北部の治安ますます悪化、国連とアフガン政府が新組織を設立

Violence in northern Afghanistan deterring refugee returns Agence France-Presse (AFP)
注:記事は国連のニュースサイト、RelefWebより
http://www.reliefweb.int/w/rwb.nsf/6686f45896f15dbc852567ae00530132/ff76ac426ddf7da549256c5900064102?OpenDocument

アフガニスタン北部ではタリバン政権崩壊以後、群雄割拠する(各地に地盤を持つ軍閥が勢力を振って対立している)軍閥による住民への暴行、特にパシュトン人に対するウズベク人、タジク人、ハザラ人の報復がたびたび報告されてきた。
今回の国連報告では、こうした暴力が今なお進行中であること、そうした暴力、治安悪化を緩和するために国連とアフガン中央政権が軍閥を巻き込んだ形で問題解決のための組織を設立したことを伝えている。
軍閥の暴力はタリバンと同一民族であるパシュトン人に対する報復という意味を持つと同時に、経済的な利権をめぐる意味合いもある。(土地没収、財産強奪等)今回の調停組織、あるいはアフガン政府に軍閥を調停・懲罰する実質的な軍事力が無い上、中央政権の中核メンバーがほかならぬ有力な軍閥で占められているという事情を考えると、組織の実効性に疑問が残る。
アフガン政府をはじめアフガン人や、援助団体の多くはこれまでに軍閥と治安の問題解決のために、国連の国際治安支援部隊(ISAF)を地方の主要都市にまで展開してほしいと再三にわたって国連に要請してきた(現在はカブールに限定して駐留)。しかしこの要請は、アメリカにより拒否されてきている。アメリカはアフガンの治安維持は創設中の新しいアフガン国軍が担うべきで、米国はこの国軍育成に協力する、という立場をとっている。

 
  北部アフガンで悪化する治安で難民達は帰還を思いとどまっている。
民族的な敵対、報復による殺人といったことを恐れて、数千人の難民達がアフガン北部の故郷へ帰還することをためらっている、と国連は日曜(訳注:2002年10月20日)に発表、北部地域の治安が今なお不安定であることを警告した。
国連難民高等弁務官事務所のアフガンミッションチーフであるフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)は北部では治安悪化が深刻化しているため、状況を緩和するための専門の団体をつくることを促進してきた、と語った。
グランディによると23年間の内戦が終わった結果、アフガニスタン難民の本国帰還はかつてない大規模なものとなった一方で、人々は北部への帰還に躊躇しており、いまだにたくさんの人々故郷から避難を続けている。
「アフガン南部にいるたくさんの国内避難民の中には北部から避難してきた人々が非常に大きな割合を占めており、この状況は継続している。パキスタンの難民達のコミュニティでも同様だ。」と彼はレポーター達に語った。
「暴力的な攻撃、作物の強奪や盗みといったことで人々はあきらめ、あるいはさらにまた避難をすることになる」と国連報道官、Manoel e Almeida da Silvaが付け加えた。
 北部アフガニスタンでは、地域を支配する軍閥の間に緩やかな連携があるとはいえ、党派争い、民族間の敵対関係によって人々は今も苦しめられている。こうした軍閥らはその大半がアフガンの中央政権に忠誠を誓っている。
「北部には人権侵害とそうした人権侵害に対する報復の暴力が続いた長い歴史がある。10年を越えるこうした暴力の歴史によって、怒りと憎しみの気運が形作られてきた。」とグランディは語った。
 北部で紛争が続いていることに加え、北部主要都市マザリシャリフ周辺とシベルガン周辺地域で集団墓地と思われるものが発見されている。こうした集団墓地には報復殺人による犠牲者達が埋められていると言われている。数千人のハザラ人がタリバン政権によって殺害され、マザリシャリフ周辺の集団墓地に埋められた、と主要なハザラ人グループのスポークスマンが今月はじめにAFPに語った。
 昨年末の没落までほぼアフガン全土を支配していたタリバンは1998年の虐殺のかどで非難されている。タリバンは虐殺の前年にマザリシャリフでその兵士達数百人が殺されており、タリバンの虐殺はこのことへの報復とされている。

 グランディは北部へ難民帰還を促進するための新しい組織は国連の諸機関とアフガン中央政権、地方の指揮官(コマンダー)達、そして新たに創設されたアフガン人権委員会が後援し、問題を解決するための「手段」となるだろうと語った。しかし同時に彼は短期間では解決しないと警告した。
E Almeida da Silva は10月17日にマザリシャリフで多くの団体の間で合意が成立したと伝えた。
「この地方では特別な努力が必要なのです。そのことを強調するものとして北部からカンダハルへ逃れてきた人々が最近になって現れている事実があります」と彼は語った。
カンダハルはアフガニスタンの最南部に位置し、アフガニスタンで一番大きい国内避難民のキャンプをいくつか抱えている。
昨年タリバン政権崩壊以来、170万人を越える難民がアフガニスタンに帰国した一方で、国連の推定では90万人に及ぶ人々がアフガニスタン国内で今なお故郷に帰る日を待ち続けているという。


 

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