ATTACニュースレター日本版2002年第31号
Sand in
the wheels
Weekly newsletter - n°140 –
Wednesday 14 August 2002.
持続可能な開発はどうなったのか?
WHAT ABOUT DEVELOPMENT?
「サンドインザホイール」(週刊)
2002年8月14日号(通巻140)号
目次
1.エンロン、ワールドコム、ヴィヴェンディ・ユニバーサル・・・新資本主義の危機(Enron, WorldCom, Vivendi-Universal and others – or the crisis of new
capitalism
エンロン、ワールドコム、ヴィヴェンディ・ユニバーサル(VU)グループと続いた一連の災禍は、孤立した出来事ではない。これらの経験から学ぶことはいくつかある。これらの事件は、株式市場システムの崩壊とまでは言わないまでも、重大な決壊を示した(987語)
2.WTOのこんな話(WTO Tidbits)
LDC(最貧困国)に医療品特許保護義務の猶予を延長/途上国は期限内に援助の必要条件を確定できず/米国、米大陸のサービス自由化における要求を発表/マイク・ムーアがサービス自由化についてNGOに再び確約/EU、表示についての立場でますます孤立−ワインの新ルールに強い批判/バイオセーフティー(生物の安全保護)に関するカルタヘナ議定書をEUが批准(921語)
3.ヨハネスブルグ持続可能な開発に関する世界サミット(The World Summit on Sustainable Development in Johannesburg)
8月26日〜9月4日にヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催される持続可能な開発に関する世界サミットには、世界のリーダー、活動家、企業の代表が集い地球上の全ての生物が現在、未来において意義ある生活を送れるためのプログラムに取り組む。非政府フォーラムもGallagherにて開催される(2686語)。
4.アフガニスタンでの一年(One Year On In Afganistan)
ジョージ・ブッシュ大統領の「対テロ戦争」は5月22日夜中に砂漠の中のハジビルギット村にまで達した。このパシュトゥン人の村の首長で、1万2000の家族の長である髭の85歳のハジビルギット・カーンは、自宅の外の芝生の上に横たわっていた。ファキル・モハメドは「大きな飛行機が空を飛んでいる」音を聞いたとき、南の砂地に羊と山羊に囲まれて眠っていた(2243語)。
エンロン、ワールドコム、ヴィヴェンディ・ユニバーサル・・・新資本主義の危機
Enron, WorldCom, Vivendi-Universal
and others – or the crisis of new capitalism
By Dominique Plihon(エコノミスト、パリ・ノード大学教授、ATTACフランス科学委員会・委員長)
エンロン、ワールドコム、ヴィヴェンディ・ユニバーサル(VU)グループと続いた一連の災禍は、孤立した出来事ではない。これらの経験から学ぶことはいくつかある。これらの事件は、大多数の専門家や報道機関が示したように、株式市場システムの崩壊とまでは言わないまでも、重大な決壊を示した。「企業」の意味そのものが問い直されている。
企業は何を犠牲にしてもその株価を上げ続けなければならない金融の対象として見られている−株の買収、合併、収益を上げていない分野の売却、資金調達… エンロンの最盛期と倒産はその産業活動(天然ガスと電力の売買)とは何の関係もなく、金融活動の結果だった。エンロンは収益を得られる合併と買収の資金のためにより危険な借金をする一方で、エネルギー市場において何の機能も果たさなかった。同市場はエンロンの消滅に何の影響も受けなかった。VUもまた、本来の産業と何の関係もない金融資産を積み上げることで金融・持株会社となった。これらの金融資産は株主のために株価を上げるためだった。
