2002年4月1日

地震被災者、援助団体が軍閥らの救援物資横流しを非難

Radio Free Europe/Radio Liberty


 国際的な援助団体が、地震に見舞われたアフガニスタンの僻地、バグラン地方に急行した。この地震により数百人が亡くなり、数千人が3月末から家を失っている。しかし被災者達の話によると非常に貴重な援助物資が軍閥指揮官らによって差し押さえられているという。RFE/RL(ラジオ・フリー・ヨーロッパ)の特派員、Askold Krushelnyckyがアフガン北部の町、ナヒリ(Nahrin)からレポートする。

 アフガン北部のバグラン地方に位置するナヒリの町とその周辺の80の村々は3月25日に強い地震にみまわれた。地震はリヒテルの単位で5.8の強さでナヒリと辺鄙な村々の直下で発生した。最終的な死者の数はまだ不明だが、当地で救援活動を指揮している国連の予測では死者は700人から800人にのぼり、数千の世帯が家を失った。
 救援団体はこの災害にすばやく対応をとった。国連と数十の援助団体はすでに11月のタリバン政権崩壊以降、アフガニスタンで活動を行ってきている。援助団体はテント、毛布、食料、医薬品を被災地域に急送した。国連指揮下の国際治安支援部隊と米軍がヘリコプターによる支援物資輸送に協力した。アフガニスタンのかつての敵であったロシアでさえ援助物資を積んだトラック輸送隊を送り込み、完璧な野戦病院を設営した。
被災者の大半は現在のところ十分な食料を得ており、たくさんのテントが支給されている。しかし当地の多くのアフガン人は地方のコマンダー(訳者注:半自立的な小さな軍閥リーダ達)が私用のために援助物資の多くを横取りしていることに不満を持っている。
生存者の一人であるフセイン・サディキ(Husain Sediqi)は3人の息子をこの地震で失い、今や妻と生き残った3人の子供達とUNHCR支給のテントで暮らしている。テントはかつて彼らの家であった瓦礫のそばに建てられている。サディキは言う。北部同盟のコマンダー・・・彼らはタリバン追放に一役買い、タリバン敗北後にナヒリ周辺を占領した・・・が、生存者達に分配すると約束して援助団体から大量の援助物資を得ているという。サディキ曰く、彼らコマンダー達はその約束を果たす代わりに、自分達の支援者に分配するか、単に自分の利益のために売り払ってしまったという。
  同様の不満の声がナヒリの被災者達から多く寄せられている。彼らは自分達の家の瓦礫の中から何か価値のあるものが回収できないかと今でも瓦礫の中を探している。日中は暑さで、瓦礫の下に埋まっている死んだ家畜の腐臭がひどいものとなる。夜半、気温は氷点下近くまで下がり、テントではこの冷気を防ぎようもない。

 生存者の一人、ジェブド(Javed)は、商店の店主であるが彼の息子は通り二つ隔てた家族用の家で生き埋めになった。遺体は24時間後に引き出された。ジェブドも同じようにコマンダーらが援助の多くを横流ししていると不満を述べた。「(コマンダーらが)そうした物資のすべてを取って、確かに売り払ってしまった。彼らはこの町からすべての物資を獲得して、ほかの場所、他の地方へ運んだ。」ジェブドはこのように言った。「私達は国際社会にコマンダーたちのこの手の支配をやめさせてほしいと思う。こうした支配が私達の国では何年もの間行われてきた。私達はもうこれ以上砲声を聞きたくないし、戦争で荒れ果てたこの私達の国に平和と安定が根付くことを願っている。」
ジェブドは援助団体が物資を支給する最も良い方法は、可能な限り犠牲者に直接手渡すことだ、と語った。「外国の援助団体の人々は自分たち自身でここを訪れて、私達の状態を自身の目で見るべきだ。それがこの手の腐敗を防ぐ方法だ。ここには私達自身の長老や代表者がいて、彼らが事に当たるはずで、こうしたやり方こそ私達を支援する最善のやり方だ。」
  ナヒリ復興に尽力している最大の援助団体はフランスのACTEDであるが、この組織は地震被災者救援を専門にしている。3月29日、ナヒリでACTEDの報道官、シャリン(Shareen Zaghow)は、ACTEDと他の援助団体はコマンダーらが援助物資のいくらかを横流ししていることに気づいていたと語った。「ここでは組織は救援に努力している・・・しかし地方のコマンダーはコントロールされておらず、彼らは人々の手に渡る(はずであった)物資を横取りしている。」ザゴウ(Zaghow)は問題がどの程度のものなのか判断するために調査が進められていると語った。「私達はこうした事実を見てきている。国連や他の団体と協調して全ての仕事を行ってきているので、私達は実際に何が起きているのかを調べる調査チームを編成する。本当にそのようなことがおきているのであれば、UNHCR派遣団代表がコマンダー達、および当地の有力者とカブールで問題について話をして決着がつくだろう。」

 3月29日、国連の報道官、ステファン・バンカー(Stephanie Bunker)は被災地に立会い、調査が行われるであろうと述べた。しかし彼女(ステファン・バンカー)は不正に着服された援助物資を取り戻せるかどうか疑問だと付け加えた。
 アフガンの首席報道官、Manoel de Almeida e Silva は調査は続けられており、「残念なことだが現時点ではこの問題について詳細が把握できていない。さらに確認を進め、確認が済んだらどのような行動が求められるだろうか?もちろんこのような状況は治安上の問題である。アフガンの権力者達は治安上の責任があるのだから私達は彼らと調べなおさなければならなくなるだろう。」
彼は国連や他の援助団体は、アフガン以外の世界中どこでも、彼らが価値のある物資を大量に配送をすると、常に脅迫を受けたり、盗難にあったりする、と言う。
「私達は人間性(human nature)について語っているのです。人間性です。世界のどこでもこうした状況に直面します。ナヒンのこのエピソードは確かに追求するべきことです。」

 タリバン政権の時代、そしてアフガンでの米軍主導の軍事作戦の時期には援助団体は脅迫と援助物資の盗難にさらされた。しかし、アフガン暫定政権が国際社会の援助を切望していることから援助団体にはこうした事件の取締りがなされるという希望を持っている。

 

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