「歴史認識と東アジアの平和フォ−ラム」ソウル会議 詳細

1.「歴史認識と東アジア平和フォーラム」の意義と展望

2001年、韓中日三カ国の争点として浮かび上がった日本の中学校歴史教科歪曲事件は、今後の東北アジアの平和における歴史認識の重要性を大きく気づかせる契機となった。その後、韓中日三カ国の研究者や市民団体、教員たちは、歴史歪曲への積極的な代案の一つとして「歴史認識と東アジア平和フォーラム」(以下、平和フォーラム)を持続的に開催し、東アジアの歴史認識を共有するための努力を続けている。

この度、去る2002年3月の南京大会、2003年3月の東京大会に引き続き、2004年8月にはソウル大会を開催する。第1回南京大会においては多様な側面から日本の歴史歪曲に対する論議を活発に行い、第2回東京大会ではグローバル化と人権という時点から教科書問題への議論を深めた。2004年ソウル大会においては、1945年8月15日に対する韓中日三カ国の歴史認識の共通点と相異点を探るべく、その内容を教科書を含め博物館やマスメディアなど、多様な領域に研究を広げ考えてみようとするものである。

これまで平和フォーラムは、中国と日本、そしてこの8月の韓国と、三カ国を一周したことになる。今や平和フォーラムは新しい岐路に立っているといえる。今までの成果としての、三カ国の研究者と市民団体、教員たちの間の強固な連帯活動に基づき、東アジア歴史認識を共有し、葛藤を越え共存共生する東アジアの未来をつくっていくことだけが残されている。更なる一歩を踏み出し、韓中日三カ国に止まらず、朝鮮民主主義人民共和国をはじめ東アジアの他の国・地域も参加できる連帯の枠組み形成も期待される。

2.第3回韓国大会の特徴

第一、平和フォーラムが、研究者、市民団体、教員という三つのグループが韓中日三カ国から集まっているものであるだけに、研究、運動、連帯という三つの側面がよく浮かび上がるものにしていく。

第二、「1945.8.15」という特化された主題を通じて、韓中日三カ国が1945年8月15以後、どのような歴史認識の違いを現わしているのか考察し、共通の歴史認識を図るようにする。 第三、韓中日青少年歴史体験キャンプ、2005年の教科書検定に備える韓中日の戦略会議、韓中日副教材検討会議、学術大会を同期間中に開催することで、世代別(大人―青少年)、階層別(研究者-活動家)の多様性を活かし、三カ国の祝祭の場とする。

3.全体行事の概要

全体テーマ 1945.8.15〜韓中日三カ国の歴史的記憶と伝承
事業期間 2004年8月8日(日) - 13日(金)
共同主催 韓国:アジアの平和と歴史教育連帯(教科書運動本部)
中国:南京大虐殺記念館「日本教科書問題研究会」、中国社会科学院『抗日戦争研究』編集部
日本:歴史認識と東アジア平和フォーラム・ソウル会議に連帯する日本委員会
事業概要 東アジア青少年歴史体験キャンプ:2004.8.8(日)-8.13(金)、150人
  @ブルーモンテリゾーテル(京畿道安養市)
韓中日歴史共同副教材検討国際会議(非公開):2004.8.8(日)−8.10(火)、30人
  @ブルーモンテリゾーテル
歴史認識と東アジア平和フォーラム第3回韓国大会:2004.8.11(水)、300人
  @全国銀行連合会館(ソウル)
韓中日活動家の2005年に備える戦略会議(非公開) :2004.8.12(木)、30人
  @ブルーモンテリゾーテル
近現代史フィールドワーク:2004.8.9(月) / 8.10(火) / 8.12(木)
  @ソウル市内、京畿道、江源道の一帯

4.細部行事日程

1) 「歴史認識と東アジア平和フォーラム」学術大会

●主題解説

1945.8.15は韓中日3国において非常に重要で象徴的である。韓中日3国には、日帝の植民地統治と支配という共同の歴史的実体があり、各国ごとにそれに対する独特の記憶の仕方がある。1945年以後現在まで、8.15と日帝植民地統治に対する記憶と忘却の作業は、様々な形でなされてきた。1945.8.15は、各国あるいは韓中日3国において、教科書、記念館/記念日、映像/マスメディアを通じて、現在までどのような記憶として続いているのかを考えることに目的がある。

●各主題の説明

基調発表:韓中日3国の8.15記憶 韓中日3国で1945.8.15をどのように評価し解釈して来たのか。そして、815に対する歴史的記憶がどのように伝えられ受け継がれて来たのかを中心に把握する。特に、在日朝鮮人や在日中国人の立場において、815はどのような意味なのかを同時に包括する。

主題1:3国の教科書に現われた1945.8.15

韓中日3国の教科書に記述された1945.8.15の内容を分析するが、1945年から現在までどのような変化があったのかを把握し、韓中日3国が1945.8.15を捉える視点の違いを明らかにし、共同の認識の可能性を模索する。

主題2:博物館/記念館に現われた1945.8.15

韓中日3国内の博物館あるいは記念館の展示の内容、展示の構造、展示の概念などを多角的に分析し、博物館/記念館がどのような記憶を創出し、持続させようとしているのかを把握する。

