〜AHIの20年間の変遷〜

Q.佐藤さんがご存知のAHIの変化はなんですか?

佐藤さん:
 責任をもってAHIを見ているのはこの5年くらいですから、その中での変化はそれほどありません。ただ研修の対象となる現地NGOの様子は変わってきたようです。昔は現地NGOというと、村に滞在して現地の人たちと生活し、活動することが主な仕事でした。しかし、今では村には村人自身のグループができたところも多く、NGO職員はその会合に出席して会を進行することくらいになったところも出てきました。そしてかえって村のグループが活動しやすいように行政に働きかけたり、後ろから支える役割が増えたように見えます。AHIに研修に来るNGO関係者はだいたい大卒の人や社会福祉系の仕事に携わってきた人々です。

Q.では、川原さんがご存知のAHIの変化はなんですか?

川原さん:
 20年前の研修生は、年も若く20代から30代前半でしたし、英語もあまり上手ではありませんでした。非常に変わったなと思うことは、昔はカメラを持ってきている人が少なかったのですが、現在は研修生の殆どがカメラを持参しています。研修生の経済状態も変わってきているのです。

Q.NGOからだけではなく、一昨年くらいから行政からの研修生も来るようになったのはなぜですか?

川原さん:
 フィリピンの場合は、保健大臣が3代前からNGO出身の方になりました。保健において、NGOの知識と経験を行政に取り入れようという方針になり、地方分権という方針で、地方にお金を渡して権限を持たせようとしました。また、行政間でもNGOに対する理解が変化してきているので、研修生として招いているのです。
 カンボジアからの研修生も行政の人が多いです。なぜかというと、カンボジアにもNGOはあるのですが、なかなか育っていないからです。
 行政といえば、最近JICAとAHIが協力して行っているミンダナオ島(フィリピン)のプロジェクトは、AHIにとっても新しい経験でした。ミンダナオ島に住んでいる人の多くはイスラム教徒で、しかも現在内戦が激しいところです。カトリック系の団体やNGOの人たちでは地理的に入っていけないような、遠隔地に住んでいる研修生たちと、政府(JICA)のプロジェクトを通して関わることができるというのも新しい経験です。また、そのひとつの地域において繰り返し人を変えて5年間研修をするという様式も、新しい活動でした。
 以前はNGOとODAは仲が悪かったのです。しかし、ODAも非常に成長してきましたし、NGOもそれなりに成長してきました。今後は、お互いの手の届かないところを助け合ってやっていくことが、とても大切だと思います。現在AHIとJICAで取り組んでいるプロジェクトに興味を持つ人は多くいます。