ATTACニュースレター日本版2002年第33

Sand in the wheels

Weekly newsletter - n°142 – Wednesday 28 August 2002.

 

グリーンウォッシュ

(見せかけだけの「環境にやさしい」企業)

GLOBAL GREENWASH

「サンドインザホイール」(週刊)

2002828日号(通巻142)号

 

ホームへ

目次

1- 9・11以降The aftermath of September 11

私たちは、テロの温床となっている貧困や屈辱感をなくさない限りテロをなくすことはできない。9.11の衝撃にも関わらず、国際機関や各国政府はグローバルシステムの根深い矛盾に目をそむけたままである(2250)

2- 「地球の友」がヨハネスブルグ・サミットでのEUと米国の傲慢な戦術を非難FOE Condemns EU/US Bully-Boy Tactics in Jo'burg)

今日、ヨハネスブルグの会議でNGO団体は、EUと米国の交渉のための資料(部外秘)を入手した。それは、このサミットを利用して貿易の自由化と企業主導のグローバリゼーションを促進するというもので、環境やコミュニティーを保護するための強制的な法的メカニズムについては全く言及されていない(766)

3- 世界規模のグリーンウォッシュ(Global Greenwashers)

環境運動活動家や地域活動家とともに、大企業も南アフリカ・ヨハネスブルグにやってきて、サミットにおいて「地球にやさしい開発」に関する彼らの“グリーンな成長戦略”を売り込んだ。しかし、1つの有力企業の環境に関する過去の記録が何かを示唆しているとすれば、これらの提案は“グリーンウォッシュ”にすぎない(798)

4- WTOをめぐる動きWTO Tidbits)

繊維製品の貿易自由化をめぐって先進国と途上国の対立が激化している。Trips 委員会では「強制ライセンス」の扱いをめぐって対立している。途上国向け特恵待遇の問題で、途上国は一様に、進展が遅いことに不満を示している。市場アクセスおよび割り当て制をめぐっては、米国の孤立が深まっている。EUの小麦粉販売業者は、ヨーロッパにおける世論に配慮して、米国の遺伝子組み替え作物の輸入を全面的に拒否した(1240)

5- ペルー方式の民営化Privatisation Peruvian style?)

ペルーでは人口の3分の1が民営化反対の積極的な意思表示をしている。抗議行動やボイコット行動は、南部地域ほほかに、最近ではフニン、ウアンカベリカ、ピウラ、タララでも広がっている。これらの地域では人口の70%が反対している。政府の役人は民営化のプラスの効果について、情報が伝わっていないと言っている(1100)

6- FTAAは新たな併合だFTAA means annexation

ブラジルの約8000人の労働者と、アルゼンチンとウルグアイから来た同じぐらいの数の労働者たちが昨日、ウルグアイナ(ブラジル・リオグランデドスール州)で、FTAAに対する闘争をメインとする第七波の「持たざるものの行進」に参加した(675)


[要約版]


11以降

The aftermath of September 11

By René PassetATTACフランス・科学評議会の前会長

 

私たちは、テロの温床となっている貧困や屈辱感をなくさない限りテロをなくすことはできない。9.11の衝撃にも関わらず、国際機関や各国政府はグローバルシステムの根深い矛盾に目をそむけたままである。犯罪に絡む経済活動(マネーロンダリング、タックスヘイブンなど)に対する闘いは権力者の利益と共存しえない。

 

「何としてもビンラディンを捕まえる」-それが本当に大事なことなのか?

 

介入の成功をビン・ラディンの拘束と関連づけることによって米国のリーダーたちはすべたが失敗に終わるリスクを冒した。しかし陸上の戦闘の結果は明白だった。アルカイダとタリバン体制の解体、訓練施設の解体はそれなりの成果である。しかしそれがすべてだろうか? 今、状況を振り返ってみる必要がある。

本当の意味で戦争に勝利するということは、それを引き起こす原因を取り除くということである。テロリズムは、この世界の中の「奪われた人々」の貧困と屈辱感を温床としている。そして現在もその犯罪がらみのお金、マネーロンダリング、タックスヘイブンに支えられている。それらは、他の形のテロリズムにも荷担する。私たちはその存在に気づきそれを根絶しなければならない。それはシステムに支えられそのようなものとして見られる国家によるテロリズムである。権力者が賞賛を受け弱者が被害を被るのだ。

こういうことに終止符を打ったときにはじめて、テロリズムに対して勝利したと言えるのだ。私たちはその方向に向かっているのか?