金融市場が生産セクターを調整する能力も疑問である。新しい株式所有資本主義のもとでは、株式市場は3つの役割を果たすことになっている。1つは企業への資金供給だが、現実にはこの役割が果たされていないことは上述した。米国に続いて欧州でも、過去2、3年、企業による株式の正味発行高(発行株式の総価額から買戻しと配当金を引いた金額)がマイナスになっている。つまり企業は株主から集めるお金より株主に与えるお金の方が多いのだ。2番目の役割は企業の取引上の価値を高めることだが、この機能も疑わしい。新技術の分野と伝統的分野(例えばエンロン)の両方で株価が非現実的なレベルまで上がったことは、株式市場の相場がその会社の本当の価値を反映していないことが多々あることを示している。最後に、金融市場は産業再編を奨励する役割を果たすと考えられてきた。企業買収の際には株式が交換通貨の役割を果たしている。しかし前述した通りほとんどの場合これらの再編は金融上の利害によって選択されており、産業との連関性はない。
だから私たちは根本的な矛盾に直面している。株式市場が新資本主義を支配している一方で、株式市場は企業の長期的な発展を保障する選択へと企業を導く能力がないことを証明している。「自己調整する市場」論理はうまくいかないのだ。株主、特に投資ファンドは、企業が短期的な金融ノルマを満たすように仕向けている。このことがエンロン、ワールドコム、VUの経営者らが期待通りの結果を出すために彼らの口座をいじくった原因となった。企業に対するコントロールを効かせるはずの金融市場の他の立場の人々は、しばしば能動的・積極的共犯者であるその企業の重役を前に、提供すべき歯止めを提供しなかった。これには監査企業(アンデルセンなど)、規制機関(特に株式市場委員会)、銀行、証券会社、金融アナリスト、株式市場ジャーナリストらが含まれる。最も象徴的となり社会的大失敗となったのが通信分野だった。同分野は自由貿易支持者が市場の調整能力の事例としたかった分野である。簡単に言うと、今日見る出来事は歴史がすでに私たちに教えたことを再確認させたことになる。つまり、資本主義は自己調整をすることができず、その代価を労働者とより広い範囲で言うと世界中の一般市民に払わせる大規模な崩壊へと導くものだということだ。
結局、株式市場資本主義の主要メカニズムは危機状態にあり、大規模な改革が必要である。その改革の主要目的は、金融市場が企業に(世界的にいうと経済に)対して持つ巨大な支配力を削減することである。二つの改革が必要である。一つは「商業的企業」の意味について新しいアイデアを見つけることだ。つまり株主に所有される「対象」として定義されるのではなく、最終的な目的が収益をあげることではなく仕事と富を創り出す「利害関係者のコミュニティ」として定義されるべきだ。なくすべきは企業が完全に「株主にとっての収益を創る」ことを目的とするというコンセプトだろう。つまり現在の法律を変更して、ある事業に関わる全てのパートナー(その先頭に来るのは労働者)の権利を認識することだ。これら労働者−その仕事の技術が現在の経済価値の根本的な源である−は、企業の資本の権力を制限して株主の戦略を前に労働者の権利を補強できる新しい法律を得る権利を持つべきだ。もう一つの改革は過度の規制緩和を転換させ、国家の役割を補強すること、特に強固な公共部門を維持することだ。これは行政上の監視を強化すること、欧州・国際レベルでの金融コントロールのための効率的な公共機関を持つことを含む。
政府と国際機関が突然現状を考慮して、新自由主義の教義に挑戦することにより状況を正しい方向に向かわせることにコミットするのを、ただ座って待っていても無駄だ。私たちが上述した改革は、それを求める国レベル・国際レベルでの社会運動がなければ実現しない。金融のグローバリゼーションに対する現在の国際的運動は−ATTACもその一つだが−、前進する道を示している。
WTOのこんな話
WTO Tidbits
By ATTAC国際協定ワーキンググループ、マルセーユ)
■医療品の特許保護義務付けが2016年まで延期:6月25日の会議で、TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)協議会は少なくとも2016年までLDC(最貧困国)が医療品の特許を保護する必要がないよう義務付けを延期した(ドーハ閣僚宣言のこの議題に関する7節が具体化された)。
