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韓国近現代史の教科書検定をめぐる 「日本の教科書を正す運動本部」の立場
2002年8月5日
「日本の教科書を正す運動本部」(以下、教科書運動本部)は、昨年の結成以来、持続的に日本の歴史歪曲に対応する活動を展開してきた。日本の扶桑社が刊行した中学校用歴史教科書や、明成社の高校用歴史教科書『最新日本史』などに見られる日本の教科書の歴史歪曲は、韓日関係はもちろん、東アジアの平和を脅かす重大な事件である。これからの未来世代が東アジアに平和共同体をつくる担い手へと成長する上で、教科書には重要な役割が課せられている。このような観点から、この間、韓国近現代史教科書の検定をめぐって広がっている波紋は、日本の歴史歪曲を正すために努力してきた私たち教科書運動本部にとって大変遺憾である。
ついては、韓国近現代史の教科書検定をめぐるこの間の状況に関連して、教科書運動本部は以下のように自らの立場を表明する。
1. 政府の介入を最小化するべきである
韓国史の教科書は、1974年より国定教科書として編纂されるようになったが、第7次教育課程により近現代史は選択科目として検認定教科書に指定された。部分的な措置ではあるが、近現代史の教科書が国定から検認定へと変わったことは大変喜ばしいことであった。過去の国定教科書より内容や形式の面で進歩があったという点は評価に値する。
ところが、近現代史検定教科書に関連した最近の問題により、検定制度を厳しく強化するべきだという主張が出ている。国定制度については、国が韓国史の教育を通して国家イデオロギーを強化し、政権を美化するという批判を避けられ難いことから、政府教育部からも廃止の声が出ている。多様性や創造性が強調される21世紀に、画一的な歴史観の国定教科書は全く相応しくない。検認定制度の趣旨は、歴史解釈を国が独占せず、生徒たちが多様かつ創意的に歴史的事実に接するようすることで、民主的市民を育成するという点にある。従って現在は、過渡期的なプロセスとして取り入れられている検認定制度の不十分さを補完し、その趣旨を生かすべく努力するべきであり、検認定から国定へと制度を再び変えることがあってはいけない。
国は同一の観点から同一の歴史認識を強要してはいけない。国の役割としては、最小限の介入を通して、歴史的事実に基づいた客観的評価がなされるよう合意を引き出していくことに、その重点が置かれるべきである。国は学界や関連団体などの共通項をつくるための制度的装置や基準を整え、合意を引き出すという程度の役割に留まるべきである。
最近の事態に対して、政府が示した即刻対応や介入は検認定制度の意味を色あせさせ、再び韓国史の教育を過去へと回帰させるという点で、必ず再考されなければならない。
2. 教科書問題に政略的な次元から取り組むべきではない
私たち教科書運動本部は、日本の歴史歪曲が日本の右翼勢力によって推し進められており、日本の軍国主義化という大命題のもとで、教科書が政治的に利用されているということを知っている。最近、韓国の政界における近現代史教科書をめぐる攻防は、不幸にも韓国の教科書問題を政略的に利用しているものである。教科書問題を政略的に利用することは、歴史的事実を有耶無耶にするか歪曲する恐れもある。日本の歴史歪曲は政治的であると批判しながら、足もとの韓国の教科書問題を政略的に利用することが、私たち自らにとってどんなに恥ずかしいことかを心に留めるべきである。いま、韓国の歴史教育については、お互いが真摯に顔をつき合わせ、私たちの社会の未来を展望しながら、政治的利害を越えた本質的な次元から臨むべできであろう。
3. 充分な合意に基づいて当代の歴史を記述するべきである
学界からはこれまで、当代の歴史に関する内容を歴史教育から除外させるべきだという主張は、提起されていない。当代の歴史記述の如何については、歴史学界の充分な議論とその収斂を経て、近現代史教育の趣旨に合うよう決めていくべきである。この間、議論になっている近現代史の検定教科書の問題は、当代の歴史の記述においてどのような原則が必要なのかを考え直す重要な契機となった。これを機に、当代の歴史記述と教育について議論が深まっていくことを期待する。
教科書運動本部は、韓国近現代史の教科書検定過程で起こった今回の事態を通して、災いを転じて福となすように、私たち皆が歴史教科書記述や歴史教育について深く考える転機にしていくべきではないかと考える。検定過程で現れた不十分さは検認定制度の趣旨に合うよう補完しながら、学界や関連団体の間の充分な協議過程を経ることで、韓国史の教育が過去へと逆行しないことを願う。早急に国定制度を廃止し、21世紀に相応しい歴史認識とそれを可能にする教育的枠組みがつくられるべきである。
2002年8月9日
日本の教科書を正す運動本部
常任共同代表 徐仲錫(ソ・ジュンソク)
李南淳(イ・ナムスン)
李秀浩(イ・スホ)
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