 

政府や国際機関は突然、現実に屈服した。G7、米国政府、EUは、政府の介入を減らすというこれまでの政策を翻して、企業の救済(航空産業や保険会社への支援など)等の措置を取った。

 

ダーティー・マネーとの闘いはテロ関連資金の凍結に限定された。

 

G20の経済相が1116日に集まり、テロリストやその支援者が金融システムやインフォーマルな金融ネットワークを不正利用するのを防ぐための計画が採択された。銀行は疑わしい口座を報告、凍結しなければならず、それに反すると米国での活動を禁止される。それはいいことだが、本当に問題なのは、タックスヘイブンの存在であり、マネーロンダリングのシステムである。犯罪に関わるお金を根元から断たなくてはならない。それには、銀行がより情報を開示し透明性を確保、そして手形交換所でのお金のやり取りを国際的に取り締まる事が必要である。そして、法的規制がない場所での起業や取引を法的に認めさせてはならない。

 

世界の貧困への闘いは、加護を受けたもの、改宗した者に限定される。パキスタンは負債の一時免除を受けたが、完全に免除されるものはなかった。例えばアルゼンチンのように破綻のふちに追いやられた所でも構造調整政策を強制される。国際的なODA資金の増加は経済的に貧しい国の開発にとって不可欠だがそれを考える動きは全くない。例外と言えば、パキスタンに対する60億ドルの支援ぐらいである。

 

どこに言っても、現状の傾向は経済的力を抑えるのではなく、自由を制限する事である。政情不安な時代に自由制限の必要性を否定する事は扇動的に見られがちである。不安材料はヨーロッパと米国が規制を広げることである。米国で40人の議員が特別軍事裁判所(大統領令により、極秘に逮捕、起訴、裁判をして、挙句の果ては秘密裏に処刑できる)の創設に反対した。・・・西側はその軍事力にかかわらず、本当に勝たなければならない戦争に勝利できなかった。それは恐怖と暴力の根絶である。

 

テロが起こる土壌を変える事でテロを根絶する事ができるだろう。

 

微生物と象の戦い

 

軍事的な解決策が全てではない。なんと多くの勝利が平和を犠牲にする上に成り立っているだろう。戦争は微生物と象の闘いである。象に闘いを挑む時、微生物は二つの戦略を持っている。(A)不可視性:米国は大量破壊兵器から国家を守るため核の砦を作るのに躍起になっている。そこへ一部の人が、尖ったナイフだけでセキュリティーをすり抜け、人工衛星を使った最先端の技術も役に立たない。(B)逃避力:ビン・ラディンやオマル氏は2000人の兵隊と共に空気のように蒸発した。

彼らの基地を破壊し資金源を立つことは間違いなく彼らの活動能力を削ぐものである。だが、ノーム・チョムスキーが「リーダーのいない抵抗」の中で言うように「グループはお互いに知られる事がなく、行動をはじめる自由が備わっている」。こんな時国際社会は一致団結して情報交換や各国の犯罪組織の捜査など、それぞれの協力が必要なのである。そしてまずすべき事は貧困を一掃する事である。そのためには債務帳消しや、構造調整政策の中止が急務であろう。そのうえ、国際支援や競争圧力の緩和、悪のマネーロンダリング構造やテロの支援ネットワークにメスを入れることだ。そしてなにより、長期的国際機関改革が必要である。

 

9.11以来、やる気があれば各国が協力し、国際レベルで経済に政治規制をかけることはできたはずである。しかし、ほんとにそれを望んでいるのか?

 

グローバル・システムの矛盾

 

あの悲劇の後、世界が変わると考えた人がいる。ドイツの社会学者Ulrich Beck 「グローバル経済にとってのチェルノブイリ」の中で、「彼らが原子力による利益を失ったと同様私たちは新自由主義を通じて救済の約束を失った」。と振り返り、編集員のLes Echosは、「米国は今ある新世界秩序の中で自らの役割を知っている。グローバルな政府が必要なのだ。」と言う。

 

OECDはフランスなどの国を収支均衡よりも自由をとると非難する。ヨーロッパ委員会の年次報告は安定化協定の即時実施を求める。ドーハのWTO会議は何もなかったかのように従来のやり方に戻っている。軍事勝利と過ぎ去った時間は最初の決意も風化させる。混乱している中東情勢でシャロン政府が問題解決のために軍事介入することにいまやゴーサインがでている。力は憎しみを生み出し、テロは世代を超えて繰り返す。

 