■米国での自由化要求により12のサービス分野が影響を受ける:2002年7月7日、米国は同国が12のサービス分野に対する市場アクセスを要求した提案を要約した声明を発表した。12分野は、電話会社、金融サービス、宅配、エネルギー、環境サービス、流通、教育、研修、ホテル業と旅行に関わるその他の分野、企業に対するサービス業、ADP(自動データ処理)とそれに関わる分野、広告、オーディオビジュアルサービスである。声明は、投資の障害(経済必要性調査、投資の許可のための手順)を減らす、サービスのために会社を訪れる労働者への臨時的なアクセスを広げる(個人の移動)など、すべての分野を考慮に入れた幅広い議題も含む。しかし、米国は水供給分野、公共医療、初等・中等教育に関しては何の要求もしなかったと発表し、これらに関して「どうするかは政府の判断に任せる」とした。米国はまた、映画、ビデオ、音楽、ラジオ、テレビに関してEUが最恵国待遇を適用するよう要求したことを強調した。米国はまた、南米諸国(特にアルゼンチンとブラジル)に、金融分野−不安定な現状で悪影響を被っているにも拘わらず−の自由化を進めるよう要求した。
詳細はhttp://www.ustr.gov/sectors/2002-07-01-propsal.PDF
■マイク・ムーアがNGOに対して公共サービスの自由化に関して再確約:ムーアとサービス協議会の特別セッション議長は、医療、教育、水供給などのサービスの自由化に対する批判に事前に応えて、6月28日に、現在の段階での要求・提案はGATS(サービス貿易に関する一般協定)の範囲から外された公共サービスを危険にさらすものではないという声明を出した。この声明は、より弱い立場の国々がより権力を持つ貿易パートナーによって公共企業を民営化・規制緩和するよう迫られていると主張する、様々なNGOからの批判をかわすことを目的としている。これら公共企業は、「政府当局の下に提供されている」もので、サービスの定義からは外されており、「商業的条件ベースでもサービス提供者との競争ベースでもなく提供されている」もののことである(条項1.3c)。
■途上国は彼らの財政上の必要条件を確定する期限に不満:貿易と開発委員会の会議でそのメンバーは、2003年の技術援助に対する要請は今年の7月31日までに提出しなければならないという同委員会事務局の予定を知らされた。多くの途上国はこの知らせが遅すぎてタイムリミットが短すぎることを訴えた。2002年の技術援助の結果をすべて審査し、同時期に他の多くの〆切があることからも、この〆切に間に合わせることができないことは明白である。
■EUのワインに関する新しいルールが貿易障壁に関する委員会で批判される:米国は、他のワイン生産国(ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アルゼンチン)やワイン生産が制限されている国々(ボリビア、ブラジル、ウルグアイ、メキシコ、パラグアイ)に支持され、ワイン生産分野の特定の製品の記載、名称、体裁、保護についての新しい欧州の法律を批判した。この法律は2003年1月に発効する。これらのルールは表示に掲載される情報を規定している。ここではあるタイプのボトルを使用することを制限し、ワインを説明する伝統的な言葉(品質、年、色、ぶどうの種類、歴史)を保護するためのシステムを導入。米国は、これらのルールがGATT(関税と貿易に関する一般協定)94と貿易の技術的障害合意に違反していると主張。ニュージーランドは、伝統的な言葉の保護とボトルの使用制限はTRIPS協定に違反している、さらにEUが産地表示を知的所有権協定の範囲まで広げようとしていると主張。EUは表示に関する議論で孤立している。EUは、貿易の技術的障害委員会がWTOルールに必要な説明を検討し、表示義務に関わる解釈か一般行動慣例を作るよう提案している。しかしほとんどの国々は、貿易の技術的障害に関する協定を変更するより既存のルールを適用するべきだと感じている。インドは、生産方法を説明する表示は貿易の技術的障害に関する協定に違反していると主張している。
