警察のゆすりにおびえるカブール市民
2002-10-18 (ARR) Police Extortion Fears
http://www.iwpr.net/index.pl?archive/arr/arr_200210_32_1_eng.txt

数百人のカブール市警察官の給料が当局から支払われていないため、警察官が地元市民から現金ゆすり取るという事態がおきている。

レポーター:ハビダル・ラーマン・イブラヒム、カブールにて(Habibul Rehman Ibrahimi) 
2002年10月2日 ARR No. 32, 18-Oct-02

 警察官達はこの数ヶ月間の間給料を受け取っておらず、こうした警察官達が生活のためにカブールの一般市民に現金を要求している。およそ1500人の市警察官は9ヶ月以上も給料を受け取っていない。こうした警察官の中には地元住民に恐喝や暴力を用いて商品やサービス、現金を取り上げている。
今や多数のカブール市民がこの問題をすぐに解決しなければ、もっとたくさんの給料未払いの警察官達が恐喝まがいの行為にうったえはじめるだろうと懸念を表している。

 警官達は主にタリバン政権崩壊後に首都にやってきた元北部同盟兵士だ。1992年にムジャヒディンがカブールを掌握した時に、市の警察隊が解散させられたため、こうした北部同盟の兵士達が秩序維持に責任を引き受けるようになった。しかし当局が語るところでは、こうした者の多くは正式に雇用されたものではなく、1年近く勤務してきたにもかかわらず、彼らへの給与支払いの準備が整っていないのだという。市の第4管区の警察官、サマラ(Sameulla)はIWPRに次のように語った。「我々はカブールに来てからずっと支払いを受け取っていない。Eidの祭りの時にボーナスとして1万アフガニ・・・25ドルを受け取っただけだ。」

 兵士の中には賃金凍結の背後に政治的な意図、つまり政府の中に彼ら警官が北部同盟と非常に密接な関係を持っていることから好ましく思っていない者がいると疑う者たちもいる。また、北部同盟が市街地のほとんどを破壊したことを非難する声があり、現在の警官達がその北部同盟の元兵士達であることから、警官たちが給与未払いという扱いにそれほど騒がないという計算があるのではないかと疑っている。
「これまで給与未払いとなっている警察官は200人いる。彼らは全員北部同盟出身のムジャヒディンだ。こうした人々はタリバンに対して何年もの間戦い、今回の新政権樹立に力となった。」第二管区署長、アブダル・ワヒド・シャリーフ(Abdul Wahid Shareefi)は語った。「当局はムジャヒディン達を辱めたいと思っている。彼らは警官達に給料が払われなければ、警官が収賄、強盗、盗みといった犯罪に手を染めることを知っているのだ。」
「我々はタリバンからこの国を救う手助けをした。給料が得られなければ、生活するために必要な金をうる、というただそれだけのために賄賂を取らざる得なくなる。」とある警官は匿名で語った。
既に元民兵の警官達の中には恐喝を非難されているものがいることから、この腐敗の脅威は非常に現実味を帯びている。
市内最大の商店街で小売店の店主をしているサフィウラ(Safiullah)はIWPRに警官が毎週彼に金を要求してくると語った。「警官は皆この事実を知っているが、警官に給料が支払われれば私達貧しい者から金をとろうとはしなくなるでしょう」と彼は言った。
もう一人の恐喝の被害者で、路上で商売をしているムハンムド・グル(Mohammad Gul)も不平をもらした。「我々が彼らに支払いをやめると彼らはここで物を売ることを中止させて、我々を殴るだろう」
名前を明かせないとする、あるタクシードライバーは、警官たちに運賃を要求したところ警官が「我々は給料を9ヶ月もらわずにあなた方に奉仕しているのだ。」と言った。もしも彼が支払いの要求を主張したら殴られるか、侮辱的な行為を受けることになっただろうと、このドライバーは語った。
「民兵達は大半がかたくなな若い青年で、彼らに挑戦でもしようものなら反撃されてしまう。彼らにすぐにでも給料を払わなければ、事態はますます悪くなるだけだ」と彼は付け加えた。

 多くの警官達に辞職の兆しが見えるほど警官達の風紀は、悪くなってしまった。第一管区署長のミルザ・ムハンムド・サイフィ(Mirza Mohammed Saifi)は「こうした警官たちが辞職してしまうことを内務省に警告しようと思っている。彼らが辞職して警察を出て行くことはアフガンの治安上好ましくない影響を与えるだろう。」
カブール警察長官のアブダル・バシール・サランギ(Abdul Baseer Salangi)IWPRとこの件について話をすることを拒否し、上層部の問題だとした。
匿名を希望するある一人の政府職員は、およそ1450人の警官たちがこれまで給与未払いであった事実を確認していると語った。しかし彼は大多数の警官は内務省に任命を受けておらず、なにはともあれ任務をこなすに十分な年齢になっていないと主張した。「大半のものは若い青年です。」と彼は言い、給料が支払われることになればその数はふくれあがるだろう、と加えた。
この政府職員は警官たちは内務省の命令に沿ってまもなく支払いを受けることになるだろうと語った。後にIWPRは状況を確認しようとしたが、この政府職員はIWPRの数度にわたる訪問、文書による質問に対して回答を拒否した。
政府当局は今年3月に約2万9000人の新しい警察官を訓練し、市の内外に配備する予定だと語ったが、これがいつ実現するのか、現在までのところ何も表明されていない。

 第二管区署長、アブダル・ワヒド・シャリーフ(Abdul Wahid Shareefi)は語った。「こんなことは長続きしない。内務省が今の警官たちを望ましくないと考えているのなら、新しい市の警察隊を雇って、訓練するべきだ。」

※本記事をレポートした ハビダル・ラーマン・イブラヒム(Habibul Rehman Ibrahimi)はカブール在住のフリーのジャーナリストである。


 

このページのトップへ  Top pageへ