しかし、たとえシステムが時の変化を嫌っても、現実に全てのものが変わってきた。9.11以前における危機的変化ははっきりとしてきた。米国は今自らが不死身でない事を知った。そして、システムの矛盾がはっきりと現れてきた。コスト削減のために安全を軽視してきた結果、多くの悲劇が起こっている。・・・現実の圧力が徐々に、これまで私たちが拒んできた変化を強制するようになることを期待する。そうでなければ同じ原因は同じことを生み出し、また新たな悲劇が起こるだろう。問題は、いつ、どこで、どのようにという事だ。

解雇された労働者が暴力的行動に訴えるケースが増えている。彼らは、有毒物質をばら撒くと脅す。また、職場は燃やされる。そして工場を吹き飛ばすと脅すものさえいる。世界の強者たちが、悪行の罰を受けないように注意することを望む。

 



「地球の友」がヨハネスブルグ・サミットでのEUと米国の傲慢な戦術を非難

FOE Condemns EU/US Bully-Boy Tactics in Jo'burg

By Friends of the Earth

 

ヨハネスブルグで行われた地球環境会議で環境NGOの「地球の友インターナショナル」はEUと米国が環境保護、貧困の緩和、持続可能な開発と言った重要課題を犠牲にして自由貿易の促進のために強硬な策を採っていると非難した。

今日、ヨハネスブルグの会議でNGO団体は、EUと米国の交渉のための資料(部外秘)を入手した。それは、このサミットを利用して貿易の自由化と企業主導のグローバリゼーションを促進するというもので、環境やコミュニティーを保護するための強制的な法的メカニズムについては全く言及されていない。

「地球の友インターナショナル」はムベキ議長にこのような手法をやめさせ透明性のあるフェアな会議となるように呼びかけている。

この地球環境会議は世界の国々が同じ土俵の上で環境悪化や貧困、不平等についてなどの問題を議論で来る唯一の場であるが、多くの国々はEUや米国のこのようなやり方に不満を抱いている。

「地球の友」の理事の Charles Secrett 氏は次のように述べている。「この資料は、米国とEUが彼らの独善的な自由貿易の利害のために、環境を犠牲にし、貧困な国々の必要を犠牲にしている証拠である。・・・ここには利益をむさぼる企業を取り締まるルールについて言及されていない。 ・・・ EUと米国は彼らの経済力、政治力を危機的状況にある環境や貧困に関する問題について発揮する必要がある。」

 

地球サミットなのか見本市なのか?

 

この環境会議の際、米国やEUは自由貿易を推進するために激しいロビー活動を行った。この会議でビジネスリーダー達が“持続可能な開発”のためにパートナーシップ・アグリーメントを推進するとした時に非難が集中した。「地球の友インターナショナル」は、人類や環境を守るために企業責任の厳しいルールを作らない限りこのパートナーシップは単に企業活動を保護するものであると危惧する。国連は今環境の悪化や貧困について取り組まなければ、世界はもっと危険にさらされると警告を発している。

 

「地球の友インターナショナル」のTony Juniperは「地球環境会議では貧困や環境悪化に対する政策を優先的に行わなければならない。このサミットを失敗に終わらせないための強力なリーダーシップが必要である。」

またRicardo Navarroは、「西側企業は発展途上国の生活を破壊している。もしこれらの企業がここで見せているような責任を本当に示すのなら、無責任な行動を法的に規制する“企業責任規約”に調印するべきである。

 



世界規模のグリーンウォッシュ

Global Greenwashers

By Lucy Komisar

["グリーンウォッシュ"とは、企業が環境の味方であると見せかけることによって市場を開拓・保持しようとすることを指す]

環境運動活動家や地域活動家とともに、大企業も南アフリカ・ヨハネスブルグにやってきて、サミットにおいて「地球にやさしい開発」に関する彼らの“グリーンな成長戦略”を売り込んだ。しかし、この戦略の有力な提唱者であるシュミットハイニー・ファミリーの環境に関する過去の記録は、これらの提案が“グリーンウォッシュ”にすぎないことを示唆している。

スイスのステファン・シュミットハイニーは、92年のリオで行われた地球環境サミットで「持続可能な開発のための経済人会議」(BCSD)を設立して以来、企業活動に対する環境規制と一貫して闘ってきた。BCSDはヨハネスブルグ・環境サミットにも出席し、自発的な自主規制という戦略に固執した(この戦略はブッシュによって支持されている)。