■EUによる生物の安全保護に関する議定書の批准(2002年6月25日):EUは生物の安全保護に関するカルタヘナ議定書を批准する20番目の国となった。その1ヵ月前には気候変動に関する京都議定書を批准している。今回の批准は持続可能な開発に関する世界サミット(2002年8月開催)の前に他の署名を誘導するために行われたと見られる。
■アジア太平洋の社会運動のいくつかが一同に会する(2002年8月10〜12日):この会議は8月12〜15日バンコクで開催される世界社会フォーラムの国際協議会の前に開かれる。
ヨハネスブルグ持続可能な開発に関する世界サミット
The World Summit on Sustainable Development in
Johannesburg
By ECHLA(南米ATTAC情報調整係)
「持続可能な開発とは、将来世代の必要なものを満たす容量を危機にさらすことなく現在必要なものを満たす開発のこと」(私たちの共通の未来−1987年環境と開発に関する世界委員会の報告書より)。
■リオからヨハネスブルグへ:8月26日〜9月4日にヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催される持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)には、世界のリーダー、活動家、企業の代表が集い地球上の全ての生物が現在、未来において意義ある生活を送れるためのプログラムに取り組む。サミットはヨハネスブルグ郊外のサントン会議場にて行われる。非政府フォーラムもGallagherにて開催される。WSSDはリオサミットから10年目に開催される。1992年6月3〜14日にリオで開催された環境と開発に関する国連会議は、同会議が解決しようとする問題を防止するには遅すぎる時期に開催され、満足のいく合意を得るには早すぎる時期に開催された。
1972年のストックホルム会議から30年、リオから10年の今日、社会・環境問題は悪化している。世界人口は62億人で1972年の2倍。現在8億人が極端な貧困の中で生活する。予測では2025年までに世界人口は80億人に、2050年には93億人に達し、21世紀終わりには120億人で安定化するという。世界人口の15%が高所得国に住み、世界消費の56%を占める。途上国に住む世界人口の40%は世界消費の11%を占める。平均的なアフリカの家庭の消費は25年前より20%減った。途上国の一般的な貧困の割合は、収入が1日1ドルの貧困ラインを基にすると、1990年の29%から98年には23%になったが全体数は13億人から12億人になっただけだ。世界には8億1500万人の栄養不足の人々がおり、そのうち7億7700万人が途上国に住む。この数はアジアで減っているがアフリカで増えている。
毎年1460万ヘクタールの森林と何千もの種が消滅しており、生物多様性が減り侵食されており、これは取り返しがつかない。オゾン層はモントレアル議定書にも拘わらず21世紀中間までは自己回復しない。大気中の二酸化炭素(370ppm)は19世紀に比べ32%も上昇し、過去2000万年に見ない濃度まで上がっている。現在私たちは毎年230億トンのCO2を大気中に放出しており、気候変動を加速させている。1997年から2020年の間にCO2排出は75%増加すると予想されている。毎年私たちは1億トンの二酸化硫黄、7000万トンの酸化窒素、2億トンの一酸化炭素、6000万トンの浮遊粒子物質を排出し、酸性雨、対流圏オゾン、地域的な大気汚染の問題を深刻化させている。チェルノブイリ、核の拡散、放射性廃棄物の蓄積は原子力発電によるリスクの例である。カシミア地方をめぐるインドとパキスタン、イスラエルが100近くの核兵器を持つ中東のような、原子力を保有する存在間の確執は、原子力の永続的脅威の例である。過度の漁業・農業、薪の消費、農薬と化学肥料の使用、汚染、廃棄物生産、都市の拡大は、知る術もないほどのスピードで資源を破壊している。1992年には存在しなかった遺伝子組換え作物の生産は、現在4500万ヘクタールを超える。ナノ技術や人間の遺伝子組換えなどの新しい脅威も生まれている。
