働組合は90日間ストライキが禁止される。・・・

 

港湾の一斉ストの禁止

また、組合が西海岸全体にわたる交渉権を持っていることを不法な独占として攻撃するかもしれない。西海岸のすべての港湾は1934年の港湾ゼネスト(この闘いの中でILWUが結成された)以来、単一の協約で支配されている。この制度は均一の労働条件を義務づけるだけでなく、ストライキの時にすべての港湾を一度に閉鎖するという、組合員に強い交渉力を与えるものであった。この構造をなくすことは例えば一部の港がストライキを起こしても、船荷は他の港に移ることが出来るので、ストライキを無意味なものにする。・・・

最後に、ブッシュ政権はストライキ中の労働者に変わって海軍兵士を代替要員として使う可能性がある。

ブッシュの解決案はすべて同じ意図を持っている。ウォーターフロントのストライキを不可能にするのだ。そしてあいまいに定義された国家の安全保障というものはストライキの権利を奪う口実に使われ、さまざまな労働組合に影響を及ぼす恐れがある。

 

ブッシュ政権への企業からの圧力

交渉が始まる以前、海運会社とGapMattel、そしてHome Depotらの太平洋横断船舶に依存する大手企業は「西海岸ウォーターフロント連合」を作った。そしてブッシュ政権に近づき助けを求めた。そして政府は特別委員会を設置した。ブッシュ政権はテロとの闘いを口実に交渉の介入を正当化したが、ストライキが安全保障に関わる事実を明確に出来ないでいる。ブッシュを動かしているのは安全保障というよりも経済的な問題である。・・・しかも、労働組合はストライキをすると言っていない。メンバーはまだストライキについての決議をしていないし、それが可決するには3週間要する。さらに、ストライキになったとしても、軍事的荷物の積み下ろしは続行するだろう。

 

争点

交渉の焦点となるのは、賃金や利益ではない。それは事務職や船舶の手配を行う労働者、運転手などの労働者を組合から脱退させることである。これらの労働者は多くの港湾でその高賃金に惹かれすでにILWUに所属またはその手続きをしている。

1960年代PMAは前のILWU会長Harrry Bridgesと技術革新についての歴史的な契約を結んだ。組合は新技術を受け入れ、海運会社は組合員がその新技術を用いる仕事に就けることであった。PMA30年続いたその協定を終わらせるようだ。

港湾労働者と雇用主との交渉再開の前夜ILWUはポートランド、タコマ、シアトル、オークランド、そしてロング・ビーチでラリーを開催した。このデモにはさまざまな組合の組合員が参加これらすべての港に集まった。ロング・ビーチでは3000人、オークランドでは1250人が集まった。このプロテストでILWUは多くの労働者や団体から支持をうけた。

の交渉介入を批判した。

ILWUメンバーはロサンゼルス湾のMaersk Sealandターミナル開港の間デモをした。Maerskは世界最大の海運会社でこの新施設に10億ドルを投じている。ILWU Jim Spinosa会長は、「労働者がMaerskを建設したのであり、それは労働者そのものである。特にILWUのものだ。かれらがこの新しい施設を成功に導くのだ。」「Maerskは労働者に巨大な利益を分け与えなければならないのだ」と述べた。