しかし、シュミットハイニー・ファミリーが支配している国際的なセメント・メーカーのHolcimは、「自主規制」を行っていないどころか、彼らの米国工場が環境違反で繰り返し罰金を払っているにもかかわらず、セメント生産における国際排出規制を緩和させるために工作を行ってきた。

 

Holcimは米国に15の工場を持ち、年間12億ドルのビジネスをする。8月にはHolcimのテキサスにある工場で公害規制を犯し223125ドルの罰金を科せられた。1993年の環境保護局の調査によると、セメント工場近隣の住民は空中のダイオキシンやヒ素、カドミウム、クロム、タリウムなどを吸い込み、そのレベルはガンやその他病気を引き起こすものであると言う。それらの排出ガスは特に子供やお年より、また心臓や肺に疾患を持っている人たちにとって特に有害である。

Holcim1997年にテキサス工場の拡張に際して、大気汚染を防ぐ新技術を約束したが、排出量は増え、近隣の住民のガン発生率が増加、牧畜も病気にかかってしまった。

当局は工場が認可された器具を備えておらず、大気汚染を広げたほか9年間にも及んで虚偽の排出報告をしていたことを指摘した。

Holicimが所有するカナダのSt. Lawrence Cement社がニューヨークのハドソン川沿いに米国最大のセメント工場を建設するために許可を申請している。環境保護者たちはハドソン川流域が病原となる粉塵でいっぱいになると指摘する。

 

シュミットハイニー・ファミリーのコンクリート工場は環境保護違反を繰り返している。

1993 環境保護局(EPA)HolnamHolcimが米国で活動する時に使っている名前)のサウスカロライナ工場で排出基準を犯したとして838850ドルの罰金を科した。

1993年 テキサス大気管理局はMidlothian工場に対し排出基準の50%を超える違反に対し135000ドルを科した。

1994年ミズーリ工場は蓋のない入れ物に廃棄物を貯蔵し調査を怠ったとして10874ドルを支払った。 ?

      1999年アイオワ州の当局は基準量を超える排出の届出を怠ったと指摘した。

また同年、ミシガン州環境保全部は、HolnamDundee工場に対し基準量の75倍にもなる排出を指摘576500ドルの罰金を科した。

2000年同社はコロラドにあるLaPorte工場で基準値の2倍に及ぶ汚染があったとし罰金を科している。フローレンス工場では1996年以来3度に及び大気汚染のテストに失格した。

 

Holcim社のTom Chizmadiaは、「違反に悪意はなく、同社は全ての基準を満たすつもりである。」と述べ、違反の記録について尋ねられると、「制限は環境保護と健康維持の目的で設けて、それらの基準はとても低くされている。」と答えた。

 

セメント生産時の大気汚染に関し、EPAがある廃棄物の埋め立てを禁止し、セメント生産で使われる炉でその物質を燃やすことを許してから、より深刻になっている。環境活動家たちは、この燃焼過程で排出されるダイオキシンやPCBや発ガン性物質は生まれてくる子供に知恵遅れや肉体的欠陥など悪影響を及ぼす恐れがあると言う。

 

BCSDは、ヨハネスブルグのサミットを、彼らの「自主規制」戦略を宣伝する新著の披露の場として選んだ。このサミットで、シュミットハイニーと、チャールス・O・ホリデーJr(デュポン社のCEO)、フィリップ・ワット(ロイヤルダッチシェルの会長)の共著”Walking the Talk"が披露される。この著作は、「多国籍企業はリオ会議の約束を果たしている」と主張している。

 



WTOをめぐる動き

WTO Tidbits

By omc.Marseille

 

1)繊維産業の自由化をめぐり加盟国間の対立が激化

731日に行われたWTO一般理事会で先進国と発展途上国の溝はいっそう深まった。発展途上国はドーハ開発アジェンダに盛り込まれている“開発”がどこに行ったのかと問うている--これは、他の分野での交渉の望みも失わせる。

ドーハ・マンデートの条件下で、TGC(商品貿易委員会)の議長は7月末までに繊維製品や衣服の輸入主要国にある輸入制限の撤廃することを一般理事会に提言する予定だった、しかし、TGC議長は基本的な違いによりそれを断念した。

国際繊維・衣料品ビューロー(ITBC-香港、インド、パキスタン、インドネシアそしてブラジル)は先進諸国の繊維製品輸入割当量の引き上げが不十分であると見なしている。ドーハで採択された「協定の実施に関する決定」の第4.4および4.5項と、95年のWTOにおける繊維・衣料品に関する協定(ATC)によると、途上国から輸出を受ける繊維製品の主要輸入国は