東西の紛争は消えたが、軍事費はほとんど削減されず、9月11日以降米国という唯一の超大国において増えている。多くの紛争が勃発し、特に南北の格差はより深刻となり、また各国内での不公平も深刻化している。新自由主義のイデオロギーはそれが唯一の哲学だと主張し、全ての国の経済政策を支配している。消費者を原動力として開発された北は環境破壊と南の人々の搾取に責任があることを認めたがらない。北はすべての重要な契約も拒否し(対外債務、技術移転、国際貿易、開発のための援助、CO2排出の削減)、その持続可能でない生活を変えることも拒否している。南を統治するエリートも変化に何の興味もない。彼らは「南」の中の「北」であり、収入や土地をより公平に再分配したり、彼らの国を民主化したり人権を尊重したり汚職をなくしたり生態系の破壊を止めたりする気もない。ヨハネスブルグでは南のエリートは煽動的な国粋主義をあおろうとし、彼らの貪欲、人々と生態系からの搾取を隠し、腹の底ではヨハネスブルグサミットの失敗をジョージWブッシュと同様に喜ぶだろう。「地球憲章」はリオにおいて価値をなくされた。アジェンダ21を実行するための基金ははした金で、さらに悪いことに世界銀行がこの実行を担当する機関である。モンテレーサミットはODA(政府開発援助)額を産業国のGDPの0.7%に増やすことに成功しなかった。
しかしリオサミットの後に起きた最も大きな出来事は、WTO(世界貿易機関)の設立と経済のグローバリゼーションの加速、環境破壊や第三世界の経済での不公平と雇用破壊をまったく考慮に入れないモノとサービスの貿易障壁の排除だった。1992年の気候変動に関する合意は、米政府の圧力によって、温室効果ガス排出を安定化させるための企業のコミットメントは含まれなかった。同様の一貫性の欠如は生物多様性条約においても見られた。
しかし、1997年の京都議定書(米国とその連携国が邪魔をしない限りヨハネスブルグで批准され発効されることになっている)、生物の安全保護に関する議定書(これも米国の反対を伴いつつ批准されるはず)、持続可能な開発委員会の創設、砂漠化に関する合意への署名、NGOと社会運動を中心とした市民社会組織の増加などの、いくつかの建設的なステップがあったことも強調すべきだろう。世界は、ひどい社会的不公平と環境破壊を伴う持続不可能な開発の既存のモデルをもう長くは保てない。リオは役に立ったか? 楽観的になりすぎる危険はあるが、リオは集合的な啓発を推進したと言えなくはないだろう。ヨハネスブルグは、目に見える結果としては同様の効果があるだろう。
■持続可能な開発に関するヨハネスブルグサミット:ヨハネスブルグサミットの目的の一つはいくつかの国際条約の批准である。京都議定書、生物の安全保護に関するカルタヘナ議定書、食物と農業の植物遺伝子資源に関する国際協定、残留性有機汚染物および農薬汚染に関するストックホルム合意(OPC)、特定の危険化学物質または農薬を輸入する前の事前通知に関するロッテルダム合意、漁業資源に関する国連合意(いくつかのFAOプロジェクトを含む)、有害廃棄物の移動に関するバーゼル合意、情報へのアクセスに関するオルフス合意である。
コフィ・アナン国連事務総長はヨハネスブルグに期待する5つの分野での進展を以下のように要約している。
1.水と医療。消費するのに適当な水が手に入らない少なくとも10億人の人々に飲料水が行き届くようにする。20億人の人々に適当な医療を提供する。汚染された水、不適当な医療、衛生管理不足が途上国の病気全体の原因の80%となっている。マラリアは1年に100万人以上の命を奪っている。2025年には、世界人口の3分の2が水不足問題のある地域に住むことになる。
2.エネルギー。近代的なエネルギーサービスのない20億人の人々にエネルギーが行き届くようにする。自然エネルギー源を推進する。過度の消費を減らし、気候変動問題に取り組むために京都議定書を批准する。産業国の人口は途上国に比べ一人あたり10倍のエネルギーを消費している。
