米軍、アフガニスタン軍閥に武器提供
02.10.16 World - AP Asia http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=516&ncid=516&e=2&u=/ap/20021016/ap_on_re_as/afghan_arms_4

米軍は、アフガニスタンの軍閥たちにアフガニスタン国内で押収した武器を提供しているという。軍閥の存在によって、カルザイ政権は首都カブール以外の地方に影響を与えることができないでいる。地方の治安が不安定な理由も軍閥の存在が大きいといわれている。しかし一方で、アルカイダの残党狩りをするなど、アメリカの対テロ政策上、軍閥は欠かせない存在でもあるようだ。
アフガニスタン・バグラム、AP通信
米軍部隊はアフガニスタンで押収した武器弾薬を軍閥に提供してきたことが判明し、識者らはこうした行為が私設の軍隊を強化し、国の軍隊を作ろうとする試みをなし崩しにするものだと批判している。
アフガニスタンの国軍はまだ発足したばかりのハミド・カルザイ政権に安定をもたらす鍵になると考えられてきた。カルザイ政権は強い勢力を持つ軍閥の脅威を受けて、首都カブールの外ではほとんど影響力を持っていない。しかしこれらの軍閥の多くは同時にアメリカ軍の対テロ戦争に対して非常に大きな貢献をしている。
「あなたの軍隊が敵と戦っている、あるいは敵に遭遇するような状況にあるとすれば当然適当な武器が必要になる」と今週、アフガン駐留米軍の報道官であるロガー・キング大佐(Col. Roger King)は語った。彼はまた軍閥の大半は何らかの形で中央政権と名目的には同盟関係を結んでいるが、発足したばかりの国軍に正式に加わっているわけではないことも付け加えた。
毎週米軍はアフガン東部をしらみつぶしに捜査して、多量の武器弾薬を発見している。金曜にはホスト州の倉庫で武器庫を発見、35台のトラックが押収した120mmロケット砲や対戦車砲などでいっぱいになるほどであった。米軍部隊に同行した軍閥の兵士達は米軍立会いのもと、押収した武器弾薬のうち程度のましな部分を入手した、とキング報道官は言った。「彼らがもっていった後で状態の良い武器が残ってればアフガン国軍に返却していた」と報道官は言う。大半の武器の状態は悪かったので米軍が破壊したのだという。
キング報道官は軍閥と国軍に渡された武器の量はわからないとしている。しかしこのように軍閥の武装を強化することは悪い前例となると批判する識者もいる。「軍閥よりも国軍を武装させる方が優先されると期待するのが普通だろう」とヘリテージ財団のアフガン問題専門家であるジム・フィリップ(Jim Phillips)は言う。
月曜、スティーブ・クラッターはこの金曜に発見された武器庫の件では、発見された武器は29,450の82mm迫撃砲、1800のロケット砲、30のダシュカ重機関銃などで、この中から使えそうなものを地方の兵士達が片っ端から受け取ったと思われると語った。
火曜、このアフガン東部の武装勢力はおよそ39台のトラックいっぱいの武器を倉庫から押収した後で、国軍向けの武器を同様に選んで提供するつもりだと語った。
アフガニスタンでの作戦を指揮する米軍の中央司令部は軍閥を武装させることと、アフガン政府の国軍を強化することの間に矛盾は無いとみなしている、と語る。これはこの件についてキング報道官が語ったことと一致している。
カルザイ政権の政府職員は国軍は訓練を受ける一方で制限も受けていると語る。「我々は本当はこうした武器を全て集めて、国防省に手渡したいと思っている」とカルザイの首席補佐官、タイーブ・サイード(Said Tayeb Jawad)は言う。
外務省報道官のオマル・サマド(Omar Samad)は地方の軍閥に提供された武器は「対テロ戦争と同盟軍との共同作戦のためだけに使われるべきだ」と語る。
しかし、アフガニスタンの軍閥には武器を互いに向け合ってきた過去がある。1990年代には彼らの間の戦争でこの国は荒廃し、タリバンの台頭を招くことになった。軍閥の指揮官の中にはいまだに軍閥相互の戦争を続けているものたちもおり、こうした紛争のおかげで北部アフガニスタンの大半は国際援助団体職員にとって危険な場所となっている。
モハメド・ファヒム国防相自身も私設軍隊を指揮しており、パンジシール渓谷に大量の武器のストックを持っているとされる。彼は過去に国軍の必要性を疑問視していたことがあるが、国際的な圧力によって公にはその立場を変えている。
アメリカとフランスの指導で運営されている軍学校から、ここ数ヶ月の間に最初のアフガン国軍3大隊−総計約960人の兵士達−が生まれた。今年はじめに軍学校が開設された時、生徒が使う武器はほとんど何も無かった、と軍学校の米軍報道官、ドン・ディー軍曹は語った。
「彼ら生徒がここにやってきたとき、彼らは基本的に寝起きする場所、話をする場所を与えられただけで訓練をはじめた。」
軍学校はその後2000丁のAK-47機関銃をルーマニア、ウクライナ他の国々から提供されたが、いまだに600丁ほどが不足している。
兵士らは卒業するときに兵器を返却しなければならない。ディー報道官は彼らが使う銃がどこから提供されるのかは知らない、と語る。
アフガニスタン国防省は全ての兵士が十分に武器を供給されるだろうと語る「彼らには十分な武器がある。」と国防省報道官、グルバディン・ハムダード(Gulbuddin Hamdard)は語った。
他国の高官はそのようにはみていない。あるイギリス政府職員はイギリス政府がファヒムにアフガン国軍向けに600丁のライフルを提供するよう要請したが、このときファヒムが国軍に提供したのは150丁だけであった。
アフガン政府は他国にライフル銃を寄付するよう要請しているが、多くの国々はすでに武器で溢れかえっているアフガニスタンにさらに武器を注ぎ込むことに慎重である。米軍兵士はアフガニスタンの町で100ドルほどで新品のAK-47ライフルを買わないか、と幾度も言われたと語る。
キング報道官は軍閥に提供される武器の大半は国軍部隊に提供するものとしては品質が良くないものだ、と語った。そうした銃の中には標準器がのこぎりで切ってあったり、連射だけできて一発づつ撃つことができなかったりする。彼が言うにはアルカイダの残党狩りを続けるために軍閥には武器が必要なのだという。
「仮にあなたが軍務についていれば、軍事活動を続けるために兵器が必要になるのです。それがまず最初に必要なことなのです」と彼はキング報道官は語った。
彼はこうした軍閥の武装強化がアフガニスタンの派閥争いを減らそうとするアメリカの努力に相反しないと考えていると語る。
「我々が兵器を供給している軍勢はアフガニスタンの中央政権側についていると認められている者達なのです。」と彼は言う。「我々には任務をやり遂げるために人手が必要です。だからそのためにはさまざまな調整も行われるのです」


 

このページのトップへ  Top pageへ