主題3:映像/マスメディアに現われた1945.8.15

1945.8.15にかかわる映像作品、特集放送、映画、歌など、様々なジャンルの内容を分析し、1945年から現在までどのような形の変化があったのかを把握する。

特別主題:ジェンダーの観点で見た1945.8.15

ジェンダーの観点から1945.8.15にかかわる韓中日3国の女性の変化はどうだったのか、女性史視点からどのような変化があったのかを分析する。


●学術大会の日程
  学術会議
開会式
基調発表
(9:30-10:20)
  • 司会: 安秉佑 (教科書運動本部 共同運営委員長, ハンシン大学教授)
  • 開会辞: 徐仲錫 (教科書運動本部 常任共同代表, 成均館大学)
  • 祝辞: 姜昌一 (教科書運動本部 諮問委員, 国会議員)
  • 基調発表: 韓中日3国の8.15記憶(徐京植 /作家, 東京経済大学助教授)(予定)
主題1
(10:20-12:20)
  • 主題 : 3国の教科書に現れた8.15
  • 司会 : 日本
  • 発表 :
    韓国( 辛珠栢/教員大 研究員)
    中国( 歩平/黒龍江省社会科学院副委員長)
    日本( 糀谷陽子/東京都公立中学校教員)
  • 討論 :
    韓国( 金興洙/モグォン大学教授)
    中国( 榮維木/中国社会科学院近代史研究所)
    日本( 丸浜江里子/歴史教育アジアネットワークJAPAN運営委員)
昼食
(12:20-1:20)
 昼食
特別発表
(1:20-1:35)
  • 司会 : (尹慶老 キリスト教歴史研究所所長, ハンソン大学教授)
  • 主題 : ジェンダーの観点から見た 8.15
  • 発表 : 日本
主題2
(1:35-3:35)
  • 主題 : 記念館/記念日に現われた8.15
  • 発表 :
    韓国( 鄭根埴/ソウル大学教授)
    中国(李宗遠/人民抗日戦争記念館主任)
    日本( 高野邦夫/前八戸工業大学教授)
  • 討論 :
    韓国(宋讚燮/放送通信大学教授)
    中国(朱成山/南京大虐殺記念館館長)
    日本( 木哲夫/豊島区立郷土史料館学芸員)
休息
(3:35-3:50)
 休息
主題3
(3:50-5:50)
  • 司会 : 中国
  • 主題 : 映像/マスメディアに現れた 8.15
  • 発表 :
    韓国( 権赫泰/聖公会大学教授),
    中国(曹宏晨/中国CCTV新聞媒体部研究員)
    日本(桂敬一/立正大学教授)
  • 討論 :
    韓国( 金其コ/建国大学研究教授)
    中国(蘇智良/上海市販大学教授),
    日本(高嶋伸欣/琉球大学教授)
閉会式
参加者報告
(5:50-6:30)
  • 司会 : 韓国(金漢宗, 教科書運動本部 教科書委員長, 教員大学教授)
  • 閉会辞: 中, 日
  • 参加者報告:
    (1)平和フォーラム3国代表者会議報告, (2)韓中日歴史共同副教材報告, (3)青少年キャンプ報告, (4)2005年教科書採択戦略会議報告

2) 2005年に備える韓中日活動家戦略会議

−日時:2004年8月12日(木)午前9:00〜午後10:00
−場所:安養ブルーモンテリゾーテル(ソウル近郊)
−参加:韓中日市民団体の活動家及び関連研究者など30人
−目的:
  • 日朝首脳会談以後、日本人拉致問題を機に徐々に右傾化されている日本の動向把握と現在の日本の市民運動の状況を共有する。
  • 当面課題である2005年4月の扶桑社教科書再検定に備えて、日本の右翼教科書採択を防ぐための法案を論議する。
  • 2001年当時の教科書運動の戦略を振り返り、2005年の状況に相応しい教科書運動の戦略とそれに関係する日韓市民連帯の方向を模索する。
−主題:
  • 2005年、日本の教科書再検定問題にどう対応するのか。
  • 2001年教科書運動の成果と限界、その克服方法は?
  • 2005年教科書再検定の対応戦略をどうするのか?
  • ・2005年韓日協定40周年を迎えた韓日市民連帯に向けた提言
-日程(仮案) :
時間    
午前
9:30-12:00
基調発表 2005年問題と教科書再検定・採択
発表1(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索(韓国) :成果と今後の課題
発表2(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索(中国)
質疑応答(20分)  
午後
13:00-18:00
発表3(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索
(日本-歴史教育アジアネットワーク・ジャパン)
発表4(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索
(日本-大阪実行委員会)
発表5(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索
(日本-教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま)
質疑応答(30分)  
休息(20分)  
発表6(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索
(日本-愛媛教科書裁判)
発表7(15分) 2005年教科書採択への対応戦略模索
(日本-新潟または他の地域、または個人)
質疑応答(30分)  

19:00-21:00
グループ討論 アクションプラン樹立 : 2005年 韓中日の共同対応模索
分科報告・全体討論  


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