3.医療。有害で危険な物質の影響に関して取り組む。毎年300万人を死に至らしめる大気汚染を減らし、汚染された水と医療不足によるマラリアを減らす。
4.農業の生産性。地球が腐食されるのを防ぐよう取り組む。世界の農地の約3分の2に影響を及ぼす侵食と砂漠化を止める。
5.生物多様性と生態系。地球上の熱帯湿林とマングローブ林の約半分を破壊しているプロセスを止める。これは珊瑚礁の70%を危機にさらし、漁業を破壊している。1万1000以上の種が絶滅の危機にあり、800以上がすでに絶滅しており他5000は適切な方策を採らなければ絶滅する。
以下は同サミットの公式目標である。
▼グローバリゼーションを持続可能な開発を実現しやすいようにさせる。▼貧困を撲滅させ地域と都市の生活を改善する。▼20〜30年の間にエネルギー効率を4倍にすることを含め、持続不可能な生産と消費のパターンを変える。▼安全で経済的に納得のいく飲料水へのアクセスを可能にすること、ガソリンの鉛を減らすこと、大気の質を改善することで健康を推進する。▼エネルギーへのアクセスを提供し、自然エネルギーとエネルギー効率の高い技術を開発、利用してエネルギー効率を高める。これにより持続不可能なエネルギー消費のパターンを変える。▼指標と管理システムを改善し、過度の漁業と持続不可能な林業と海域汚染に対峙して生態系と生物多様性を持続可能にする。▼水供給管理と水資源の分配を、より公平になるよう改善する。▼資金と生態学的に持続可能な技術を提供する。▼飢餓、医療、環境保護、資源管理に関わる問題を取り扱う制度やシステムを作る新しく広い範囲のプログラムを通してアフリカでの持続可能な開発をサポートする。▼持続可能な開発を展望できる国際行政システムを強化する。
■生物の安全保護に関するカルタヘナ議定書:5年間の困難な交渉の末、生物の安全保護に関する議定書がモントレアルで最終的に承認された。これは遺伝子組換え生物をその法的枠組みのカテゴリーの一つとして認識した最初の国際協定である。この国際協定により遺伝子組換え食物を輸入している国が予防原則に従ってその流入を規制することが可能になる。これは非常に大きな進展と言われているが、他の局面は不充分だ。またこれは最も環境と健康に害を及ぼすものを含む全種類の製品の貿易を推進するために創られたWTOと矛盾することになる。2000年1月29日に、米国やカナダなどの遺伝子組換え生物の輸出国からの強い反対があったにも拘わらず、130の国々が、予防原則に従って遺伝子組換え生物の輸入を拒否する権利を持てる生物の安全保護に関する議定書に合意した。EUは2002年6月に、生物の安全保護に関するカルタヘナ議定書を批准することを決めた。同議定書はもっぱら生きた遺伝子組換え生物について述べており、その副産物全て(例えば遺伝子組換え作物で作った飼料)を除外している。しかし制限ある内容ではあるが、一歩前進でありこれをヨハネスブルグで批准するため全ての努力を注がなければならない。
■京都議定書:1997年12月に京都議定書では、旧ソ連含めた39の産業国により温室効果ガスを削減するという合意が採用された。この合意は、交渉と批准において難航している。ジョージWブッシュ大統領が批准を拒否し、オーストラリアとカナダがこれを追った。温室効果ガスが6ガスに制限され(CO2、CH4、NO、PFC、HFC、hexafluorurossulfur)、このうち最初の3ガスを2008年〜2012年の間に1990年レベルを基準に、後の3ガスを1995年レベルを基準に排出削減することになった。国により違う削減割合が当てられた。EU国は8%、米国は7%、日本は6%である。ウクライナ、ロシア連邦、ニュージーランドは1990年排出レベルを保つことになった。全部合わせて産業国の削減割合は5.2%だ。この議定書がヨハネスブルグサミットで承認される可能性があり、これを実現するのに必要な圧力を世論は何としても作るべきだ。同議定書は最初の段階においては、一人あたりの排出量が少なく歴史的な排出量蓄積のない途上国に義務は負わせない。産業国は、世界人口の20%を占めるが、現在の排出量の60